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月曜日, 12月 17, 2007

ほっけ

〇ほっけ

 アイナメ科の海産魚。全長約50cmほどになり、暗褐色で腹側は淡い。アイナメが本州より南に分布するのに対し、ホッケは本州北部から北海道で多く獲れる。礼文島ではピリカと呼ぶ。脂肪分が多く味が変わりやすいので、新鮮なものを選ぶことが第一である。旬の冬には独特の風味と美味を楽しめる。開き干しにするとカルシウムが増えるので(生の約7倍)、一夜干しなどがお奨めである。ホッケは練り製品に多く使われるが、この魚独特の味はやはり焼き物ならではといえよう。干物は四季を問わず出ているが、保管が悪いと皮の表面が酸化して黄ばみ、味も落ちる。

土曜日, 12月 08, 2007

飛魚(とびうお)

〇飛魚(とびうお)

 トビウオ科の海産魚の総称で、世界の暖海域に60種も分布する。アゴ、ツバメウオ、トンボウオ、ホントビ、ホソ、ツクシ、ハマトビウオ、アリアケなどの呼び名があり、英名はフライングフィッシュ。全長約35cmくらいになり、発達した胸鰭を広げて滑空する。秒速24m、最大飛行距離400mに及ぶといわれる。

 ニシン、カツオと並んで春を運ぶ魚の代表で、東京以南、九州の五島列島付近によく分布し、4~7月の産卵期には沿岸近くまで来て海草に産卵する。産卵期の夏が味がよく、安価なので利用しやすい。鳥類と同じく腸が短いので内臓が少なく、鮮度が落ちにくい特徴がある。地方によっては寿司ネタにしたり、刺身、ぬた、干物などにする。有名な鳥取県のアゴ竹輪はトビウオが材料である。

 脂肪が少なく低カロリー(生100gあたり0.7g、96kcal)なのでダイエットにもよい。栄養成分的な特徴としてはミネラルのセレンを含むことである。セレンは抗参加酵素のグルタチオンペルオキシターゼの構成元素で、坑酸化作用に欠かせないミネラルである。老化やガンの予防に役立つ。

金曜日, 12月 07, 2007

鱈(たら)

〇鱈(たら)

 タラ科の海産魚の総称で、マダラ、スケトウダラなどがある。12月から翌年2月ごろまでの冬場が旬。身が透明で柔らかく味が淡白なので、ちり鍋、粕漬け、フライ、シチューなど調理のバラエティは多い。白子も汁物や蒸し物に利用される。スケトウダラの卵巣は塩蔵してタラコがおに加工される。

 タラ(マダラ)は脂肪分が100g中0.2gと少なく、エネルギーが77kcal(タイの約半分)と低いため、肥満や糖尿病などカロリー制限をしなくてはならない人に適している。タンパク質(17.6g)はアミノ酸スコアも高く、ミオシンなどの繊維性タンパク質が多いため熱しても固まらないので消化しやすく、病人食や離乳食に利用できる。ただし、旨み成分のイノシン酸は分解・変性しやすく、味が早く落ちてしまうのが残念である。

 栄養上の特徴があるのはタラコである。ビタミンK以外のほとんどの栄養分を含み、タンパク質や核酸の代謝に不可欠な亜鉛の含有量は3.8mg(焼きタラコ100g中)にも達する。成長促進ビタミンといわれるB2も0.53mgと豊富で、これは口角炎や舌炎などの予防にも大切である。神経痛、胃痛、下痢、食欲不振、不眠、無気力など関係の深いナイアシンも56.9mg含まれてる。

 このほか、マダラの肝臓から摂取した油脂で肝油が作られる。タラ肝油は特にビタミンAを多量に含み、医療用や強化食品として用いられている。

月曜日, 12月 03, 2007

鯛(たい)

〇鯛(たい)

 タイ科の海産魚での総称で、マダイ、チダイ、キダイ、ヒレコダイ、クロダイ、ヘダイ、キチヌなど多くの種類がある。旬の時期は種類により異なるが、冬から春にかけておいしいのはマダイ。200種類以上あるタイの中で最も大きく体長1mを越えるものもある。一般的にはの産卵期を過ぎた夏から秋にかけてが旬である。

 種類による栄養特性に大きな差はないが、ナイアシンはマダイが最も多い(天然生100g中6mg)。ナイアシンは神経のイライラや不眠、皮膚疾患などを防ぐビタミンである。また、どの種類であってもカリウムに富んでいる(マダイ440mg、クロダイ00mg)。カリウムは心臓や筋肉の活動を活発にするとともに、ナトリウムの吸収を抑え高血圧を予防する働きがある。加えてビタミンB1・B2も多く、糖質の代謝促進、口内炎・皮膚炎の予防に有効である。マグロやイワシには及ばないが、養殖マダイはDHA(総脂肪酸の14.5%)とEPA(同8.6%)が多いことも特筆に価する。

日曜日, 12月 02, 2007

鱸(すずき)

〇鱸(すずき)

 スズキ科の海産魚で、近海の岩場に棲み、全長1mにもなる。背は灰青色で腹部は銀白色。北海道以内の東・南シナ海に分布し、若魚は夏に川をのぼる。ブリと同じく出世魚で、体長30cm以下のものをセイゴ、60cmまでをフッコ、それ以外をスズキと呼ぶ。夏が旬で脂がのっておいしい。脂質を4.2g(生100g中)含むが脂っこさは感じない。肉は白身で癖がなく、あらい、刺身、煮付け、味噌汁など調理法はバラエティに富む。島根県宍道湖の名物料理として知られる奉書焼が有名。スズキはビタミンA・B・Dが豊富で、視力の改善、皮膚や粘膜の健康維持、骨の形成促進などに効果的である。

土曜日, 12月 01, 2007

鰈(かれい)

〇鰈(かれい)

 カレイ科の海産魚の総称で、日本近海だけでもマガレイ、マコガレイ、アカガレイ、メイタガレイ、ホシガレイ、イシガレイ、オヒョウなど大小20数種を数える。カレイによく似た魚でヒラメ(ヒラメ科)があるが、左ヒラメ、右カレイといわれるように、眼のある側を表、腹を手前にして置いたとき、ヒラメは頭が左側、カレイは右側にくる。カレイとヒラメを栄養的に見ても、ビタミンB2がヒラメの3倍(マガレイ生100g中0.35mg)という以外はそれほど大きな違いはない。

 カレイのB2含有量はウナギには及ばないが、魚介類の中では多い。ビタミンB2は成長期の発育に欠かせない栄養素であり、欠乏すると口唇炎や口角炎、陰部の皮膚炎や膣炎を誘発したりする。水溶性ビタミンで調理時に失われやすく、また体内に蓄積されにくいので、日頃からコンスタントに摂取することが肝腎とされている。

 カレイやヒラメは、周囲のヒレの付け根の部分をえんがわと読んで寿司ネタでも珍重されるが、この部分にはコラーゲンの含有量が多く、皮膚を水々しく保ち、免疫力を高める効果がある。

火曜日, 11月 27, 2007

鮭(さけ)

〇鮭(さけ)

 サケ科の魚は4属に分けられ種類が多いが、わが国では主にシロザケ、ギンザケ、ベニザケ、マスノスケ、サクラマス、カラフトマスなどが食用に充てられる。一般にサケといわれるのはシロザケ。マスといわれるのはサクラマスである。生ザケは主に塩焼き、フライ、ムニエル、鍋物、三平汁で食べられる。加工品には塩蔵(塩鮭、新巻き)、燻製(スモークサーモン)、缶詰などがある。このほか、卵巣を塩漬けにした筋子、卵をほぐして食塩水につけたイクラ、腎臓を塩漬けにしたメフンなどがある。

 栄養的にはビタミンB1・B2、ナイアシンが豊富で、糖質代謝、皮膚や粘膜の健康維持に効果がある。またビタミンDが多いことも見逃せない(シロザケ100g中39ug)。Dは腸管でのカルシウムの吸収を促進し、骨の形成に欠かせないビタミンである。このほかビタミンAがシロザケ焼きで14ug、イクラで330ug、筋子で670ugあり(いずれも100g中のレチノール量 )、視力の改善、皮膚や粘膜の健康に貢献する。サケやイクラの赤い色はアスタキサンチンというカロチノイド系の色素で、β-カロチンやビタミンEより強力な抗酸化作用をもつといわれている。

土曜日, 11月 24, 2007

秋刀魚(さんま)

〇秋刀魚(さんま)

 サンマ科の海産魚で、秋口に大量に漁獲される。食卓にもよく登場する魚の第1位はアジ、第2はサンマ、第3位はイワシという調査結果(1992年、(社)大日本水産会)があるが、秋刀魚という文字が意味を失うほど今では冷凍技術の向上で1年中店頭に出回っている。東シナ海から北千島へかけて南北に回遊するが、北のほうで獲るほど脂がのっておいしい。

 背の青い魚であるサンマは、サバやイワシと同じく不飽和脂肪酸のEPAとDHAの含有量が多い。また、ビタミンB2とB2の補給源としても優れている。B2(焼き100g中に0.29mg)は子供の成長を促進し、B12(同19.3ug)は悪性貧血を予防する。グリーンアスパラなど葉酸が多く含まれる食材と一に摂ると貧血の予防効果が高まる。また、脳の働きを活性化するアミノ酸の代謝にも重要でボケ防止につながる。

金曜日, 11月 23, 2007

鰊(にしん)

〇鰊(にしん)

 ニシンは北太平洋に分布するニシン科の海産魚で、春の訪れとともに特有の味と柔らかな身を堪能させてくれる魚である。栄養的にはイワシよりも脂質が高く(生100g中15.1g、マイワシは13.8g)、エネルギーも216kcalと高い。脂肪酸の組成はDHA(ドコサヘキサエン酸)は少ないが、EPA(エイコサペンタエン酸)はマグロ(ホンマグロ脂身)を上回っている。カルシウムやリン酸の吸収に関与するビタミンDも多く含まれ、生では22ug(100g中)だが、開き干しでは3ug、身欠きニシンでは50ugになる。

 ニシンにはこのほかミネラルのセレンが含まれている。セレンは抗酸化酵素のグルタチオンペルオキダーゼの構成元素で、抗酸化作用に欠かせないミネラルである。また、血圧をコントロールするプロスタグランジン(ホルモン)の産生にもかかわっている。

木曜日, 11月 22, 2007

鰺(あじ)

〇鰺(あじ)

 アジ科の魚の総称で、ふつうはマアジを指す。日本近海にはこのほかムロアジ、シマアジが分布する。いずれも尻ビレの前方側面に”ゼエゴ”と呼ばれる硬いとげをもつウロコのあるのが特徴。肉はいわゆる魚臭さがなく、アミノ酸のアラニン、グリシン、グルタミン酸、ヌクレオチド類のイノシン酸といった旨味成分が多いので、刺身、たたき、酢の物、天ぷら、塩焼き、干物など、利用法は非常にバラエティに富んでいる。

 栄養成分としてはカリウムが比較的多い(マアジ生100g中に370mg、開き干し310mg、ムロアジくさや850mg)。また、他の魚に劣らぬほどビタミンB1・B2・D・Eを含有し、カルシウムはくさやになると生の46倍にもなる。小アジの唐揚げ、くさやなどで、カルシウムの補給効果が期待できる。

火曜日, 11月 20, 2007

鰯(いわし)

〇鰯(いわし)

 イワシはニシン科のマイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシ科のカタクチイワシなどの総称である。大衆魚としてなじみ深い魚だが、背の青い魚に含まれるEPAやDHAの効能が明らかになって以来、すっかり時代の寵児になった観がある。イワシは生を塩焼きや揚げ物、煮付けにするほか、干物(めざし、丸干し、みりん干し)、田作り、煮干し、缶詰などに調理・加工される。

 栄養成分量は加工法によって大きく変化し、例えばカルシウムは、生では60~85mg程度であるが、丸干しにするとマイワシ440mg、ウルメイワシ570mg、カタクチイワシの田作りでは2500mgにもなる(いずれも100g当たり)。また、血合いや内臓ごと食べることで鉄分の貴重な補給源ともなる(ウルメイワシの生100中2.3mg、丸干しでは4.5mg)。鉄は赤血球のヘモグロビンの重要な構成要素で、不足するといわゆる鉄欠乏性全身貧血になり、疲れやすい、だるい、食欲不振、めまいといった症状が出る。魚肉に含まれる鉄分はヘム鉄で吸収されやすいので、努めて積極的に食べるようにしたいものである。

 イワシの稚魚(3cm以下のもの)はシラスと呼ばれ、シラス干し(微乾燥品、関東向け)、チリメンジャコ(半乾燥品・関西向け)、タタミイワシにする。シラス干しにはアミノ酸のチロシンが多く含まれており(100g中1300mg)、魚類中トップである。マサチューセッツ工科大学ジュディス・ワートマンらはチロシンが脳内神経伝達物質のノルエピネフリンとドーパミンを増加させ、精神的なエネルギーを高める作用のあることを確かめている。

月曜日, 11月 12, 2007

鰤(ぶり)

○鰤(ぶり)

 日本近海に分布するアジ科の高級魚。冬の荒海に揉まれた寒ブリはまさに絶品であるが、近年はハマチの名で店頭に並ぶ養殖物が多い。養殖ものは一般に脂ぎった感じが強く、切り身が一様にベージュ色であるのに対し、天然物はややピンクがかかっていることが特徴である。ブリは出世魚で、幼魚のときから順に呼び名があり、関東ではワカシ→イナダ(ハマチ)→ワラさ→ブリ、関西ではワカナ→ツバス→ハマチ(メジロ)→ブリとなる。

 振りは脂身の持つトロッとした旨さに、ヒスチジン(アミノ酸)の旨味が加わって特有の風味が醸し出される。脂質が多いためカロリーは高いが(生100gで257kcal)、脂肪酸の組成は良好でEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)で21.5%を占めている。また、単価不飽和脂肪酸のPOA(パルミトレイン酸)が7%と比較的多い。POAは特に脳血管の栄養を補う働きがあるため、脳出血、クモ膜下出血の予防に効果的である。
 

日曜日, 11月 11, 2007

鰆(さわら)

○鰆(さわら)

 サバ科の回遊魚で、本州中部以南の太平洋岸に多く見られる。脂の乗った柔らかい肉の特有の旨味があり、塩焼きにすると絶品である。地方によって旬が異なり、春が旬なのは瀬戸内海。駿河湾や伊豆では秋、相模湾では、”寒ザワラ”といって正月から3月にかけてがおいしい。

 栄養成分としてはカリウムの含有量が多く(100g中に490mg)、食塩のナトリウムの吸収を阻害して高血圧の予防につながる。また、ビタミンB2(0.35mg)とナイアシン(9.5mg)を多く含んでいる。B2は成長を促進し、舌炎や口角炎を防ぐ働きがある。ナイアシンが不足すると皮膚がザラザラに荒れて紅色の発疹ができ、色素沈着を起こすことがある。鰆はサバなどに比して脂質が少ないため(100g中、サバは12.1g、サワラは9.7g)、カロリーも1割強少ない。

土曜日, 11月 10, 2007

鰹(かつお)

○鰹(かつお)

 サバ科の回遊魚で、4~5月に北上してきたものを”初ガツオ”と称して江戸庶民は喜んだが、北海道近海や三陸沖で夏を過ごして南下した秋の”戻りガツオ”も脂がのっていておいしい。ただし、近年は世界各地からの輸入物が増え、旬の味わいが忘れられた観もある。

 カツオは優れたタンパク源(生100g中25.8g、アミノ酸スコア100)であるとともに、ビタミンB1・B2・B12・Dも富み、特に血合いに含まれるB12(100g中8.4ug)は魚類のトップクラスである。B12欠乏は悪性貧血の原因となり、肝臓疾患や子ども発育不全、女性の不妊症の原因となることがある。

 わが国特有の発酵調味料であるカツオ節はタンパク質が77%を占め(生カツオは25.8%)、アミノ酸の含有量がずば抜けて多い食品である。家庭でカツオ節を削る光景が見られなくなって久しいが、手軽に利用できるパック製品があるので、色々な食材と組み合わせて積極的に摂りたいものである。

金曜日, 11月 09, 2007

鮪(まぐろ)

○鮪(まぐろ)

 サバ科の大型魚でクロマグロ、メバチ、キハダ、ビンナガ、ミナミマグロの種類がある。中でもクロマグロの味は最高で、幼魚はヨコワ、少し大きくなるとメジ、成魚はシビとも呼ぶ。なお、俗にカジキマグロと呼ばれるのはマグロとは別種で、マカジキ、クロカジキ、メカジキなどがある。

 トロを食べると頭がよくなると一時期騒がれたが、これはマグロに多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)の効能が明らかにされたためである。DHAを多く含む脂身にはEPA(エイコサペンタエン酸)も豊富であるが、マグロはカルシウムの吸収をよくするビタミンDも多い。また、赤味や血合いには強心・強肝、貧血防止、血中コレステロールを下げる働きを持つアミノ酸のタウリンが多く含まれており、頭脳を明晰にするだけでなく健康をもたらす優れた食材である。

 厚生労働省は2003年6月、妊婦に対して水銀濃度の高い魚介類の摂食に関する注意事項を発表したが、05年8月の見直し案で新たにクロマグロ、メバチマグロ、マカジキなどを追加している。それによると1回の摂取量を80g(刺身一人前)として、クロマグロ、メバチマグロ、メカジキは週1回まで、ミナミマグロ、マカジキは週2回までとしている。

木曜日, 11月 08, 2007

鯖(さば)

○鯖(さば)

 海産魚のサバ科の総称だが、普通はマサバを指す。日本近海にはこのほかゴマサバ、グルクマが分布する。サバは100g中に脂肪を12.1g含むが、肉類の脂肪とは異なり、オレイン酸やEPA(エイコサペンタエン酸)DHA(ドコサヘキサエン酸)の不飽和脂肪酸を多く含んでいる。これらはコレステロールの予防に有効である。動脈硬化や血栓を防ぎ、血圧を正常に保つ働きがあり、生活習慣病の予防に有効である。コレステロールはサバを約100g食べると6週間で血液の粘度が顕著に下がることが明らかにされている。また、1日に85gのサバを長期間食べ続けると血圧が約7%下がるとする研究もある。

 サバのタンパク質(20.7g)は必須アミノ酸を豊富に含み、アミノ酸スコアは99と高い。ビタミン類ではB2が0.28mgと多く、これ以外ではビタミンAが24ug、B1が0.15mg、ビタミンD11ug、ナイアシン10.4mgなどが目立つ。

 サバは酢や味噌とよく合うので、しめサバや味噌煮にして食べられることが多い。なお、サバの生き腐れという表現があるように、サバは急速な鮮度低下が利用上の問題となることが多い。サバはアミノ酸の一種であるヒスチジンが多く含まれているが、これが酵素分解でヒスタミンという有害物質に変わるためだが、ヒスタミンはアレルギー源にもなりやすく、蕁麻疹の原因となることもある。

水曜日, 11月 07, 2007

昆布

昆布

 昆布は渇藻類のコンブ科に属する海藻の総称で、狭義にはマコンブを指す。日本で採れるコンブはマコンブ、利尻コンブ、三石コンブ、ナカコンブ、ホソメコンブ、ネコアシコンブなど30種類近くある。

 コンブはアルカリ度が38.9と高く、いわゆるアルカリ性食品であるが、それはカルシウムの含有量が多く、リンが少ないためである。マコンブの素干し100g中のカルシウムは710mg、リンは200mgである。同じ海藻類のアマノリは、干し100g中カルシウム140mg、リン690mgでりんのほうが多く、酸度5.25のいわゆ酸性食品である。

 カルシウムは吸収されにくいミネラルで、効率よく利用するにはリンをバランスよく摂取する必要があり、その割合はカルシウム2に対してリン1がよいとされている。昆布はカルシウムそのものの含有量が多い上に、リンとのバランスがよいため、カルシウム補給食品としては理想的である。

 コンブのミネラルでもう一つ注目されるのはヨウ素である。素干し昆布100g中、要素は100~300mg含まれており、乾燥ワカメ(7~24mg)やヒジキ(20~60mg)をはるかに上回っている。ヨウ素は甲状腺ホルモンの成分として新陳代謝や調整に深く関与している。コンブはまたカリウムの含有量も多く(マコンブの素干し100g中で6100mg)、海藻中ではトップである。古くから昆布を食べると血圧が下がるといわれているが、これはカリウムやコンブに多く含まれるラミニン(糖タンパク質)による作用と考えられている。そのほか、愛媛大学医学部(奥田拓道ら)と住友金属工業との共同研究によれば、コンブのヌメリ成分のアルギン酸は糖の吸収抑制とともにコレステロールの吸収抑制作用があり、それを高圧加熱処理し低分子化した可溶性アルギン酸も、高分子のアルギン酸と同様の働きがあることが明らかにされている。

土曜日, 11月 03, 2007

栗(くり)

○栗(くり)

 ブナ科の落葉高木で、いがに包まれた果実の中にできる堅果を食用とする。北海道西南部から本州一帯の山地に自生し、果樹は各地で種々の改良種が栽培されている。

 栗は馴染み深い秋の味覚の一つだが、糖質のほかカリウム、ビタミンB1、Cなど意外に多く含まれ、タンパク質や脂肪、糖質の消化特性も穀類に匹敵するほど優秀である。

 本草綱目には栗の効能について「主として気を益し、腸を厚くし、人をして飢えに耐えしむ」とあり、「生食すれば腰部の不随を治し、筋骨の切れたるを癒す」「腫れ痛み、お血(古血)には生を噛んでこれをつけると効あり」と記されている。民間にも「腎を補って気を増し、腸・胃・腰・足・骨を強くする」と言い伝えられてきた。「腎を補う」とは、この場合は気を増し、強精・強壮を意味している。

 このほか、生の栗を細かく砕いたりすりおろしたものは鼻血や外傷の止血、筋力の強化に役立つとされている。また魚介類の中毒にも効くとされているが、生栗は消化が悪いので、摂るときは少量をゆっくりと噛んで飲み込むことである。栗葉と呼ばれる栗の葉は、煎じた液がウルシや毛虫かぶれの害用薬とされてきた。

木曜日, 11月 01, 2007

胡桃(くるみ)

○胡桃(くるみ)

 クルミ科の落葉高木で、日本や中国、イランが原産。種実内の肥大した仁(胚と胚乳)を食用とする。日本原産のオニグルミとヒメグルミ、イラン原産のテウチグルミなどがある。アメリカ産が全生産量の30%を占め、わが国では長野、山形、岩手、新潟などが主産地である。

 クルミは昔から、その風味と効用で貴族の美容食といわれ、菓子類のほか和え物などに広く用いられてきた。クルミで特に顕著なのは脂肪分である。種実の約68%が脂肪で、しかもその61%がリノール酸、ほかにオレイン酸、リノレン酸などが含まれている。いずれも良質の不飽和脂肪酸なのでコレステロールを除去し、脂肪代謝を整える。生活習慣病には格好な食品といえる。また、単純タンパク質のグリテリンも多く含まれ、消化吸収しやすいため強壮効果がある。漢方ではクルミを胡桃仁と呼び、滋養強壮・鎮咳薬として賞用している。

水曜日, 10月 31, 2007

落花生

落花生

 マメ科の一年草で、開花後に地中にできる3cmほどの鞘(殻)の中の種子を食用にする。殻のついたものを落花生、殻から出して渋皮のついた状態のものを南京豆、渋皮を取り除いたものをピーナッツという。落花生はそのまま酒のつまみにされたり、すり潰してピーナッツバターや和え物にも利用される。

 落花生は食品として必要な栄養分を全て蓄えており、栄養的に非常によくバランスがとれている。タンパク質は約25%、脂肪が約47%で、脂肪酸の多くは不飽和脂肪酸(オレイン酸、リノール酸)が占めている。特徴的な成分としてはビタミン様物質のコリンが多く含まれている。コリンはビタミンB複合体の一種で、脂肪肝を防ぐ作用がある。人の体内ではメチオニン(アミノ酸)から合成されるが、落花生のタンパク質組成ではメチオニンも多い。このほか、種実類の中ではナイアシンを最も多く含んでいる(乾100g中17mg)。ナイアシンは湿疹や口角炎に有効なビタミンである。

火曜日, 10月 30, 2007

葡萄(ぶどう)

○葡萄(ぶどう)

 ブドウ科ブドウ属の蔓性落葉樹の果実で、ペルシャが原産。紀元前2000年広には栽培されていたらしく、聖書やギリシャ神話にもブドウ酒の話が出てくるほか、壁画や壷の模様にも残っている。現在は世界で最も多く生産されている果実で(全果物の5分の1を占める)、その多くはワインの原料にされている。

 葡萄は糖質を100g中15.7gも含み、その大部分が単糖のブドウ糖や果糖であるため即エネルギーとなり、疲労回復に即効性がある。またカリウムやリン、カルシウム、鉄などのミネラルも多いので貧血気味の人に好適である。干しブドウは特にミネラルの含有量が多く、鉄は生の23倍、カルシウムは10倍、リンとカリウムは6倍である。サラダなどに入れて少量でも毎朝食べるとよい。

月曜日, 10月 29, 2007

メロン

○メロン

 売りかキュウリ族の一年草の果実で、中近東が原産。古代エジプト時代から栽培されており、日本へは明治の中頃にヨーロッパから導入されたが普及するに至らず、大正末期に導入されたイギリス系の温室メロンが現在のネットメロンの元になった。

 メロンは温室メロンと露地メロンに大別される。主な品種としてはマスクメロン(アールスなど)、プリンスメロン、夕張メロン、ハネデュー、アンデス、アムスなどがあり、味も形も大きさも異なる。温室メロンは露地メロンに比してカロチンの含有量などは少なく、100g中33ug(アールス系)にすぎないが、路地の白肉種では140ug、赤肉種では3600ugも含まれる。ビタミンCも温室18mg、露地25mgと含有量に差がある。ビタミンCは肌荒れを防ぎ、皮膚粘膜を守る働きがあるが、中程度のメロンなら半分くらいで1日分の必要量(成人で85mg)を賄えるだろう。メロンにはカリウムも多く、温室は340mg、露地は350mg含む(いずれも100g中)。カリウムには利尿作用があり、むくみを取る働きがある。メロンにはこのほかタンパク質分解酵素のククミシンが含まれており、肉類などの消化を助ける。

日曜日, 10月 28, 2007

苺(いちご)

○苺(いちご)

 バラ科オランダイチゴ属の多年草の果実で、南アメリカが原産。日本へは江戸時代後期にオランダから伝わり、明治初期にはフランス、アメリカ、イギリスからも品種が導入され品種改良が行われた。現在は女峰、とよのか、とちおとめ、アイベリーなどの栽培種がよく知られている。

 特筆すきべきはビタミンCの多いことで、100g中62mgも含まれている。成人の1日の必要量は85mg(食事摂取基準)なので、大きいものであれば8粒程度で十分満たせることになる。ビタミンCはコラーゲンの生成や副腎皮質ホルモンの分泌に関わるので、必要量よりかなり多めに摂取するのが望ましいとされている(食事摂取基準では成人で100mgを推奨している)。

 イチゴにはリンゴ酸やクエン酸も多く含まれており、これら有機酸は体内の疲労物質の分解を早める。また、リューマチに有効なメチルサリチル酸、腸疾患・代謝性疾患を防ぐ食物繊維のペクチンも含有している。

土曜日, 10月 27, 2007

キーウィフルーツ

○キーウィフルーツ

 マタタビ科の落葉性蔓性果樹の果実。中国原産のシナカルナシをニュージーランドで品種改良したもので、果実の形がニュージーランドに生息する珍重キーウィ(kiwi)に似ているところから名付けられた。英名はチャイニーズ・グーズベリー。現在は日本でも栽培が盛んである。果肉は鮮やかなエメラルドグリーンで果汁が多く、甘味と酸味を合わせ持つ。

 栄養成分としては、ビタミンCが100g中69mgと比較的多く含まれている。ヘビースモーカーには奨めたい果実の一つである。ビタミンEは1.3mg、カロチンは66ug含有している。そのほか食物繊維(ペクチン)は甘柿より多く、便秘を防ぐ効果もある。またタンパク質分解酵素アクチニジンを含むので肉を漬けておくと柔らかくなる。糖分のうち、45%がブドウ糖、33%が果糖、17%がショ糖。有機酸(クエン酸、リンゴ酸など)も比較的多く約1.3%含み、疲労回復に即効があるとされる。未熟の固いものは酸味が強いので、リンゴやバナナと一緒に袋に入れておくと早く熟する。

金曜日, 10月 26, 2007

すだち

○すだち

 ミカン科の常緑小高木の果実でユズの近縁種。徳島県が原産である。秋の味覚サンマに付き物のスダチは、ユズと並んで食卓の主役にはなれないが、常に主役を引き立てる名脇役といえよう。特にマツタケの土瓶蒸しには欠かせず、他のものでは代替できない特有の香りと味を持つ。晩夏から秋にかけて九州・四国地方で栽培されているものが多く出回っている。緑が濃く、硬く引き締まった光沢のあるものが良質とされている。

 添えもの的な存在で比較的軽く見られているが、スダチはビタミンCやミネラル類の宝庫である。ことに緑の皮の部分に多くの栄養素を含んでいる。ビタミンCはミカンの3倍強、ビタミンEは13倍強、カリウムは2倍、カルシウムにいたっては果実中断トツとされているキンカンの皮をも凌ぐ量である。皮をすりおろして大根おろしと一緒に和え物にすると色も風味も生き、豊富な栄養素も摂れるので、料理を工夫して皮の部分も摂取したい。

 効用としてはビタミンCコラーゲン合成を助けて細胞を活性化し、風邪の予防、疲労回復に役立つ。また、表皮の内側の白い部分に含まれるトリメチルピラチン、スペリジンは毛細血管を強化する働きがあるので捨てずに全部利用したい。なお、スダチによく似たものにカボスがある。カボスもユズの近縁種で大分県の特産。豊富な果汁が特長で、地元ではフグ料理の薬味によく利用されている。

水曜日, 10月 24, 2007

柚子(ゆず)

○柚子(ゆず)

 ミカン科の常緑小高木の果実で、中国長江上流域が原産。代表的な調味料柑橘類で、同類にはスダチやカボスがある。ユズは寒さに強く東北地方まで栽培されている。初夏に白い小花をつけ、秋に黄色い実を結ぶが、果実は球形で表面がデコボコして粗い。肌の粗いことを”ゆず肌”というのはこれに由来する。

 果肉は多汁で酸味が強いが、爽やかな香りは秋を象徴する匂いとして日本人に古くから親しまれ、菓子などにも多用されている。香りが食欲を増進させるうえに、ほろ苦味のある皮には豊富な栄養素が含まれているので、果皮を生かした料理を工夫したいものである。

 柑橘類の中では飛び抜けて多いビタミンC(100g中150mg)は、夏で疲れた肌を蘇らせ風邪の予防にもなる。風邪気味の時には皮をおろして搾り汁と一緒にハチミツとお湯を加えて飲むと効果的。そのほか、カロチンやカリウム、カルシウムなどの栄養素もまんべんなく備えた果実である。

 冬至の季節に入るユズ湯は、香りが気分を爽快にし、精油成分ピネンやシトラールが皮膚を刺激して血行を良くし、温熱効果があるので冷え性・リューマチ・神経症に有効である。ユズの皮にはビタミンPも含まれているので毛細血管の循環をよくする。また搾り汁をすり込むと、ひび・あかぎれにも効き目がある。焼酎と氷砂糖で漬け込んだユズ酒は疲労回復・貧血・低血圧症に効くとされている。

火曜日, 10月 23, 2007

杏(あんず)

○杏(あんず)

 バラ科サクラ属の落葉高木の果実で、中国北部が原産。日本では長野県を中心に各地で栽培されている。アンズは漢字で「杏」と書くが、中国では「杏林」とかいて医者を意味する。このことからも杏が健康食品である事がうなずけよう。特に優れているのはカロチンの含有量で、干しアンズ100g中に5000ug(生で1500ug)を含み、これが疲労回復や食欲増進に役立つ。また、酸味のクエン酸などの有機酸が相乗的に効果を発揮する。

 干しアンズにはカリウムや鉄、リンなどのミネラル類も多量に含まれるので、冷え性・便秘。肌荒れなど女性にありがちな症状の改善にも適している。そのほかアンズには肺を潤す働きがあり、痰を切り、風邪や喘息の咳を鎮める。さらにからだの水分のバランスを整えるので口渇・下痢・むくみを解消する。

 生アンズは熟してから日持ちが悪いため、店頭に並ぶ時期が短いのが難点。干しアンズは入手しやすく、生に比してカロリーが高く吸収も早いので1日3~4個食べるとよい。なお、アンズの種子を杏仁といい、漢方では鎮咳・去痰薬として麻黄などを配合して用いられている。

月曜日, 10月 22, 2007

○柿

 カキノキ科の落葉高木の果実で中国が原産。日本への渡来は奈良時代といわれ、寒さに弱いので北海道など寒冷地では栽培できないが、全国に1000以上の品種があるといわれている。甘柿と渋柿があり、渋みはシブオールという水溶性のタンニンが含まれていることによる。甘柿にも含まれているが、熟すにつれて不溶性に変化するため渋さを感じなくなる。果肉に黒いゴマ状のものが含まれているのは不溶性に変わったタンニンである。これに対し、渋柿は熟してもタンニンが水溶性のままで変化しない。アルコールに浸けたり、炭酸ガスが充満したところに置いておくと、タンニンが不溶性に変わって渋抜きができる。

 柿はカロテンが豊富(生の甘柿100g中、420ug)で、ビタミンCもミカンの2倍(同70mg)含有しており、大き目のものでも1日1個で1日の所要量をほぼ賄うことができる。ウイルス性の疾患に対する抵抗力を強め、粘膜を丈夫にする。干し柿は食物繊維を多く含み、カロチンも増えるので見逃せない健康食品である。

日曜日, 10月 21, 2007

梨(なし)

○梨(なし)

 バラ科ナシ属の落葉高木の果実で、日本が原産。ニホンヤマナシを改良したもので、古くから果樹として栽培されている。縁起を担いで”なし”ではなく、”ありの実”ともいう。品種改良されて、全体に甘みが強く舌ざわりのよい歯ごたえのあるものが多い。よく知られている品種としては、二十世紀、幸水、長十郎、豊水などがある。このほか西洋梨や中国梨がある。

 成分の90%は水分だが、消化酵素を含むのが特徴で、肉類の消化を助けるため食後のデザートとして適している。解熱作用があるので熱による諸症状の緩和に役立つ。夏風邪などで微熱が残ったときには、毎日1~2個の梨を食べていると自然に治るとされている。これは中国の古医法にもあり、日本でも民間療法として伝えられている。熱病の回復期などには、おろしたり搾り汁を飲むとよい。風邪や扁桃炎でのどが痛むとき、または咳や痰を伴うとき、暑気あたりや二日酔いなどの口渇にも効果的である。アスパラギン酸を含んでいるので疲労回復にもよく、さらに利尿効果も期待できる。

土曜日, 10月 20, 2007

りんご

○りんご

 バラ科リンゴ属の落葉高木の果実で、原産地は中近東からコーサカス地方。西洋では4000年前とその歴史は古いが、日本には江戸時代に中国からもたらされ、本格的な栽培が始まったのは明治以降である。中国ではリンゴを経験的に病気の治療に用いてきた。本草綱目には「気を下し、痰を消し、コレラ、腹痛を治す。ふだん喉の乾く人は宜しくこれを食べるべきである。水痢(下痢のこと)、遺精などによい」と記されている。

 成分は食物繊維のペクチンを多く含み、便秘に有効である。ペクチンは皮に多いので、皮ごと食べる習慣をつけるとよい。腸内の異常発酵を防ぎ、整腸作用が一層効果的となる。また、100g中に110mgも含まれるカリウムとの相乗効果で、血圧効果やコレステロールを下げることにもつながる。

 リンゴには果糖やブドウ糖も多いので、クエン酸や酒石酸などの有機酸との相乗効果で疲労回復を早めるとともに精神安定の作用がある。またリンゴから作られるリンゴ酢にも疲労回復や高血圧予防作用があり、ハチミツと合わせて常飲すれば健康増進につながる。

金曜日, 10月 19, 2007

キッチンハーブ(3)

○キッチンハーブ(3)

 ハーブは香草ともいわれ、煮込み料理では素材の臭みを消すために使われてきた。また他の野菜の味を引き立たせたり、料理に香りのアクセントをつけるために使用されることも多い。ここでは特に料理に使われるハーブについて利用法を簡単に紹介する。

※スペアミント

 シソ科ハッカ属の多年草で中央ヨーロッパが原産。学名はMentha spicata。ペパーミントより香りが甘いので菓子や飲み物によく使われる。また肉のソースとして、イギリスではラム肉のローストに必ずこのハーブが使われる。

※ローズマリー

 シソ科マンネンロウ属の常緑性低木で地中海沿岸が原産。学名はRosmarinus offcinalis。森林の香りがするハーブで、クセの強い食材と組みあせて使われることが多い。イタリアではラム肉のローストによく使われる。イワシやアジなどの魚料理、チーズやバターとも組み合わせられる。ローズマリーはヨーロッパでは記憶や愛を象徴するハーブとされており、結婚式やクリスマスのリースにもよく用いられる。また、古代ギリシャの学生が記憶力や集中力を高めるために使ったといわれている。食品添加物として利用されている。食中毒の原因となるブドウ球菌や大腸菌に対する抗菌作用のあることが認められている。

※チャイブ

 シベリアからヨーロッパを原産とするユリ科ネギ属の多年草。和名はエゾネギ。5000年以上も昔から食用として利用されてきたハーブで、最初は中国で使われ、その後ヨーロッパでも料理に使われるようになった。ビタミンCや鉄分を豊富に含み、タマネギに風味が似ている。卵料理やバター、チーズに加えるとよく合う。花も食べることができ、サラダなどに使われる。同じユリ科ネギ属のニンニクやタマネギに比べて少ないとはいえ、チャイブにも硫黄化合物が含まれている。硫黄化合物は血中コレステロール中性脂肪を減らしガンの予防にも役立つ。ヨーロッパでは、このハーブは悪霊を追い払うと信じられ、枕元などに置かれたという。

木曜日, 10月 18, 2007

キッチンハーブ(2)

○キッチンハーブ(2)

 ハーブは香草ともいわれ、煮込み料理では素材の臭みを消すために使われてきた。また他の野菜の味を引き立たせたり、料理に香りのアクセントをつけるために使用されることも多い。ここでは特に料理に使われるハーブについて利用法を簡単に紹介する。

※オレガノ

 地中海沿岸を原産とするシソ科ハナハッカ属の多年草。学名はOriganum vulare。トマトとの相性がよく、トマトソースには欠かせないハーブ。チーズ、肉、魚料理などともよく馴染む。香りが強いためイタリア料理のほかスペインやメキシコ料理でも使われる。生葉より乾燥品のほうが香りが強い。食用としてだけではなく古くから薬草としても利用されてきた。古代ギリシャでは炎症や筋肉痛を緩和するパップ剤として使われてきた。主な成分はカルバクロールとチモールで、抗菌作用、鎮静作用、のどの痛みや頭痛の緩和作用、発汗作用、健胃作用、食欲増進作用など、さまざまな効能が知られている。

※バジル

 シソ科メボウキ属の一年草で、インドと熱帯アジアが原産。学名はOcimum basilicum。伊名はバジリコ。イタリア料理に欠かせないハーブの一つ。特にトマト、ニンニク、オリーブ油との相性は抜群で、パスタ料理などに使われる。柔らかい緑の葉は包丁を入れると黒く変色するので調理の直前に手でちぎって使う。乾燥品も出ているが、バジルはできるだけ生葉を使いたい。バジルは吐き気・腹痛・ガス・便秘に効果的なハーブとしても知られ、それらの症状の改善に葉の抽出液を飲むとよいとされる。

※マジョラム

 シソ科ハナハッカ属の多年草で地中海沿岸が原産。学名はMajorana hprtensis。和名マヨラナ。古代ローマのアピシウスの料理書にも登場する伝統的なキッチンハーブ。特に肉類との相性がよく肉のハーブとも呼ばれる。肉の煮込みやローストに使われるほか、ソーセージやパテ、ミートローフなどの挽き肉料理にも入る。乾燥品はスープやシチューの香り付けに使われる。精油にはストレスを緩和する働きがあり、癒しのオイルとしても知られている。ハーブティーとして飲んでもよい。

火曜日, 10月 16, 2007

キッチンハーブ(1)

○キッチンハーブ(1)

 ハーブは香草ともいわれ、煮込み料理では素材の臭みを消すために使われてきた。また他の野菜の味を引き立たせたり、料理に香りのアクセントをつけるために使用されることも多い。ここでは特に料理に使われるハーブについて利用法を簡単に紹介する。

※タイム

 シソ科イブキジャコウソウ属の常緑性低木で、ヨーロッパ南部が原産。学名はThymusvulasris。ブーケガルニ(煮込み料理の臭い消しに使う数種類のハーブを束にしたもの)に加える基本的なハーブで、料理用ハーブとして人気が高い。精油は抗菌作用に優れている。これは精油に含まれる成分チモールの働きによるもので、昔から去痰剤や消毒液として使用されてきた。ドライハーブから作ったハーブティーはうがい薬や水虫の薬としても利用できる。

※セイボリー

 地中海沿岸を原産とするシソ科サトゥレア属の一年草で、学名はSatureja hortensis。別名サマーセイボリー、和名はキダチハッカ。ヨーロッパでは2000年前からスパイスとして使われており、胡椒が伝わってくるまで香料の代表的存在だった。ピリッとした辛味と、タイムに似た香りがあり、豆料理によく使われる。薬用としてはさほど使われていないが、消化を助ける作用が知られている。

※タラゴン

 エスドラゴンともいう。キク科ヨモギ属の多年草で、原産地はヨーロッパ、アジア、ロシアなど。学名はArtemisia dracunculus。フレンチタラゴンとロシアンタラゴンの2種類が栽培されている。スパイシーな香りがあり、卵料理、肉料理などと相性がよい。ドライハーブだけでなく、精油や白ワインビネガーに生薬を浸けたタラゴンビネガーも香りづけに使われる。古くは疲労回復の薬草として知られ、中世の巡礼者らはタラゴンの小枝を靴に入れて旅をしたという。スパイスとして使われ始めたのもその頃からである。消化促進や健胃作用があるといわれている。

月曜日, 10月 15, 2007

たで(蓼)

○たで(蓼)

 タデは日本原産のタデ科の一年草で、全国各地の水辺や湿地に自生している野草である。非常に強い辛味成分を含んでおり、口に含むと舌がただれることからこの名がついたといわれている。ことわざの「たで食う虫も好きずき」の「たで」はこの野草を指す。

 一般に栽培されているのはヤナギタデという種類で、本葉を用いる葉タデ、幼芽を用いる芽タデがある。鮎の塩焼きに欠かせないたで酢は葉タデを刻んでつくる。芽タデは刺身のツマに使われる紅タデがポピュラーである。

 芽タデはカロテンの含有量が野菜の中でも非常に多く、100g中4900ugも含まれている。そのほかビタミンK(360ug)・E(4.9mg)・C(67mg)、マンガン(7.66mg)も豊富に含まれており、隠れた緑黄色野菜の一つである。刺身のツマなどで見かけたときは、意識して口にしてみるのも悪くはないだろう。

日曜日, 10月 14, 2007

山椒

○山椒

 ミカン科の落葉低木で春に黄緑色の花をつけ、秋に結実する。古名をハジカミ(椒)といい、芽や実が食用・薬用・香辛料などとして古くから用いられてきた。中国でも医薬の古典神農本草経に蜀椒の名で収載されている。

 山椒は春の味覚の一つで、若芽を用いた木の芽和え、木の芽田楽などが日本人には親しまれているが、実のほうも七味唐辛子や粉山椒などの香辛料、あるいは漬物や佃煮などでも馴染みの多い食材である。山椒は小粒でもぴりりと辛いの例えの如く、特有の香りとともにピリッとした辛味が食欲増進につながる。

 成分的にはさしたる栄養素はないが、辛味成分のサンショールを含み、香りはゲラニオール、シトロネラールなどの精油が主体である。葉・果皮に含まれるこれらには健胃・駆風・駆虫・保温効果があり、食中毒の予防、生臭みや魚毒を消す効果もある。ウナギの蒲焼きには粉山椒が付きものだが、味覚的な意味だけではないことがうなづけよう。また、お汁粉のあとの箸休めとして実の味噌汁や塩漬けを出すのも、胃への負担を和らげる健胃効果をねらった先人の知恵であろう。

金曜日, 10月 12, 2007

ぎんなん(銀杏)

○ぎんなん(銀杏)

 イチョウの実で、果実の仁(胚乳)が食用となる。イチョウ葉生きている化石と言ったのはダーウィンであるが、生物学的に見て化石のように原始的なこの植物は、1000年を経た老木でもふんだんに実をつけるところから、中国では結婚式に新郎新婦にギンナンを食べさせる習慣があるという。旺盛な生命力、子孫繁栄、ひいては不老不死を願ってのことである。

 ギンナンの成分には糖質、カリウム、ビタミンB1、Cなどが多く、タンパク質、カルシウム、リン、鉄、レシチン、アスパラギンなども含む。カロチンは種実類の中では最も多く含まれている(生100g中290ug)。

 微量の青酸配糖体を有するので、鎮咳や去痰に効く。咳には砂糖で味付けした水煮がよく、喘息には炒ったものを毎日10粒位食べるとよい。ただ一度に多く食べ過ぎないこと。過ぎると鼻血を出すので注意が必要である。精の強いところから、虚弱体質やアレルギーの体質改善にも古くから民間で使われてきている。この場合、油漬けにしたものを2~3粒ずつ毎日食すとよい。また、焼きギンナンは排尿を抑えるといわれ、子どもの夜尿症によく用いられた。

木曜日, 10月 11, 2007

きくらげ(木耳)

○きくらげ(木耳)

 キクラゲ科の食用キノコで学名はAuricularia auricula。形が人の耳に似ていることからキノミミの別名がある。広葉樹の枯れ木、枯れ枝、倒木に群生するゼラチン質のキノコで、不規則な耳形ないし半円形の皿状、または椀状をしている。下向きの面のほうが色が淡い。同属で白色ゼリー質のシロキクラゲは、中国では銀茸と呼ばれ、古くから不老長寿の薬効があるとして珍重されてきた。

 キクラゲに含まれる酸性多糖グルクロノキシロマンナンは、腸管からの脂質の吸収を抑制することで血中及び肝臓のコレステロール値を低下させる。この作用はシロキクラゲよりキクラゲのほうが効果が高いとされる。キクラゲ、シロキクラゲ共にβ-1、3-D-グルカンを含有するが、抗腫瘍活性はさほど顕著ではなく、特にシロキクラゲは低いといわれている。漢方では、キクラゲは手足のしびれ、リューマチ性の疼痛、痔や子宮の出血、産後の衰弱、嘔吐などに、シロキクラゲは肺ガン、肺結核、肺炎、胃炎、便秘、伝染性の血便、月経不順、産後の虚弱などに効能があるとされている。

水曜日, 10月 10, 2007

エリンギ

○エリンギ

 ヒラタケ科の食用キノコで、学名はpleurotuseryngii。セリ科の二年草草木の枯死した根に寄生して発生する。南・東ヨーロッパ、中央アジア、北アフリカに広く分布するが、日本ではホストになる植物が自生していないためか天然には見かけない。わが国で食材として使われるようになったのは近年のことである。エリンギは口当たりが良く歯ごたえがあり、食通の間では新鮮な貝柱のようだと形容されることもある。他の食用キノコに比べて糖質を多く含み、甘味のあるキノコだ。

 エリンギに、脂肪の摂り過ぎによる肝障害の予防や体重増加抑制効果のあることが信州大学大学院医学研究科のラットを使った実験で認められている。エリンギに豊富に含まれる食物繊維が、腸内の脂肪をからめとり、肝臓での脂肪沈着を抑制するためとみられている。

 実験では、①普通の飼料を与えたラット、②高コレステロール飼料を与えたラット、③高コレステロール飼料に5%のエリンギ乾燥粉末を加えた飼料を与えたラット、の3つの実験群で、それぞれ5匹ずつ6ヶ月間飼育し、飼料の摂取量や体重、血中の酵素の濃度などを測定した。その結果、高コレステロール飼料のラットは肝細胞に脂肪が沈着して血管が挟められ肝機能が低下した状態だったが、エリンギ入りの飼料を与えたラットの肝臓は脂肪沈着がわずかで正常に近い状態だった。肝障害の程度を示す血中酵素も、高コレステロール飼料の実験群は通常より20~30%高い値を示したが、エリンギ入り飼料の実験群は正常値とほぼ同じだった。また同じ飼料摂取量でも、エリンギを与えた実験群は体重増加も抑制されたという。

火曜日, 10月 09, 2007

なす(茄子)

○なす(茄子)

 原産はインドで、日本への渡来は奈良時代といわれている。中茄子、小茄子、丸茄子、米茄子、長茄子などの種類がある。調理に際しては油をよく吸収し、また煮物のスープをよく含むので、ナスそれ自体にはない栄養成分を補填し、なおかつ食べやすくするという受け皿のような役割を果たす野菜である。

 夏野菜は一般に体を冷やす作用があるが、ナスは特にそれが強く、のぼせや高血圧には抑制的に作用するので効果があるが、食べ過ぎると腹痛や下痢を起こしたりする。また、ナスを高脂肪食品と一緒に摂ると血中コレステロール値の上昇を抑える効果のあることをオーストリアのミチェックが1970年代に発見し報告している。

 ナスに含まれるアルカロイド類がガン細胞の増殖を抑えるという報告もある。農水省食品総合研究所が行った研究によると、ナスやホウレン草、ブロッコリーなどの抽出液を使って発ガン物質に対する抑制効果を測定したところ、最も高い抑制率を示したのはナスだったという。ナスにはまたアントシアニンが含まれている。アントシアニンはブルーベリーや赤じそ、紫キャベツなどに含まれる色素成分だが、血管を保護し、ガンを予防する効果があるといわれている。

 このほか民間療法的な使い方としては、ナス全体又はヘタを中まで真っ黒に焼いてすり潰した粉(ハチミツで練ってもよい)は口内炎や舌のただれに塗ると効果的。イボを取るには搾り汁を塗るとよいともされる。

月曜日, 10月 08, 2007

たけのこ

○たけのこ

 イネ科のタケ(竹)の地下茎から茎が枝分かれしたものを若い頃に採取して食用にするもので、マダケ属、ササ属、マチク属などに分かれる。最もポピュラーなものはマダケ属のモウソウチク(孟宗竹)であるが、ほかにはハチク、スズタケ、マダケ、ヤダケなどがあり、風味や大きなが異なる。いずれも地上に出たものは繊維が硬くなるので地中から掘り出して出荷されるが、成長が早いので旬の時期の多くの野菜に比して非常に短い。筍という字は、芽を出して旬日(10日)もすると竹になってしまうという意味だという。

 栄養的にはビタミンB1が比較的多く含まれていること(100g中0.05mg)、また食物繊維も生で2.8g、茹でたもので3.3g(いずれも100g中)と、ほかの茎菜類に比して多めである。100g位は平気で食べてしまうので食物繊維の供給源としても有効だろう。水煮のタケノコによく見られる白い粉はチロシンというアミノ酸の一種で、ドーパミンなどの神経伝達物質の原料になる。チロシンは動物性タンパク質に多く存在する成分だが、タケノコ(生100g中690mg含有)には牛レバー(同680mg)と同じくらい含まれている。

日曜日, 10月 07, 2007

おかひじき

○おかひじき

 シベリア、中国、日本を原産地とするアカザ科の一年草で、わが国では各地の海岸の砂地に自生しており古くから食用にされてきた。明治以降、目新しい野菜が紹介されるにつれて市場を追われるようになったが、近年、健康野菜として見直されて復活した。

 海藻のヒジキを緑色にしたような姿をしている。若い茎葉を熱湯で4~5分間茹でて、お浸し、からし和え、酢味噌などで食べるが、シャキッとした歯ざわりが好まれている。カロチンが多いので、油で効率よく活用が期待できる天ぷら料理にも適している。

 栄養的には生100gにつきカロチン3300ug(550ugRE)とホウレン草並みに多いのが特徴で、カルシウムは約3倍の150mgも含む。ビタミンB類は少ないが、Cは21mgと枝豆なみにある。これらの成分と葉緑素の相乗効果で皮膚が丈夫になって風邪をひきにくくなるほか、ビタミンAの働きで胃腸の粘膜の上皮組織に抵抗力がつき、ガンの発生を抑えることが期待される。

土曜日, 10月 06, 2007

ふき(蕗)

○ふき(蕗)

 日本原産のキク科の多年草。ほろ苦い味わいと特有の香り、春らしい薄緑の色彩で季節感を運んでくれるフキは、ゴボウとともにわが国特産の野菜である。もともとは山野に自生する山菜として賞味されてきたが、現在では愛知ブキ、水フキ、赤ブキなどの栽培種があり、大きなものは葉柄の大きさが1.5mにも達する。

 花が過ぎると根茎から葉柄が伸びて先端に丸形もしくは腎臓形の葉がつくが、葉柄は煮物、和え物、汁の具や砂糖漬けの菓子などに、葉は佃煮などに利用される。地下を這う根茎から春先に包葉をまとった丸い親指大の花穂を出したのがフキノトウ(蕗の薹)で、味噌汁の具や天ぷら、佃煮、漬物などにして風味を楽しむ。

 栄養的には、葉柄の部分では100g中食物繊維が1.3g、カルシウム40mg、カリウム390mg、ビタミンCは14mgと多い。しかし栄養価ももちろんだが、香りと風味と歯ざわりが与える心理的喜びも手伝って消化器を活発にし、体の活性化をもたらしてくれる。食効としては喘息体質改善、鎮咳・去痰、便通を促し食中毒を防ぐなどが挙げられる。

金曜日, 10月 05, 2007

小松菜

○小松菜

 アブラナ科の一、二年草でツケナ類の仲間。わが国では江戸時代から栽培されており、東京の小松川村が原産なので小松菜と呼ぶ。冬菜、雪菜、ウグイス菜などの別名からわかるように本来は冬の野菜であるが、今は1年中出回っている。ツケナ類にはこのほか、新潟県で栽培される女池名(めいけな)、大阪を主産地とする大阪シロナ、信州の野沢菜などがある。また、雪白体菜という品種の若採りしたものはツマミナと呼ばれる。

 小松菜は見た目はホウレン草に似ているが、カルシウムの含有量は小松菜のほうが圧倒的に多く、100g中170mgと約3.5倍である。ほかの青菜と比較しても、カラシナ140mg、春菊120mg、チンゲンサイ100mgなので含有量は多いほうだ。カロチンは100g中3100ug(520ugRE)、ビタミンCは39mg含まれている。ほかにはビタミンB群や亜鉛、リン、カリウムなどのミネラルも多いので、できるだけ多く摂りたい食材である。ビタミンAは肌荒れを予防し、鉄は貧血に効果的。また、カルシウムやビタミンCは骨や歯の強化をはかり、ストレス・不眠・風邪の予防につながる。

木曜日, 10月 04, 2007

タアサイ

○タアサイ

 中国・華中地方を原産とするアブラナ科の一年草。中国名は塌菜。”押しつぶされた”、”ひしゃげた”という意味で、葉数が多く放射線状につぶれたように生長することから名付けられたといわれる。葉は丸みを帯びた濃い緑色で、葉孟に大きな皺がある。わが国へは中国野菜のひとつとしてチンゲンサイとともに導入された。チンゲンサイ同様、若採りして周年供給される。

 チンゲンサイに比べると余り一般化していないが、栄養成分的にはチンゲンサイを凌ぐものがある。全体的にバランスよく多様な栄養素を含み、特に濃い緑が象徴するカロチンは100g中2200ug(370ugRE)とチンゲンサイを上回り、ビタミンCも31mgと多い。亜鉛、カリウム、リンなどのミネラルも多く、カルシウムは120mgでカラシナと同程度である。効用としては皮膚粘膜を強くし、塩分過多による血圧上昇を抑え、不眠・ストレス・自律神経失調症・風邪などの予防に役立つ。

 タアサイは油と相性がよいのでさっと炒めてもよいし、クリーム煮などにも適している。ただし美しい緑を損なわぬ様煮過ぎないことが肝要。チンゲンサイ同様クセがないので、子どもから高齢者まで幅広く食べられる。もっとふんだんに取り入れるべき野菜であろう。

水曜日, 10月 03, 2007

ピーマン

○ピーマン

 熱帯アメリカを原産とするナス科トウガラシ属の野菜。唐辛子を品種改良して辛味をなくして大型にしたものである。色は緑、赤、黄、橙、黒、紫、茶があり、総称してカラーピーマンとも呼ばれる。よく食べられるのは中型で緑色の青ピーマンだが、青臭さの少ない黄色種、甘味のある赤色種、中間的な橙色種も市場に定着した。しかし青ピーマン(緑種)に比してまだ1割程度の量で、値段も割高のようである。

 栄養的にはトマトに匹敵するカロチン含有量も貴重であるが、レモン果汁の2~3倍近くにも達するビタミンC(緑種76mg、赤種170mg、黄種150mg)が魅力である。しかも抗酸化物質のビタミンPが含まれているため、加熱してもCがほとんど減らないというのも強みである。油炒めなどにすればCを損なうことなく、また油によってビタミンAも吸収しやすくなるというメリットもある。

 ピーマンは発汗によって失われるビタミンCの補給に効果的なため、夏バテの解消によく、紫外線による色素沈着でシミなどができるのを防ぎ、さらに肌の若返りを促す。加えて高血圧や動脈硬化を防ぐ効果もある。青い野菜に豊富に含まれる葉緑素は血液の高コレステロール化を防ぐ。また常食していると視力がよくなるともいわれている。

 ピーマンには唐辛子と同じ辛味成分のカプサイシン様物質も含まれている。カプサイシンは体脂肪の分解を促してエネルギー消費を促進する作用があることから、痩身効果があるとされているが、抗酸化物質として有用でガンの予防にも効果があるとされている。

火曜日, 10月 02, 2007

百合根

○百合根

 ユリ科には美しい花を観賞するものが多いが、いずれも地下部分は球根上の鱗茎になっており、オニユリ、ヤマユリ、スカシユリの鱗茎になっており、百合根の名で食材として利用されている。この3種以外の鱗茎は苦いばかりでなく、食べると下痢をするものもあるので注しなくてはならない。わが国では江戸時代中期から野菜として栽培されており、京都料理には欠かせない食材である。百合根は一片ずつ剥がしたものを下茹でして煮物や和え物にすると、ホクホクした舌ざわりと僅かに苦味のある特有の風味を楽しむことができる。

 主成分は糖質(100g中28.3g)で、ほかにタンパク質やビタミンB類、リン、カリウムなどを含むが、漢方ではこれは百合(ひゃくごう)といい、鎮咳・利尿・滋養・強壮・鎮静剤として使われてきた。健康野菜としても同様の効果があり、精神的な不安を抑え、イライラを鎮め、更年期の不定愁訴を和らげるには百合根にハチミツを加えて柔らかくなるまで蒸したものを食べるとよい。百合根を潰して出た汁に湯を注いで飲むと、咳や喘息の発作が抑えられるといわれている。また食物繊維の一つであるグルコマンナンが豊富なので、コレステロール値や血糖値を抑える作用もある。

月曜日, 10月 01, 2007

らっきょう

○らっきょう

 中国原産のユリ科の多年草で、鱗茎を食用とする。日本へは中世に薬用植物として渡来した。食用に供されるようになったのは江戸時代からである。栄養価はさして期待するものがないが、ニンニクやタマネギなどと同じユリ科野菜の中では食物繊維の含有量が多く、ニンニクの5.7gに対し、ラッキョウは21gである(生100g中)。

 ラッキョウの食物繊維は水溶性のフルクタン(フルクトースが結合した単一多糖)で、便通改善・コレステロール低下・利尿作用がある。また特有の匂いは硫黄化合物のメチルジスルフィドで、この物質はビタミンB1の吸収をよくして糖質代謝を活発化する働きがある。ラッキョウは甘酢漬けが一般的だが、塩漬けや醤油漬け、砂糖漬けも人気がある。

日曜日, 9月 30, 2007

里いも

○里いも

 里イモはマレー半島を原産とするサトイモ科の多年草植物で、日本にはイネ(稲)よりも早く紀元前1世紀頃には渡来したと考えられている。万葉集にも歌われており、山野に自生していた山イモに対して、里で栽培されたイモであるところから、里イモと命名された。別名をタロイモという。

 主成分はデンプンであるが、サツマイモに比べてその含有量は半分以下なので、エネルギーも58kcalと半分である。しかも糖分をエネルギーに変える働きをするビタミンB1は0.07mg、食物繊維は2.3g(いずれも100g中)と揃っているので、太ることを気にしないで食べられるばかりか、血中コレステロールを抑制する働きもある。

 特徴的なのは皮をむいたときのヌメリだが、これは多糖類のガラクタンに食物繊維のマンナンが加わったもので、これにヌメリの元であるムチンという糖タンパク質が含まれている。ムチンは体内に入ると肝臓の解毒作用を助けるグルクロン酸に変わり、強肝作用を持つ。またガラクタンは脳への刺激を伝えるのに必要とされる成分である。

 里イモの薬効は古くから伝えられており、食べれば便秘や腹の中の解熱によく、擂りおろしてショウガの絞り汁と小麦粉を食えたものを患部に湿布すると歯痛・肩こり・腫物によいといわれている。ショウガの代わりに酢を加えれば打ち身、捻挫に効く。さらに神経痛には皮、下痢にはズイキ(里イモの葉柄)を煎じて飲むとよいとされる。

土曜日, 9月 29, 2007

じゃがいも

○じゃがいも

 南米アンデス地方を原産とするナス科の多年草。スペイン人が16世紀半ばに原種を南米からヨーロッパへ持ち帰ったのが世界的に広まる最初で、フランスで大地のリンゴの名で親しまれ、ドイツでは、パンはなくともジャガイモは欠かせない食材とされている。日本へは慶長年間にオランダ人によってジャワのジャガタラ(ジャカルタ)からもたらされ、最初ジャガタライモと呼ばれていたが、その後ジャガイモになった。別名馬鈴薯ともいう。

 主成分は炭水化物(100g中17.6g)であるが、エネルギーは76kcalで、サツマイモの132kcalに比べると約半分である。しかもこのデンプンは、ジャガイモに比較的多いビタミンC(生100g中35mg)をくるむようにして保護するので、熱を加えても破壊されにくいという特徴がある。これによって水煮をした後でもビタミンCは半量以上(21mg)が残り、中2個(約100g)を食べれば1日の所要量の半分以上は賄うことができる。

 もうひとつ注目すべき成分はカリウム(生100g中410mg)である。カリウムは体内でナトリウムと拮抗してバランスをとるため、カリウムを多く摂ると塩分に含まれていたナトリウムが排泄される結果、高血圧を予防することができる。さらに健胃、腎臓病のむくみなども有効とされるほか、臓器の筋肉組織を活性化する働きも知られている。ジャガイモにはまたアレルギー体質を改善する作用も認められており、アレルギー喘息や皮膚炎などではカリ療法といってジャガイモが利用されている。

金曜日, 9月 28, 2007

さつまいも

○さつまいも

 中央アメリカを原産地とするヒルガオ科のの多年草木で、わが国へは江戸時代の初めにポルトガル人によってもたらされた。当初は薩摩(鹿児島県)の特産だったことから薩摩芋と呼ばれる。戦中戦後の一時期を除き人気は低く低迷を続けていたが、食物繊維の効用が見直されるようになって以来、生活習慣予防に備える食品として注目されるようになっている。品種は多く、ベニハヤト、ベニサツマ、ベニアズマ、高系14号、農林1号などが知られている。また、最近よく話題になる紫芋もサツマイモの一種だ。

 サツマイモはイモ類の中でも群を抜いて炭水化物の含有量が多い(100g中31.5g)ため、肥満の原因になるからと敬遠する人もいるが、ビタミンCが29mgとミカンに匹敵し、栄養価値は高い食材である。サツマイモのビタミンCはピーマン同様壊れにくいのが特徴で過熱しても9割は残る。ビタミンCは風邪の予防に効果がある。また、ビタミンEを玄米の1.2倍含む点も見逃せない。これは過酸化脂質の生成を抑え、さらに血行を促す効用がある。このほか、サツマイモを切ったときに出る白い液に含まれるヤラピンという微量成分の持つ緩下作用は便秘解消に役立っている。

木曜日, 9月 27, 2007

貝割れ大根

○貝割れ大根

 大根の根が大きく成長する前に摘んだ一種の摘まみ菜である。古くから料理の添え物として使われてきたが、最近ではサラダの材料として利用されるようになり広く普及している。食物繊維を含むヘルシー食品としてアメリカでも需要が増えつつある。

 味はサッパリとして少し辛味がある。調理法も工夫されて、和・洋・中華ほか各種の料理に利用されるようになってきている。栄養面では、ビタミンEの含有量は小松菜や春菊を凌ぎ抹消血行障害の改善に役立つ。加えてカルシウム代謝に有効なビタミンKも含んでいる。ミネラル類はカルシウム、マグネシウム、亜鉛、銅などの成分を含む。

※切干し大根

 大根を細切りにして天日に干した保存食である。干すことで独特の味と香りを生み出し、栄養価も倍増する。煮物や酢の物にして食べるのが一般的だが、水で戻したものをキュウリやキャベツなどと一緒にドレッシングで味付けすると、サラダ感覚でシャリシャリと歯ざわりもよく、匂いに馴染めない人でも抵抗なく摂れる。

 栄養的にはカルシウムやカリウムなどのミネラル類、ビタミンB1・B2、ナイアシン、さらにリグニン(食物繊維)も多い。3200mg(100g中)も含むカリウムは体内の細胞機能を高め、刺激の神経伝達をスムーズにして、高血圧に結びつく塩分の害を防ぐ効用がある。リグニンは便通を整え、肌のトラブルを防ぐ。切干し大根は量的にも摂りやすい食材なので、日常のメニューに是非加えたい一品である。

水曜日, 9月 26, 2007

大根

○大根

 アブラナ科の一、二年草である大根は古くから日本人に親しまれてきた野菜の一つである。大根役者というのは当たったことがない役者であるが、そんな言葉に使われたほど、大根は昔から食当たりを防ぐ健康野菜とし頼りにされてきた。

 食材となる根の部分にはビタミンCや鉄、食物繊維が含まれている。また消化酵素のジアスターゼやアミラーゼも多く含まれ、デンプンの消化を助けて食後の胸やけを防ぐ。大根の食効としては①のぼせやすい人の下半身の血行をよくして、のぼせを解消する。②消炎作用があるので口内炎などの痛みや虫歯の痛み、歯茎の出血には、おろし汁でうがいするとよい。③ハチミツを適宣加えて飲めば咳・声嗄れ・喉の痛み・二日酔いに効く、など古くから種々の効用が伝えられている。なお、大根おろしは時間が経つとビタミンCが減少してしまうので、おろしたてを食べるか、おろしてすぐに酢を加えるとビタミンCが壊れにくくなる。

 大根でもう一つ忘れてならないことは葉の活用である。緑黄色野菜の見直しの中で、それまで無視されることの多かった大根の葉に注目が集まったのはそれほど遠い昔ではない。事実、葉には根に比べてタンパク質が4.5倍、食物繊維が約3倍、カルシウムが10倍、鉄が15倍、ビタミンB1が4倍、B2が16倍、Cが約5倍も含まれている。カロチンにいたっては根では0だが葉には3900ugも含まれ、この数字は野菜類のトップクラスである。

火曜日, 9月 25, 2007

白菜

○白菜

 中国を原産とするアブラナ科の一年草。漬物や鍋物に欠かせない野菜としておなじみだが、わが国に紹介されたのは明治初期のことで、本格的な栽培が始まったのは昭和に入ってからと歴史は意外に浅い。中国では北方白菜、南方白菜、山東白菜の3種あるが、わが国では気候・風土の関係から山東白菜が定着した。葉の結球性から結球白菜、半結球白菜、不結球白菜に分かれるが、わが国で日常的に食べられているのは結球白菜である。

 栄養価はキャベツとほぼ同じで、ビタミンCはキャベツほどではないが大根以上に豊富だ。年間を通じて市場に出るが、鍋物などにして冬に食べられることが多いので、冬場のビタミン・ミネラル供給源として定番の野菜となっている。

月曜日, 9月 24, 2007

チンゲンサイ

○チンゲンサイ

 中国・華中地方を原産とするアブラナ科の一年草。中国名は青梗菜。中国では結球する白菜(パクチョイ)を大白菜、結球しないものを小白菜と呼ぶが、チンゲンサイは小白菜の仲間。同じ仲間で白い葉柄の白軸パクチョイに対して、チンゲンサイは葉柄が緑色のため青軸パクチョイとも呼ばれる。

 白菜のサクサクした歯ごたえ、きれいな色合いとクセのない味わいが広く好まれ、戦後渡来した中国野菜の中では最も早く定着した。栄養的にはカロチンが100g中2000ug(レチノール当量340ug)、カルシウムが100mgと豊富。繊維が少なく、炒め物やクリーム煮などで相当量食べられ、しかも油によってビタミンAの吸収率が非常に高くなることを考え合わせると、その効用は見逃すことができない。

土曜日, 9月 22, 2007

もやし

○もやし

 モヤシは豆類の種子を水に漬けて暗いところで発芽させたもので、原料は大豆や緑豆が主流であったが、現在市場に出回っているのは安価で栽培しやすいブラックマッペがほとんどである。またサラダで親しんでいるアルファルファもやしも人気がある。

 大豆モヤシは植物性タンパク質が多く、リジンやトリプトファンなど人の体内では作られない必須アミノ酸を多く含んでいる。またビタミンB1・B2やカルシウム、鉄などのミネラルも豊富で、豆と芽の部分には食物繊維が含まれていて腸の働きを助ける。

 モヤシは発芽させることで、豆の状態では含まれていないビタミンCが作られ、アミラーゼなどの消化酵素も生まれるので胃腸の弱い人にも向いている。どのモヤシも茹ですぎるとビタミンCやアミノ酸が失われるので、短時間で手早し茹で、塩をひとつまみ入れてアミノ酸流出を防ぐことが肝要であり、油炒めが適している。貧血・便秘の解消、生活習慣病や風邪の予防、疲労回復に効用がある。

※アルファルファもやし

 マメ科の多年草アルファルファの種子を発芽させて作るモヤシで、サラダとして生食される。食物繊維やビタミンK・B6、カルシウム、リンが豊富で、モヤシの中で唯一カロチンを含んでいる。ドレッシングなど油と一緒に食べるとカロチンの吸収がよくなる。また生食できるのでビタミンCが損なわれずに摂れる。モヤシは一度にたくさんの量を食べられるので、食物繊維による腸の浄化、便秘の改善にも有効である。アルファルファは家庭でも手軽に栽培できる。

金曜日, 9月 21, 2007

アスパラガス

○アスパラガス

 アスパラガスは南ヨーロッパ原産のユリ科の多年草で雌雄異株。セイヨウウド、オランダキジカクシ、マツバウドともいう。春に根株から出る太い若茎を食用にするが、盛り土をして栽培するホワイトアスパラガスと、陽に当てて育成するグリーンアスパラガスがある。

 生体内の代謝に重要な働きを持つアミノ酸にアスパラギン酸があるが、これはアスパラガスからその誘導体が発見されたことで命名されたものである。このように、アスパラガスには他の野菜にはないタンパク質の合成を助ける働きがあり、滋養強壮・体力回復に役立つ。アスパラギン酸は芽の部分に集中的に含まれている。このほかビタミンEやルチンも豊富で、得意な健康野菜といえよう。こちにルチン(ビタミンP)は毛細血管を強くし、動脈硬化症や高血圧症の予防につながる。

※グリーンアスパラガス

 盛り土せずに陽に当てて育成したアスパラガスで、茎を食用にする。主産地は北海道や長野県であるが、最近はメキシコ、アメリカ産のものも四季を問わず市場に出回っている。栄養成分としてはカロチン380ug(63ugRE)、ビタミンB2、0.15mg、ビタミンE1.5mg(いずれも100gあたり)、ルチンなどを含み、血管を強化して高血圧を予防する効果がある。穂先の部分に多く含まれる亜鉛は性的スタミナを増強する。また微量成分のクロロフィルは成長、利尿、血管の老化防止、肝臓や心臓の機能回復に有効である。ホワイトアスパラガスよりも、日光に当てたグリーンのほうがビタミン類やミネラルは豊富で、特に造血作用のある葉酸が多いことが特徴として挙げられる。

 選ぶときは緑の濃い太目のものがよい。細いと筋ばっていて強いものが多いので注意。茹でるにはたっぷりのお湯で根元のほうから先に入れ、茹ですぎないことが肝要である。グリーンアスパラは魚介類にも肉料理にも合わせやすく色どりもきれいなので、大いに利用したい食材のひとつである。

木曜日, 9月 20, 2007

キノア(キヌア)

○キノア(キヌア)

 昨日は南米ペルーボリビアの高知に生育するアカザ科の一年草で、直径2~3mmの種子が食用となる擬似穀物の一種である。キンワとも呼ばれる。古代インカ帝国時代には主食に供されていたが、16世紀のスペインによる植民地以降は小麦に追われて影を潜めた。

 しかし近年、健康志向が盛んな欧米で見直され、血中コレステロール値抑制効果もさることながら、その優れた栄養価で一躍評価を高めることとなった。わが国の白米と比較してカルシウムは7倍(35.8mg)、カリウムは6倍(539mg)、鉄は5.6倍(4.5mg)、マグネシウムは7倍(164mg、いずれも100g中)である。またタンパク質は全必須アミノ酸を含み、ビタミンB2は小麦の4倍含まれている。

 1997年から日本でも発売が開始され、欧米と同じくシリアルやパスタ、パンなどの加工品への利用のほか、離乳食や病院介護食、アレルギー症の回転食に活用されている。

キノア(キヌア)の商品一覧

水曜日, 9月 19, 2007

ポロねぎ

○ポロねぎ

 地中海沿岸を原産とする西洋ネギの一種で、リーキ(英名)、ポアロー(仏名)とも呼ばれる。食用の歴史は古く、紀元前からギリシャやローマで知られており、ローマの暴君ネロが声をよくするために油漬けにしたポロネギを食べていたと伝えられている。

 日本の下仁田ネギに似ているが、緑の葉は中空ではなく扁平で硬い。白い部分の巻き具合も緻密でずっしり重い。長さは20~40cm程度だが、太さは直径3~5cmにもなり長ネギよりもかなり太くなる。加熱すると柔らかくなり、ねっとりとして甘みがある。わが国には明治初期に渡来したが、ほとんど普及しなかった。しかし1970年代の後半あたりから需要が伸びだし、輸入量は年々増加している。

 ポロネギはフランス料理に欠かせない野菜の一つで、ホワイトソースで和えたり、トマトソースとの煮込みや野菜スープ、サラダ、酢漬けなどにされる。栄養的には鉄分やビタミンB群を多く含み、食欲増進・疲労回復・口内炎の予防・貧血の改善などに効果があるといわれている。

火曜日, 9月 18, 2007

わけぎ(分葱)

○わけぎ

 ワケギはネギとタマネギの雑種で、シベリアが原産。日本へは中国から4~5世紀に到来したといわれる。春先から初夏にかけてネギの欠乏期に代用され、酢味噌和え、ぬた、澄まし汁、鍋物のあしらいなどに使われてきた。

 分類上はネギと別種であるが、ニンニクやネギ、ニラと同じくユリ科に属するので、特有の臭いを放つ臭気成分アリシンが含まれており、これが体内に長くとどまってビタミンB1が吸収されやすいように働く。従ってB1が有効に体内に取り入れられ、糖質の代謝が円滑に進み全身に活力が生まれる。また、肝臓による体内毒素の代謝を促進し血液が浄化される。ビタミンB1は熱やアルカリに弱く、水にも溶けやすいために不足しがちな栄養素であるから、アリシンの働きは非常に重要である。

 ワケギはネギ(葉ネギ)に比べて、カロチンは2700ug(450ugRE)で1.5倍、ビタミンCは37mgで1.2倍である。ビタミンB6(0.18mg)やカルシウム(59mg)の含有量も葉ネギを上回っている(いずれも100gにつき)

月曜日, 9月 17, 2007

あさつき(浅葱)

※あさつき

 日本や中国の山野に自生するユリ科の多年草で、古く10世紀コロから野菜として栽培されてきた。ネギの類で筒状の葉はワケギに似ているが、さらに細く長さ30cmほどになり、辛味は強い。ネギ類特有の臭気を放つ硫化物により殺菌力がある。特筆すべきは、白ネギと異なりカロチンを芽キャベツ並みに含むことで、粘膜を強化し体の抵抗力を増す効用にもあなどり難いものがある。

 ビタミンB1は少ないが(100g中0.15mg)、ニンニクと同様にアリシンという物質が含まれており、これはB1が吸収しやすいアリチアミンという物質(B1誘導体)に変える働きがある。そのため、B1の多い他の食品(例えば納豆、カツオのたたき、赤身の刺身など)と組み合わせて摂ると一層効果的で味も引き立つ。比較的豊富なビタミンB2(100g中0.16mg)とB1との相乗効果で倦怠感・動悸・多発性神経炎・指先のささくれ・口内炎・口角炎・舌炎などの予防にも有効。単に料理の色どりと考えず、積極的に摂取したい野菜の一つである。

日曜日, 9月 16, 2007

ねぎ(葱)

○ねぎ

 ユリ科の多年草で中国西部からシベリアが原産。わが国で一般に長ネギとして食べられているのは「加賀「千住」「九条」の3品種である。加賀と千住は根深ネギと呼ばれ、白い葉鞘部を食べることから白ネギともいわれる。主に東日本で食べられる。九条は葉ネギと呼ばれ、緑の葉を食べる。西日本で主に使われている。

 白ネギと葉ネギを栄養成分で比較すると、カロチンは白ネギ14ug(2ugRE)、葉ネギ1900ug(310ugRE)と雲泥の差である。他のビタミン、ミネラルの含有量も葉ネギが大きく上回っている。ビタミンB1は0.05mg(白ネギ0.04mg)、B2は0.09mg(同0.04mg)、Cは31mg(同11mg)、カルシウムは54mg(同31mg)、鉄は0.7mg(同0.2g、いずれも100g中)というように、白よりも緑が断然勝っている。

 ネギはニンニクやニラと同じ仲間であることから、特有の臭気成分アリシンを持っている。アリシンはビタミンB1を分解する酵素チアミナーゼの作用を阻害し、胃腸内に入ったB1を無駄なく利用できるようにする。その結果、糖質の分解吸収能力が高まるので体力回復に役立つ。ただし、アリシンは揮発性で熱に弱いため、あまり煮込んでしまうと効力が激減するので注意しなくてはならない。

 ネギの微量成分による食効としては体を温める、スタミナの増強、老化防止のほか、胃腸病・食欲不振・冷え性・風邪・神経痛・浮腫(排尿を整えてむくみを取る)・不眠症などに有効とされている。長ネギのほかによく食卓に上がるものとしてアサツキ、ワケギなどがある。またフランス料理に欠かせないポロネギも最近人気がある。

金曜日, 9月 14, 2007

ホウレン草

○ホウレン草

 西アジアを原産とするアカザ科の一年草。緑黄色野菜の代表といわれ、貧血対策や子どもの成長促進、ガンの予防など、期待される食効は数多くあり、日常的に摂る野菜類の中ではトップスター的に扱われている。緑黄色野菜とはビタミンAを大量に含む濃い色の野菜を指しているが、その場合のビタミンA含有量の基準は「食べる部分100g中にカロチンを600ug以上含む」とされている。ホウレン草(生100g)のカロテン量は4200uf(700ugRE)である。

 このほかビタミンB1・B2・D・E・K(病的な出血を抑える)、葉酸(貧血・下痢・舌炎を治す)などを含み、ミネラルとしてはカルシウム、鉄、ヨウ素、銅、マンガンなどをバランスよく含んでいる。タンパク質も比較的豊富で、アミノ酸はトリプトファン、バリン、フェニルアラニンなどが多く、その組成は動物性タンパク質によく似ている。

 こうした栄養素の総合的効果によって不眠症・自律神失調症・更年期障害・皮膚の過敏症・便秘・胃弱などを治し、体力強化に役立つ。ただ、豊富な鉄分によって貧血改善の切り札のように考えられてきたホウレン草であるが、含まれている蓚酸によって鉄やカルシウムの吸収が妨げられ、かえって貧血やカルシウム不足による骨粗鬆症などを助長するという研究も発表されている(1994年、広島女子短大家政学部)。最近はサラダとして蓚酸の少ない改良種も出回っており、従来のものに比してアクが少ない分食べやすいが、色も味も淡白である。

木曜日, 9月 13, 2007

キャベツ(2)

○キャベツ

 春に出回る新キャベツは春玉キャベツで、緑色が浅く葉肉が薄い。水分が多く葉が柔らかいので、千切りにして生で食べるのに適している。一方、秋から春先にかけて出回る寒玉キャベツは肉厚で甘みも強いので煮込み料理に適している。このほか、最近は丸玉キャベツという品種に人気がある。一般にはグリーンボールとして知られているが、やや小型で丸く緑色が濃い。キャベツの仲間としてはほかに、紫キャベツ、芽キャベツも良く料理に使われる。また、キャベツの原型とされるケールは青汁の原料になる。

※グリーンボール

 キャベツの球形には扁平、腰高、丸、円錐、楕円などがあり、日本の品種は大部分が腰高であったが、近年、球形の丸いものが品質がよいとして評価をされ始め、グリーンボールとして市場に登場するようになった。そのため、キャベツの一品種である丸玉の総称のように思われているが、正確には種苗メーカーのサカタの銘柄名である。ちなみにマルシュ(タキイ)、スピードボール(渡辺)、グリーンキッド(石井)、こまる(野崎)など(カッコ名は社名)各種苗会社から十数種発売されており、グリーンボールが総括名として常用されている。

 グリーンボールはあまり大きくならないが、しっかりと固く巻いており、高冷涼地で春捲き秋採り、一般平地で夏捲き秋冬採りされる。栄養成分的には普通品種と同じ栄養素を含むが、ビタミンA(カロチン)が100g中110ugと、普通種に比べて約2倍含んでいる。

※紫キャベツ

 レッドキャベツとも呼ばれる。幼苗期から下部全体が紫色で、結球しても中心部まで紫色をしている。従来種は葉肉部が白く肉質が硬いので、最近は同色で軟らかいトレビス種に押されぎみであるが栄養成分的には優位を占める。色素が溶出しやすいので過熱する時は注意を要する。通常のキャベツに含まれる栄養素の全てを含むが、特にビタミンCが多く、100g中68mgに達する。カリウムやリン、亜鉛は通常キャベツの1.5倍、銅は約2倍も含んでいる。食物繊維に至ってはカリフラワー並みで、単なる色どりだけでなく、サラダとして大いに摂りたい食材である。

※芽キャベツ

 芽キャベツはキャベツの栽培変種で、キャベツが株ごと球状になるのに対し、伸びた茎に数個のキャベツの玉が発芽してピンポン球に結球したものである。ビタミンCが1600mg(100g中)とブロッコリー以上の多さで、ホウレン草の4.7倍もある。茹でても損失が少ないのでビタミンAとの相乗効果が期待できる。

キャベツの商品一覧

水曜日, 9月 12, 2007

キャベツ(1)

○キャベツ

 アブラナ科の一年草で、地中海や大西洋に面したヨーロッパが原産。日本へは江戸時代末期にもたらされ、明治になって本格的に栽培されるようになった。当初は甘藍、玉菜とも呼ばれていた。

 キャベツには、他の野菜にはない特異的な成分としてビタミンUが含まれている。この物質はキャベツの青汁が胃潰瘍患者の治療に効を奏したことから1940年に発見された。また肝臓の代謝機能と解毒作用を助けるので病気に対する自然治癒力が高まる。この薬理効果を求める場合には、熱を加えずに青汁を作って飲むのがよい。

 キャベツにはクセがなく、調理のバラエティーにも富んでいるので食物繊維の摂取にも好適だ。また有機酸や酵素類も多く含まれており、老廃物の分解が促されて一層血液の浄化に役立つ。ビタミンCの含有量が100g41mg(生の場合)と、淡色野菜ではトップクラスである。ただビタミンUと同じく水に溶けやすく熱にも弱いので、千切りや炒め物にするときは手際よくしたいものである。

 キャベツの中間はいずれもビタミン、ミネラルを豊富に含むばかりでなく、タンパク質・糖質(デンプン、食物繊維)も恵まれており、スタミナ増強・貧血の改善・風邪の予防・便秘の解消・美肌効果などのメリットを持つ健康野菜のスターである。近年の疫学調査では、キャベツを多食している地域の総死亡率(死亡原因を特定しない死亡率)は、それ以外の地域と比較して最も低いと報告されており、この効果はオリーブやヨーグルトの場合と似ていることが明らかにされた。また、野菜を摂る量とガンの関係を調べることは世界各地で行なわれているが、いずれも野菜が多いほど結腸・直腸ガンになる確立が低いとの結論を得ている。なかでも抗ガン効果や抗腫瘍性が顕著なことで注目を集めるのはアブラナ科の野菜(大根、小松菜、クレソン、キャベツなど)で、キャベツの仲間はその代表格とされている。

キャベツの商品一覧

火曜日, 9月 11, 2007

えん麦

○えん麦

 イネ科の単子葉類の種実で、カラス麦ともいう。欧米ではオーツといい、オートミールとして日常的に食されている。

 タンパク質のアミノ酸組成が玄米と似ており、リジンやメチオニン、スレオニンが少ないので、これに大豆を補うと完全なタンパク食となる。ビタミン様作用物質のコリンが含まれており動脈硬化を予防する効果がある。エン麦をそのまま家庭で利用することはほとんどないが、市販のオートミールを使うと日常的に摂ることができる。

※オートミール

 精白したエン麦を軽く焙煎し、挽き割り機で粉砕したもの。イギリスでは朝食用のシリアルとして伝統的な栄養食品の一つになっている。日本には明治以降に紹介されたものの余り普及しなかった。しかし近年その栄養価がクローズアップされ、改めて健康食材として注目されている。

 オートミールは短い時間で調理できるので、ビタミン類を損なうことなく摂取できるのも大きなメリットだ。食べ方は、オートミールを牛乳で煮て砂糖やハチミツを加えるのが一般的だが、オートミール自体には味がないので、和風味にしてオーツ粥にしたり、スープの素などを使ってリゾット風に仕上げてもよい。このほか小麦粉と混ぜてパンやクッキーにしたり、ハンバーグに混ぜるなど、工夫次第で色々な食べ方が可能だ。

月曜日, 9月 10, 2007

小麦

○小麦

 日本人の第2の主食として、米と並んで多く食べられているのが小麦である。小麦はイネ科の単子葉類で、春蒔きの一年草と秋蒔きの越年草がある。粒を粉砕して小麦粉を作り、パン、うどん、中華麺、そうめん、ひやむぎ、スパゲティ、マカロニなどの原料となる。このほか麩(ふ)や餃子、シュウマイの皮なども小麦である。

 小麦の成分はデンプン75%、タンパク質9%、水分14%など。小麦粒は80%が胚乳で、16%が皮部、2%が胚芽である。小麦粉は胚乳部分を選択的に使うが、小麦胚芽や小麦ふすま、小麦タンパク質なども機能性食品素材としてさまざまに利用されている。

 小麦の水溶性タンパク質である小麦アルブミンは、人の唾液や膵液に含まれるデンプン消化酵素のアミラーゼの働きを緩やかにする。そのため、食品に含まれる糖質の大部分を占めるデンプンの消化吸収を遅らせ、急激な食後血糖値の上昇を緩和する作用がある。この機能性に着目して、小麦アルブミンを含んだ粉末野菜スープなどがトクホとして製品化されている。

※麩

 麩はタンパク質の小麦グルテンから作られる食品で、中国から禅僧が伝えたといわれている。肉食を断つ禅僧に貴重なタンパク源として寺院で食されてきたが、後に懐石料理や法要の料理などに利用されるようになった。麩にはグルテンだけで作る生麩とグルテンに小麦粉やもち米粉などの合わせ粉を加えて焼いた焼麩の2種類がある。焼麩は保存性が高く保存食として重宝されている。

 麩の栄養成分はタンパク質と糖質がほとんどで、脂質はごく僅かしか含まれておらず、高タンパク・低脂肪食品である。小麦グルテンにはグルタミンが豊富に含まれている。グルタミンは体内に広く存在するアミノ酸で、免疫機能の低下を防ぐ作用がある。小麦から分解して作るグルテンは、スポーツ用食品や高齢者食品などの機能性素材としても用いられている。

日曜日, 9月 09, 2007

健康志向米

○健康志向米

 これまでは美味しさだけが追求されてきた米だが、最近は機能性成分を含んだ新品種が次々と登場しており、米にも健康志向が強まってきている。注目度が高いのは色素米や巨大胚芽米、低グリテリン米などで、いずれも製品化され市場に出ている。

 色素米は米糠部分に色素を含んだ米で、アントシアニン系色素の紫黒米(紫や黒色)、タンニン系色素の赤米(赤色)があるが、どちらの色素も動脈硬化やガンの予防に効果がある抗酸化物質のポリフェノールである。なかでも注目されているのが朝紫という品種で1996年に品種登録されたものだが、従来の紫黒米に比べて収量が多いという特徴がある。

 巨大胚芽米は普通品種に比べ胚芽が3倍以上も含まれる米で、発芽玄米の状態で増える天然物質のGABA(γ-アミノ酪酸)もその分多くなる。GABAは神経の沈静化、血圧の正常化、中性脂肪の抑制に関与するアミノ酸の一種である。2002年から本格生産が始まった巨大胚芽米「はいみのり」は、一般の米よりも発芽したときのGABAの増え方が大きく3~4倍あるという。

 低グリテリン米は、タンパク質のグリテリンが普通品種の半分以下の米で、腎臓病患者の食事療法への活用が期待されている。なかでもグリテリン量が通常の1/3という品種「春陽」(2002年から生産)が注目されている。このほか、300人の1人という米アレルギーの原因となるタンパク質を少なくした低アレルゲン米もある。長岡氏の製菓メーカーが味を損ねない製法を開発して販売にこぎつけた。

金曜日, 9月 07, 2007

チーズ

○チーズ

 チーズは、牛や山羊の乳を乳酸菌で発酵させてホエー(乳清)を取り除いた固体部分を熟成させた食品である。そのままのものをナチュラルチーズ、ナチュラルチーズに香辛料や調味料を添加して加熱溶解し、練り固めたものをプロセスチーズという。

 ナチュラルチーズは世界に数百以上もの種類があるといわれており、次のようなタイプに分けられる。熟成させていないフレッシュタイプ(カッテージ、モッツレラァなど)、白カビで表面熟成させた白カビタイプ(サントモールなど)、表面を酒や塩水で洗いながら熟成させるシェーブタイプ(ポンレヴェックなど)、弾力がありさまざまな料理に使えるセミハードタイプ(ゴーダ、マリボーなど)、長期熟成のハードタイプ(チェダー、パルメザンなど)。

 チーズにはタンパク質や脂質、カルシウム、リン、ビタミンA・B2などが豊富に含まれている。特にカルシウムの含有率は高く、牛乳の6倍のカルシウムが含まれている。チーズは牛乳のように乳糖不耐症を起こさないので、牛乳でお腹がゴロゴロする人や飲めない人のカルシウム供給源にもよい。カルシウムの含有率は、フレッシュタイプのような柔らかいものよりもハードタイプのほうが格段に高い。ビタミンAやB2も同様である。

 また100gで365kcal(エダムチーズの場合)と高カロリー食品なので、量を多く食べられない幼児や高齢者のエネルギー源に適している。チーズは虫歯を起こしにくい食品の一つでもあるので、幼児のおやつなどにも積極的に利用したい。

木曜日, 9月 06, 2007

バター

○バター

 バターは牛乳から分離したクリームを攪拌して乳脂肪分を塊状に集めた食品である。乳等省令では乳脂肪分80%以上、水分17%以下と規定されている。原料のクリームを乳酸発酵させたかどうかで、発酵バターと非発酵バターに区別される。日本のバターのほとんどは非発酵タイプだが、ヨーロッパでは発酵バターのほうが一般的である。ミルク風味で味にクセのない非発酵バターに対して、発酵バターはわずかに酸味があり、香りがよい。バターはまた、食塩添加の有無によって加塩バター(塩分0.9~1.9%)と無塩バターに分かれる。

 バターは80%以上が脂肪分で、不飽和脂肪酸より飽和脂肪酸のほうが多いが、バターの脂肪は乳化しているため、食用油脂類の中で最も消化がよく、消化率は97~98%にもなる。脂溶性のビタミンA・E・Dなども含まれ、特にビタミンAは油脂類の中で断トツである。ビタミンAを多く含むオリーブオイルなどに比べてレチノール当量は約17倍にもなる。

 バターは高コレステロール食品として敬遠されがちだが、1階の摂取量を考えるとそれほど心配はない。バターのコレステロールは100g中210mgである。食パン1枚に塗るバターの量を約10gとすると、コレステロールは21mg。これは卵1個分のコレステロールの含有量210mgの10分の1である。最近はまた、コレステロール値が低すぎると脳卒中のリスクが高まるなど、健康上の有用性を示すデータも発表されている。バターは少量で高カロリーを補え消化もよいので、高齢者や幼児の離乳食素材にも適している。

火曜日, 9月 04, 2007

バナバ茶

○バナバ茶

 お茶タイプの健康食品は喫茶の習慣が染み付いたわが国ではなじみやすく、古くから緑茶や紅茶を凌ぐほどの人気を得た健康茶類も多いが、比較的新しく導入されて以来、血糖値を下げる働きをもつ有効成分が確認されたことも手伝って急速に知名度を高めたのがこのバナバ茶である。

 バナバ葉ミソハギ科の常緑高木で、フィリピン、インドネシア、タイ、インドなど熱帯、亜熱帯に広く分布している。和名はオオバナサルスベリ。バナバ茶はその直径20cm余りの楕円形で肉厚の葉を乾燥させたもので、フィリピンでは糖尿病、肥満などのほか、利尿用に古くから民間伝承薬として愛用されてきた。インドネシア、タイ、インドでも痩身、解熱用として、また潰瘍、便秘などへの効用が重宝がられている。フィリピンでは自国で育つ薬用植物の活用を保健政策として推進しているところから、薬学的研究や臨床試験への取り組みにも熱心で、バナバを医薬用植物に指定して近年積極的に農園栽培を実施して産出量を拡大、わが国へも販路を伸ばすこととなった。

 わが国では、バナバの成分研究は既に1970年代の初めから東北薬科大学生化学教室などで行なわれ、その後はバナバ茶の入手困難などのため研究は一時中断していたが、最近になって潜在患者数600万人(40歳代以上の10人に1人)とも700万人ともいわれる糖尿病への対応が急がれ始めた中で、改めて注目されることとなった。山崎和男(広島大学医学部総合薬科活性構造化学教室)がバナバ茶に含まれるインスリンに似た働きを持つコロソール酸を分析して、その薬理作用を公表したのは1993年のことである。それによって、体細胞にブドウ糖が取り込まれるのを調整するブドウ糖輸送体(グルコース・トランスポーター)というタンパク質の活性を増強する働きがコロソール酸にあることが解明されている。

 また、大沢啓助(東北薬科大学生化学教室)らは薬物で強制的に糖尿病を起こさせたラットにバナバ茶のエキスを与え、血糖値が半減する結果を得ている。さらに角田隆巳(伊藤園中央研究所)、竹内久直(静岡大学農学部)、黒柳正典(静岡県立大学薬学部)らは、遺伝性糖尿病ラットにバナバ乾燥葉の熱水抽出エキスを投与して血糖上昇抑制効果を認めたことを94年の日本農芸化学会で報告している。

 バナバ茶の成分を見ると、カルシウム、マグネシウム、亜鉛といったミネラルが多いことも特徴で、亜鉛のコレステロール沈着抑制作用、マグネシウムの血糖消費促進効果、カルシウムの血圧効果作用などを考えると、バナバ茶は若さと健康を求める現代人に非常にマッチした健康食品であるといえるだろう。

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日曜日, 9月 02, 2007

ホースラディッシュ

○ホースラディッシュ

 アブラナ科の多年草で、原産はヨーロッパ南東部。16世紀頃にはイギリスで薬用として用いられてきたが、今日では香味野菜として普及している。日本ではセイヨウワサビ、特に北海道ではアイヌワサビと呼ばれている。わが国には明治初年にアメリカから導入され、北海道や長野の寒冷地で栽培されてきた。ワサビは清流で栽培されるが、ホースラディッシュは畑で栽培される。

 食用とするのは根の部分で、太さ3~5cm、長さ30~50cmにまで成長する。肉質は白く繊維が多い。すりおろすと特有の強い辛味と香気がある。辛味成分はワサビと同じシニグリンで、低温時に栽培されたもののほうが絡みは強い。根の皮をむき、刻んだりおろしたりして肉や魚料理の調味料とする。根には抗菌作用があるほか、消化や血行を促進させる働きもある。ヨーロッパでは歯茎の炎症を鎮め、体内の老廃液を排出、肺や泌尿器の感染症の薬として用いられてきた。

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土曜日, 9月 01, 2007

わさび

○わさび

 ワサビの原産地は日本で、大根やカブと同じアブラナ科に属し、山間の渓流に自生する。アオイ(葵)に似た葉を持ち、肥大した円柱状の茎に上品な辛味がある。従って用途のほとんどはその辛味を求めるものであり、わが国特有の香辛料として古くから使われてきた。また、葉や葉柄にもその特有の辛味と風味があり、お浸しや三倍酢、佃煮として賞味されることも多い。ワサビの最良品とされる青茎種のほか、赤茎種、白茎種がある。

 刺激性の辛味成分はシニグリンというカラシ油配糖体で、そのままでは辛くないが、すり潰すと加水分解してアリルイソチオシネートが生じ、これが辛味の素となる。揮発性が高いので時間が経つと気が抜けてしまうが、このときにビタミンCを加えると不思議と急激に辛味が復活する。また、この辛味には殺菌力や消臭性があり、体を冷やす働きがある。ワサビが寿司や刺身などの生魚につきものなのは単に嗜好ばかりでなく、消臭性や殺菌力を利用した先人の知恵である。

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金曜日, 8月 31, 2007

鴨肉

○鴨肉

 鴨肉は鳥肉類の中でもっとも美味といわれている。食用として流通しているのはマガモ、アヒル、アイガモの3種類である。マガモは全長60cmほどで、雄は頭部が光沢のある暗緑色、首に白い輪があり、あおくびともいわれている。雌は全体が地味な褐色である。日本には9月から11月にかけて飛来してくる冬鳥で、猟鳥に指定されている。

 アヒルは野生のマガモを改良した家禽で、チェリーバレー種、バルバリー種、北京種などがある。アイガモ(合鴨は)野生のマガモとアヒルの交配種である。鴨料理では多くの場合、マガモが使われている。

 鴨肉は鶏肉に比べてビタミンB1・B2が多く含まれている。B1は鶏肉(若鶏胸肉)が0.07mgに対してアイガモは0.24mg、B2は鶏肉が0.09mgに対してアイガモ0.35mg(いずれも生肉100g中)である。また、鴨肉の脂肪は牛肉や豚肉に比べて不飽和脂肪酸の割合が高い。東洋医学では微熱をはじめ、むくみを解消するといういる。

木曜日, 8月 30, 2007

猪肉

○猪肉

 猪は豚の原種といわれ、体長1.5m前後、体重は約100kgある。北海道を除く日本全域に生息するニホンイノシシと、奄美や沖縄に生息するリュウキュウイノシシがいる。日本人の猪肉を食べる習慣は古く、縄文時代から食されてきた。その後、仏教の影響から肉食を禁じられた時代でも山鯨と称し、滋養食として食べ続けられていた。ぼたん肉という名でも親しまれている。

 猪猟は11月中旬から2月中旬までだが、肉の味は年末までに捕ったものが脂がのって美味しい。現在は人工飼育も行なわれている。肉質は豚肉に比べてやや硬く、独特の臭みがある。代表的な料理はぼたん鍋で、味噌仕立てにしてゴボウやセリなど香りのある野菜を加えて煮ると、肉の臭みが気にならなくなる。猪肉は他の食肉と違い、煮込むほど軟らかくなる。このほか焼肉やすき焼きでも食べられている。

 栄養成分は豚肉(ロース)とほとんど同じで、鉄、亜鉛、銅、ビタミンB2・B12は猪肉に多く、ビタミンB1は豚肉のほうが多い。また、豚肉と比べて中性脂肪の材料になりやすい飽和脂肪酸は少なく、逆に不飽和脂肪酸が多い。

水曜日, 8月 29, 2007

鯨肉

○鯨肉

 鯨は80種類ほどが知られており、ヒゲクジラ類とハクジラ類に大別されるが、食用とされるのはヒゲクジラが多い。日本では既に12世紀頃から手銛による捕鯨が始まっており、貴重な動物性タンパク源として日本人の食生活を長らく支えてきた食材である。

 鯨肉は以下の部位に分かれる。下あごから腹部にかけて縞状部分を畝須(うねす)と呼び、鯨ベーコンや大和煮の材料となる。背中や腹部の肉は赤肉といい、ステーキや揚げ物、鍋物などに使われる。尾の身は尾の付け根部分にある霜降り状の肉で、最も美味しいといわれ、刺身としても食される。表皮に覆われた4~6cmの脂肪層部分は本皮、尾の部分は尾羽といい、脂肪やゼラチン質を豊富に含んでいる。

 鯨肉はタンパク質の含有量が多く、ミンククジラの赤身生100g中24.1gと、牛肉や豚肉、鶏肉より多い。一方、脂質は少なく同0.4gである。これは脂肪分が少ない牛ヒレ肉の15g、豚ヒレ肉の1.9gと比べても格段に低い。コレステロールも比較的少なく、他の食肉類の5~6割程度である。鯨は哺乳動物だが、サバやイワシなど魚類に多い多価不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)DHA(ドコサヘキサエン酸)を豊富に含んでいる。このほか鉄分の含有量も多く、羊肉や鹿肉に匹敵する。

 細菌、鯨肉のPCB・水銀汚染が問題になっている。厚生労働省の調査によると、鯨の種類や部位により汚染濃度が大きく異なるという結果が出ている(2003年1月発表)。それによると、市場に流通している鯨肉由来食品の50%以上を占める南極海ミンククジラのPCB・水銀濃度は低かったが、ハクジラ類(ツチクジラ、イシイルカ等)の脂皮、肝臓などには濃度の高いものがあったという。

火曜日, 8月 28, 2007

鶏肉

○鶏肉

 現在、市場に出回っている鶏肉のほとんどがブロイラーである。ブロイラーとは食用を目的に飼育された鶏のうち、孵化後3ヶ月未満の若鶏を指す。国内で白色プリマスロックという雌とコーニッシュの雄の一代雑種が多い。これに対して、日本の在来種から作られた鶏を地鶏といって区別している。地鶏は特定JAS規格制度で、①在来種由来の血が50%以上、②孵化から80日以上飼育、③28日齢以降は平飼い、④一平方メートル当たり10羽以下で飼育したもの、と定義されている。ブロイラーに比べて肉質は硬めだが、味にコクがあって地鶏の人気は高まっている。代表的なものに比内鶏、名古屋コーチン、シャモ(軍鶏)がある。

 鶏肉はモモ肉、胸肉、手羽、ササミの部位に分かれる。モモ肉には赤みがあり胸肉より硬いが、風味が強い。胸肉は肉質が柔らかく、脂肪が少なめで淡白な味である。子どもの成長に必要なアミノ酸のヒスチジンが多く含まれている。手羽は脂肪やゼラチン質に富む。ササミは脂肪が最も少なく柔らかい。新鮮なものは刺身でべられる。

 鶏肉は、豚肉や牛肉に比べて脂肪が少なく淡白な味である。栄養的な特長としてはビタミンAコラーゲンの含有量が他の食肉に比べて格段に多く、鶏皮部分は水分を除くと70%がコラーゲンである。水炊きのような鍋料理の場合、汁に栄養成分が溶け出すのでスープも残さず摂るほうがよい。また、白身の肉のほうが赤身より柔らかく消化によい。

月曜日, 8月 27, 2007

馬肉

○馬肉

 馬肉は、色や味は牛肉と似ているが、脂質が少なく柔らかいのが特徴である。桜肉とも言われるが、これは桜の咲く季節が一番美味しいことに所似するという。食用肉として利用される部分はロイン(腰肉)やモモ肉で、鍋料理(さくら鍋)や地方によっては馬刺しとして生食されている。西洋料理ではテリーヌやタルタルステーキに用いられるほか、コンビーフなどにも加工される。

 馬肉は多糖類のグリコーゲンを多く含むため、肉に甘味がある。鉄分の含有量も多く(生肉100g中4.3mg)、食肉の中ではトップクラスである。東洋医学では、馬肉は体内の余分な熱を治める作用があり、また肝腎の滋養にもよいとされている。筋肉痛などの手当てにも利用され、生の馬肉を患部に貼り付けて炎症を和らげる。

土曜日, 8月 25, 2007

羊肉

○羊肉

 羊は1万年以上の前から家畜化され、食肉としては牛肉に次いで広く世界で食されている。シシカバブ、ハギス(内臓料理)、しゃぶしゃぶ、ジンギスカン、串焼きなど、地域によって特色ある料理も多い。

 羊肉は生後1年未満のものをラム、1年以上をマトンと読んで区別している。ラムは羊肉特有の臭みがなく肉質も柔らかい。日本で消費されるほとんどはオーストラリアかニュージーランドから輸入したものである。

 わが国では北海道や東北以外ではあまり食べてこられなかったジンギスカン料理が、20004年頃から首都圏を中心に人気を呼んでいる。その理由の一つに、アミノ酸の一種である、カルニチンが豊富に含まれている点がある。カルニチンには脂質の代謝を促し、脂肪を効率的に燃焼する作用があり、脂肪燃焼系アミノ酸としてダイエット食品などにも配合されている。また疲労を抑制する効果も期待できる。

 カルニチンは植物性食品には含まれず、動物性食品に多く含まれる。なかでも羊肉は他の肉類に比べ含有量が多く、カルニチンが多いといわれている牛肉の約1.4~3.5倍ある。また、ラムよりマトンのほうが多く含まれている。このほか抗酸化作用のある微量元素セレンが牛肉の約3倍、鉄分も牛肉並みに多い。東洋医学では、羊肉は体を温める作用があり、虚弱した胃の機能回復や女性の冷え性によいとしている。

金曜日, 8月 24, 2007

豚肉

○豚肉

 豚肉は食肉の中で日本人の年間消費量が最も多い。豚は食用以外の目的では飼育されなかった家畜であるが、その歴史は古く、中国やギリシャでは紀元前から、日本では日本書紀に豚の飼育に関する記述が残されている。現在、わが国で飼育されている豚のほとんどが大ヨークシャー種、ハンプシャー種、デュロック種、ランドレース種のいずれかを掛け合わせた雑種である。

 豚はヒレ、ロース、モモ、肩、バラの部位に分かれるが、肉質の硬さに大きな差はなく、さまざまな料理に利用できる。ただし豚肉は寄生虫の心配があるため、生では食べることができない。十分に中まで加熱することが大切である。無菌豚と呼ばれるSPF豚は特定の病原菌に感染していない豚のことで、日本ではマイコプラズマ性肺炎、豚萎縮性鼻炎、豚赤痢、トキソプラズマ病、オーエスキー病の5種類の病原菌を指す。SPFはSpecific(特定)、Pathogen(病原菌)、Free(不在)の略。

 豚肉はタンパク質と脂質の供給源であり、肉類の中ではビタミンB群が多い。特にビタミンB1は牛肉の約10倍もあり、豚肉が疲労回復によいといわれるのはそのためである。ビタミンB1は炭水化物をエネルギーに変えるために必要な物質で、B1が不足すると疲れやすくなる。部位の中ではヒレ肉やモモ肉に多い。

 豚レバーは日本人に不足気味といわれている鉄分とビタミンB2を豊富に含んでいる。脂肪にはコレステロールを下げる働きのある不飽和脂肪酸のオレイン酸を多く含むが、飽和脂肪酸の含有量も多いので過剰摂取には注意したい。

 長寿県で知られる沖縄では、豚肉・昆布・豆腐を長寿三大食品と呼んでいるが、豚肉は下茹でしてから使うのが一般的だ。脂肪の多い豚肉を茹でることで余分な脂肪を落とし、かつ栄養の高いタンパク源として伝統的に食してきたことが、沖縄の長寿を支えてきたといえる。

木曜日, 8月 23, 2007

牛肉

○牛肉

 日本人が牛肉を食べるようになったのは比較的新しく、明治政府が肉食を解禁して以降のことで、さらに広く一般的にも蝕されるようになったのは昭和に入ってからである。現在、日本で食用肉として飼育されている牛は黒毛和種がほとんどである。オーストラリアやニュージーランドから輸入されている牛肉はヘレンフォード種やアンガス種などである。

 牛肉は部位によって成分や特性に差があり、ロース、ヒレ、バラ、ランプ、モモ、肩、スネに区分されている。ロースは背中側の肉で、肩から腰にかけて肩ロース、リブロース、サーロインに分かれる。脂肪が網状には入り肉質は柔らかく、すき焼きやステーキなどに向く。ヒレはサーロインの内側に位置する部位で、脂肪が少なく最も柔らかいためステーキによい。バラは腹側の肉で、脂肪が多く肉質は硬いため煮込み料理に適している。ランプは臀部で、赤みで柔らかくタタキやステーキに向く。モモは腰から大腿部の肉をいい、脂肪分が少なく肉質は荒いが、挽肉や煮込み、炒め物など利用範囲は広い。肩は腕の部分の肉で、脂肪が少なくやや硬いため挽肉や煮込み料理に向く。スネはふくらはぎ部分の肉で、筋が多く硬いが、コラーゲンやエラスチンを多く含みスープや長時間の煮込みに向く。

 牛肉はタンパク質と脂質の供給源である。牛肉のタンパク質には9種類の必須アミノ酸が含まれており、植物性タンパク質に比べてアミノ酸バランスが良く、体内へも吸収されやすい。脂質は1gあたり約9kcal(炭水化物やタンパク質は4kcal)なので、効率よくエネルギーを摂取できる。しかし飽和脂肪酸を多く含むために、日常的に摂取過剰になると血液中のコレステロールや中性脂肪を増やし、動脈硬化の原因となる。

 脂肪を多く含む部位はバラ(和牛肉で50%)で、肩肉やモモ肉が最も少ない(輸入肉で8%未満)また、牛肉は豚肉や鶏肉に比べて鉄分が多く、それもヘム鉄として含まれているため体内へ吸収されやすい。亜鉛も牡蠣などに比べると少ないとはいえ、肉類の中ではトップクラスの含有量である。

水曜日, 8月 22, 2007

フーディア

 フーディア・ゴードニー(Hoodia Gordonii)は、南アフリカのカラハリ砂漠に生育する植物で、外見はサボテンのようですが多肉植物に分類されます。食べられる植物が限られているカラハリ砂漠地帯のブッシュマンは痛みや飢え、喉の渇きを抑えるため、数千年にわたってフーディアを食料源として用いてきました。このフーディアは現在では、身体の中に血中のブドウ糖がたくさんあるかのように脳へ情報を伝達し、満腹感を与えさせる働きがありことがわかっています。その効力はブドウ糖のおよそ10,000倍とも言われており、フーディアを口にしておけば、糖類や炭水化物など、満腹感を促す食物を食べなくとも脳は満腹感を感じてくれます。フーディア1000mgの特徴は食欲をコントロールして空腹感がおこるのを遅らせる。食べた食事の満足感や満腹感を高めます。

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月曜日, 8月 20, 2007

フーディア・ゴードニー

○フーディア・ゴードニー

 アフリカに原生するフーディア・ゴードニー(学名Hoodia gor-doni)というサボテン。過剰な食欲を抑える。ボツワナ共和国のカラハリ砂漠にする先住民サン族は、狩りに出るときフーディアを携帯し、これを少しずつかじって飢えと渇きを凌ぐという。有効成分「P57」は、特許の問題もあって詳しく明かされていないが、抗肥満成分として医薬品開発が進んでいる。P57を摂ると、1日の摂取カロリーを2000kcalも減らせるという報告もある。現在は、フーディアを配合したハーブティーが販売されている。

フーディアの商品一覧

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日曜日, 8月 19, 2007

みかん(蜜柑)

○みかん(蜜柑)

 ミカン科の常緑低木の果実で日本が原産。温州みかん、ポンカン(椪柑)、紀州ミカン、不知火(通称デコポン)、シイクワーサーなどの種類があるが、一般には温州ミカンを指す。なお、ダイダイ(橙)はサワーオレンジ類。イヨカン(伊予柑)はミカン類とオレンジ類の雑種。夏ミカン、ハッサク(八朔)は雑柑類に分類される。

 温州ミカンは果皮が薄くてむきやすく、種のないのが特徴。栄養的にはビタミンCに富み、100g中32mgも含むので、1日2~3個食べると風邪やシミ・ソバカスなどの予防につながる。ミカンの酸味のクエン酸にはエネルギー代謝を高め疲労を回復させる働きがある。袋には食物繊維(ペクチン)、表皮の裏の白いすじにはビタミンB1・C・Pが含まれ、毛細血管を丈夫にし動脈硬化や高血圧の予防に役立つ。

 ミカンの皮の干したものを中国では陳皮と呼び、漢方では健胃・鎮嘔・鎮咳・解毒・消化不良・胸腹部膨満などに用いられている。また、これを浴槽に入れると体を芯から温め、神経痛や冷え性を改善するといわれている。

土曜日, 8月 18, 2007

豚骨髄エキス(マロー)

○豚骨髄エキス(マロー)

 豚の骨髄(マロー)は栄養豊富な食材として欧米や中国では非常に良く利用されている。この優れた栄養成分に着目して健康食品化されたのが札骨髄エキス(マローエキス)である。

 造血組織である骨髄は、酸素を体中に運搬する赤血球、細胞性免疫を司る白血球やリンパ球、止血作用を持つ血小板などを作る重要な働きをしている。そのため、それらの材料となるタンパク質、脂質、ビタミン類(A・B1・B2・B6・D・葉酸など)、ミネラル類(鉄・銅など)など約60種類の栄養成分を含み、含有成分比はリン脂質80%、タンパク質11.5%、ミネラル類0.55%であり、100gあたりの含有量はカルシウム32.7mg、リン18.3mg、鉄30~50mgなどとなっている。主成分のリン脂質は脳細胞の活性化に重要な働きをすることが知られており、脳疾患治療(痴呆症・パーキンソン病・脳梗塞・脳出血後遺症・脳挫傷後遺症・知恵遅れ・言語障害など)に用いられている。

 また、骨髄を煮出したときに出るエキス成分のコラーゲンコンドロイチン硫酸は細胞の活性を高める働きが期待されている物質で、いきいきとした美肌作りや老化防止に有効である。特にコンドロイチン硫酸は最近その抗がん性に注目が集まっている物質だが、骨髄のエキスの場合には、コンドロイチン硫酸以外の多様な成分が相乗的に関与しながら免疫力を高め働きをしているものと考えられ、現に各種のガン治療の補助に用いられているほか、感冒・結核・膀胱炎・尿道炎・火傷・外傷などに対する細菌やウイルスの感染防止にもよいとの報告がある。

木曜日, 8月 16, 2007

ミネラルウォーター

○ミネラルウォーター

 水が生命活動と健康維持に不可欠な要素であることを疑う人はいないが、世界でも良質な飲料水に恵まれてきたわが国では水質問題に直面することは少なかった。しかし、人口増加と都市への人口集中、生活の質的向上によって年々水道需要が激増する一方、工業排水、農薬や生活雑排水の流入量の増加で水源が汚濁し始めた近年になって、にわかに飲料水の質が関心を集めることとなった。浄水場での沈殿法や活性炭による濾過では除去しきれない種々の有害化合物の溶融という問題が次々に指摘されている。あるいは、潜在や化学肥料の流入で窒素やリンが増えたことによる水の冨栄養化のために、水源の湖沼や貯水池に緑藻類が繁殖して腐敗臭の原因となることも見逃せない。また、有機物が増えて雑菌が繁殖するために塩素の投入量が増え、残留塩素の毒性やカルキ臭さの問題も起きている。

 在留塩素が問題なのは臭気だけではなく、ビタミンCを破壊したり、高血圧の誘引になるという研究も発表されて、その中でも大きな波紋を呼んだのは、発ガン物質であるトリハロメタンが残留塩素によって作られるという警告であった。これはアメリカのR・ハリスが発表した疫学調査(1974年)が発端となったものである。トリハロメタンは水中の腐敗した藻類や屎尿などの有機物に塩素が反応してできる物質である。日本ではハリスの報告から5年ほど遅れて、大阪の水道水などからトリハロメタンが検出されたことと前後して、健康づくりに有益な飲料水を積極的に求めようという気運が盛り上がった。その一つの現われが、発ガン物質などの心配のない清浄なミネラルウォーターの需要増である。

 ミネラルウォーターは「無機塩類やガスを豊富に含む飲用に適した鉱泉の水」と一般に解釈されているが、農林水産省の「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」ではさらに細かく定義されている。それによると、特定の水源から採水された地下水を原水とし、沈殿、濾過、加熱殺菌以外の物理的・科学的処理を行なわないものをナチュラルウォーターといい、そのうち、地価で滞留・移動中に地層中の無機塩類が溶解して鉱水・鉱泉水(天然の二酸化炭素が溶解し、発泡性を有する地下水を含む)をナチュラルミネラルウォーターとしている。ミネラルウォーターはナチュラルミネラルウォーターを原水とし、品質を安定させる目的からミネラル分の調整、ばっ気(空気と接触させて水に溶存する物質を揮散させる)、複数の水源から採水したナチュラルミネラルウォーターの混合等が行なわれているものをいう。

 ミネラルウォーターは長い歳月をかけて地下水脈を通るうちに浄化され、それらの成分を微妙なバランスで含んで湧き出たものであるから、まず何よりも美味しい。鉱泉の中には強い酸性もしくはアルカリ性で長期の飲用に適さないものもあるが、多くは体液と々弱アルカリ(ph7.5前後)である。水は毎日相当量を飲むのであるから、微量の含有成分とはいえカルシウム、カリウム、マグネシウム、セレニウム、マンガン、鉄、銅などのミネラルの効果が次第に加重していくことが期待される。反面、累積していくことは有害物質も同様であるから、砒素、カドミウム、鉛、錫などが溶融していてはならないことは言うまでもない。

 ミネラルウォーターは現在、国内はもとより世界各地の鉱泉から採取された多様な銘柄が、さまざまな形で多数の飲料メーカーから供給されており、中には74種もの溶融成分を確認したミネラルウォーターもある。

水曜日, 8月 15, 2007

乳酸菌

○乳酸菌

 糖質を分解して乳酸を作り出す微生物(細菌)の内、乳酸生産量が50%(モル比)を越えるものを乳酸菌と呼び、乳酸菌によるこのような代謝を乳酸発酵という。乳酸菌には、乳酸のみをつくるホモ乳酸発酵菌と、乳酸以外にアルコールや二酸化炭素も作るヘテロ乳酸発酵菌がある。また、その形状から棒状の乳酸桿菌と、ボール状の乳酸球菌に分けられる。

 現在、一般に乳酸菌といわれるものはラクトバチルス属、ストレプトコッカス属、ペディオコッカス属の菌類である。ラクトバチルス属の菌は発酵乳やチーズの製造に利用されており、ヨーグルトに使われるブルガリア菌が有名である。ペディオコッカス属の菌は醤油、味噌などの醸造に使われる。

 ヨーグルトは長寿をもたらす食品として良く知られているが、その理由として乳酸菌の働きを指摘したのは、ロシア出身の病理学者でノーベル生理医学賞を受賞したメチニコフ(パストゥール研究所)である。彼は晩年。不老長寿の研究に取り組み、ヨーグルトに含まれる乳酸桿菌が腸内の腐敗菌を減らし、あらゆる病気の発生を防ぐと提唱し、世界中にヨーグルトブームを巻き起こした。1908年のことである。それから1世紀を経た現在、乳酸菌はプロバイオティクスという視点から再び脚光を浴び、新たに機能性乳酸菌として表舞台に登場してきた。プロバイオティクスとは生物間の共生関係を意味するプロビオシスに由来し、抗生物質(アンチ・プロバイオティクス)の反対概念である。

 ヒトの腸内には約100種、100兆個もの腸内細菌が棲みついていると言われ、食物や体調の変化に応じて有用菌と有害菌のバランスが変化している。有害菌が増え始めると体調を崩して老化が進行し、そが新たな原因となっていよいよ病気や老化に弾みがつくことが指摘されてきた。そのような中で、胃酸や胆汁酸の影響を受けずに生きたまま腸管に達し、そこで増殖して宿主(ヒト)の腸内フローラ(細菌叢)を改善し、宿主の健康に貢献する微生物として機能性乳酸菌が注目されているわけである。機能性乳酸菌の生理作用については代表的な整腸作用に加えて、感染防御、血中コレステロール低下作用、免疫賦活作用、抗腫瘍活性などが報告されている。

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月曜日, 8月 13, 2007

アルファルファ

○アルファルファ

 アルファルファは中央アジア原産のマメ科の多年草で、ヨーロッパではルーサンと呼ばれる。和名はムラサキウマゴヤシ。葉は3枚の小葉からなり、草丈1mほどになる。日本には江戸時代に伝来、種に北海道で牧草として定着した。紫色の花をつける紫種は比較的温かい地方に多く、黄色の花をつける黄花種は寒さに強いので北海道での栽培に適している。種子を発芽させたアルファルファもやしは食卓にも良く登場する。

 成熟したアルファルファにはビタミンA・C、カルシウムのほか食物繊維が多く含まれ、疲労回復、滋養強壮、肝機能亢進、便秘の改善などに効果があるとされている。近年、アメリカでアルファルファの葉・葉柄・茎を乾燥させ、粉末や顆粒状に加工したサプリメントがダイエット食品として人気を博した。わが国でもアルファルファの全草を粉末加工したものが健康食品として製造されている。(財)日本健康栄養食品協会によるアルファルファ加工食品規格基準(1988年5月公示、93年7月一部改正)がある。

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日曜日, 8月 12, 2007

豆腐

○豆腐

 豆腐は紀元前2世紀の前漢時代に中国で作られたのが始まりとされている。日本には奈良時代に遣唐使によって伝えられ、はじめは寺院などで食されてきたが、精進料理の普及とともに武士や貴族の間に広まっていく。一般の人々が豆腐を食べるようになるのは江戸時代になってからである。天明2年(1782年)には豆腐料理を紹介した「豆腐百珍」が大ベストセラーになっている。その頃は既に庶民に身近に食品であったようだ。

 豆腐は作り方によって木綿豆腐、絹ごし豆腐、ソフト豆腐、充填豆腐、寄せ豆腐などに分けられる。また、豆腐をさらに加工したものに焼き豆腐、生揚げ、がんもどき、油揚げ、練り豆腐などがあり、日本人の食生活に広く親しまれてきた食品であることが伺える。白くて柔らかくて淡白な味の豆腐は、煮物や揚げ物、炒め物、和え物などさまざまな料理に使え、しかも好き嫌いが少ない食品といわれている。

 栄養面での豆腐の特徴は、消化のよいタンパク質と脂質を豊富に含むことである。豆腐の原料である大豆のタンパク質はそのままでは吸収されにくいが、豆腐にするとタンパク質の吸収率が90%以上になる。また、タンパク質が分解する過程でできる大豆ペプチドは血圧の上昇を抑制し、疲労回復に役立つとされている。脂質は不飽和脂肪酸のリノール酸を多く含んでいる。リノール酸にはコレステロールを下げる作用がある。そのほか、強力な抗酸化作用を持つ大豆サポニン、骨粗鬆症の予防に働くイソフラボン、骨や歯に不可欠なカルシウム、コレステロールの血管沈着を防ぐレシチン、さらに最近の研究で糖尿病への効果が期待されているトリプシン・インヒビタ(トリプシン阻害因子)など、多くの機能性成分が含まれている。良質な植物性タンパク質が摂取でき、しかも肉類に比べて低カロリーの豆腐は、欧米では健康食品として人気が高く、いまやTOFUは世界で通じる食品名となっている。

土曜日, 8月 11, 2007

オキアミ

○オキアミ

 オキアミ科の甲殻類の総称で、大型プランクトンの一種。海生で主として南氷洋に生息し、ヒゲクジラ類の餌となるほか、養殖魚の餌(年間1万数千トンが充てられる)にされてきたオキアミであるが、近年は健康食材として見直されてきている。

 食用にされるのは全長3mほどのナンキョクオキアミで、カルシウムが360mg、銅が2.3mg、鉄が0.6mg(いずれも生100g中)と多く、リンやカリウムなどにも富む。加えてエビ類には見られないビタミンA(レチノール)が180ugと優れており、ビタミンB1・B2・C・ナイアシンを含むことでも見逃せないものがある。このほか血圧を下げるのに有効なペプチド類も含むので、動脈硬化や心筋梗塞などの予防につながる。オキアミは佃煮や塩辛にされるが、乾燥させた干しアミは大根おろしと和え物にしたり、野菜とともにかき揚げにするとかなりの量を摂ることができる。

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金曜日, 8月 10, 2007

レヴィアル アルガンオイル

 アルガンツリーは世界中でも他に類を見ない種でありモロッコ南西部地域のサハラ砂漠だけにしか見られません。この木は七年間一滴も雨が降らなくても枯れないという強靭な生命力があります。

 干ばつの時期には葉は一枚も無く、すっかり枯れたようになりますが、雨が降ればまた花が咲き葉も戻ります。根は地表から100メートル下の水分を探し出し、葉は空気中の水分を吸収することが出来ます。また、地球の温暖化、乾燥化によってサハラ砂漠の地中海への北上を阻止するバリア機能を果たしています。

 アルガンツリーの実を割ると内側にはアーモンドに似た種子があり収穫した100kgの果実から採油されるのはわずかに1~2リットルです。


アルガンオイルの出来るまで

①アルガンの実を収穫する。
②収穫した実を天日にて乾燥させる。
③乾燥させた実の状態で保存する。
④受注毎に必要量のオイルを抽出し、出荷する。
今までのアルガンオイル作りはベルベル人の女性たちによって
伝承的に細々と手作りで作って来ました。

 そして市販をされている製品は仁から焙煎せずに抽出しただけの物など問題点も多くこれからの国際的なニーズの対応が出来るように今までの伝統的な製法を残しつつ改良を行いました。手作業で行う重労働であった従来の挽いて練る作業の代わりに機械的圧搾が用いるようになり、焙煎に関しても改良を行い、保存期間も従来より約4倍近く延び、品質も向上し国際的なレベルで認められるだけの高品質オイルとして開発されました。

 適切な衛生条件で作業を行い本物であるラベルを付けて製造を行い、Qualite Franceによって有機農法で得られた物と認められ、2001年度Slow Food賞を獲得出来ました。

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木曜日, 8月 09, 2007

アルガン油(アルガンオイル)

○アルガン油(アルガンオイル)

 アルガンオイルはモロッコ南西部に生育する樹木アルガンツリーの果実の種子から採られる植物性油である。モロッコでは古くから、サハラ砂漠の先住遊牧民(ベルベル族)の間で料理屋薬用・美容目的として使われてきた。伝統医学におけるアルガンオイルの薬理効果としては、①食用効果としてコレステロールの低下や抗酸化作用、②美容効果としてシワの予防や肌・髪の栄養補給・保護・柔軟化・再生作用、③皮膚のトラブル改善として水疱・湿疹・ひび割れ・火傷の治療など、④疾病予防効果としてリューマチ・関節痛の緩和など、が挙げられている。

 アルガンオイルの成分組成はほかの食物油脂同様、オレイン酸(43.2%)、リノール酸(38.1%)、リノレン酸(0.1%)などの不飽和脂肪酸が豊富に含まれているが、特異成分としてオイルの約1%を占める不鹸化物に特徴がある。それらは、①トコフェロール(ビタミンE)がオリーブオイルの2~3倍含まれており、老化の原因とされる過酸化脂質が作られるのを防ぐ、②植物油には稀にしか存在しないδ-7ステロールが含まれおり、ニキビや脱毛症の予防効果がある。③傷の治癒効果や肌保護効果、抗感染症効果があるトリテルペン類が180mg(100g中)含まれている。④カフェイン酸やオロロペインなどのポリフェノール類が豊富、などである。また伝統的な製法で作られるいることから、スローフードとしての評価の高い。

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水曜日, 8月 08, 2007

ガングリオシド

○ガングリオシド

 シアル酸を含有するスフィンゴ糖脂質の総称で、シアル酸の数や結合位置の違いから100種類以上のガングリオシドが発見されている。ヒトの臓器全体に分布しており、細胞膜表面のホルモン受容体に関与するほか、脳細胞に多く存在するため、脳の発達や記憶の形成などに関係があると考えられている。

 ガングリオシドは母乳に多く含まれており、GD3(ガングリオシド・ジシアロ3)とGM3(ガングリオシド・モノシアロ3)の2種類が認められているが、授乳時期に応じて一定の規則性で入れ替わるということが発見されている(東京大学医学部・岩村正男による)。授乳開始時期にはGD3が母乳のほぼ100%を占めているが、次第にそれが減ってGM3が増えていき、60日目には逆にGD3が100%になるという。この60日間という時期は新生児が急激に成長発展する時期であるため、ガングリオシドが脳の発達に深く関係していると考えられている。

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月曜日, 8月 06, 2007

ユッカ

○ユッカ

 リュウゼツラン科の常緑樹で、学名はYucca gloriosa。原産は北アメリカ。先端に鋭い刺を持つ剣状の葉が特徴で、日本でもイトラン、キミガヨランの和名を持つ品種が公園などに植栽されている。ネイティブアメリカンは原生種のユッカの花びらや種の莢、果実、若葉、根などを煎じ薬として用い、伝染病・関節炎・神経痛・むくみなどの治療に利用してきた。

 近年になって植物学者のエールがユッカに高濃度のサポニンが含まれていることを発見して以来、エキスを用いた臨床研究が進み、リューマチ・痛風・高血圧・高脂血症などに特に有効であり、それが主成分サポニン(ステロイド系ホルモン前駆体物質)によるものであることが明らかにされた。ユッカは食物繊維も豊富に含むため、サポニンとの総合効果を求めて木部を加熱処理して粉末にした健康食品も作られている。アメリカではGRAS物質(古来用いられて安全性が確認されたもの)として認められ、香辛料及び栄養剤として長らく利用されてきている。

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日曜日, 8月 05, 2007

味噌

○味噌

 味噌は日本を代表する調味料の一つだが、その起源については諸説ある。一般的には、中国から伝来した醤や鼓が日本独自の味噌に発展したといわれている。醤は獣や魚の肉、あるいは雑穀を発酵させたもので、鼓は大豆に塩を加えて発酵させたものである。一方、縄文時代には既にドングリで作った食品(縄文味噌)があり、それが起源であるという説や、醤や鼓、縄文味噌が影響しあって今日の味噌ができたという説もある。

 味噌は蒸煮した大豆に麹、食塩、種水を加えて発酵・熟成させた食品である。種水には酵母乳酸菌を添加することが多い。使用する麹の種類によって米味噌、麦味噌、豆味噌に種類が分かれる。日本で生産される味噌の8割は米味噌で、仙台味噌や信州味噌、西京味噌などがある。麦味噌はかつては農家の自家用に作られることが多く、田舎味噌とも呼ばれている。九州や四国、中国地方に多い。豆味噌は渋みのある濃厚な味が特徴で、名古屋味噌や八丁味噌、三州味噌が良く知られている。なお、赤だし味噌として市販されている味噌は豆味噌に米味噌をブレンドした調合味噌である。

 味噌にはタンパク質やビタミンB2・B12・Eをはじめ、サポニン、イソフラボン、レシチン、酵素など数多くの有用成分が含まれている。タンパク質では必須アミノ酸のリジンが多い。リジンは日本人の主食である白米に不足しているアミノ酸なので、味噌汁と一緒に摂ることにより不足の栄養素が補える。また、味噌汁を毎日飲む人ほど胃ガンによる死亡率が低くなるという調査報告がある(1981年、国立がんセンター研究所)。特に男性の場合は顕著で、毎日飲む人は全く飲まない人に比べ死亡率が約33%低下する。これは味噌の発酵中に酵素や酵母の働きで作られる脂肪酸エステル(味噌の香り成分)に、ガンを誘発する変異原性物質を抑制する作用があるためといわれている。また、味噌の原料である大豆にはリノール酸、植物ステロール、ビタミンE、レシチン、サポニンなどが含まれているが、これらの成分はコレステロール低下作用をもつ。さらに大豆サポニンには強い抗酸化作用があり、体内の脂質の酸化を抑えるので生活習慣病や老化の防止に働く。味噌は未成熟のものより熟成味噌のほうが抗酸化力に優れていることがラットによる実験で確認されている。

 このように有用成分を豊富に含む味噌だが、味噌汁の塩分を気にする人も多い。味噌には塩味によって甘味噌(食塩濃度5~7%)、甘口味噌(同7~13%)、辛口味噌(同11~13%)があるが(数字は米味噌の場合)、味噌汁の具にカリウムを多く含む海藻類や緑黄色野菜、根菜類など組み合わせることでナトリウムの体外排出を促すことができる。

金曜日, 8月 03, 2007

醤油

○醤油

 醤油は独特の香りと旨味、塩味、コクをもち、日本料理には欠かせない伝統調味料である。現在ではソイソースとして海外でも親しまれている。醤油は味噌と同じく古代中国の醤が起源だといわれている。醤は、はじめは獣や魚の肉に塩や酒を加えて漬け込んだものが肉醤や魚醤であったが、その後、穀物を原料とする穀醤が登場する。この穀醤が奈良時代に中国や朝鮮半島から伝わり、今の味噌や醤油の元になったと考えられている。鎌倉時代に入ると、味噌から滲み出た液汁を溜と呼び、煮物などの調味料として利用するようになった。これが醤油の原形といわれている。実際に醤油という言葉が文献に見られるようになるのは室町時代中期である。この頃から醤油が調味料として定着してと考えられている。

 醤油は、蒸煮して大豆と煎って割砕した小麦の混合物に麹菌を接種して麹を作り、食塩水に漬け込んで発酵・熟成させた後、圧搾して加熱処理したもので、濃口醤油、薄口醤油、溜まり醤油、白醤油、再仕込み醤油などがある。濃口醤油は最もポピュラーなタイプで、色が濃く香りや旨味が強い。薄口醤油は色が薄く香りを控えめなので素材の持ち味を生かしやすいが、塩分は多い。溜まり醤油は原料のほとんどが大豆で、旨味は強いが香りは弱い。白醤油は小麦が主原料で大豆の割合は少なく、味は淡白だが糖分が多く、吸い物やうどんの汁などに使われる。再仕込み醤油は食塩水の代わりに醤油を加えて仕込んだもの。色が濃く、どろりとした濃厚な味で刺身などに使われる。

 醤油は塩味、旨味、酸味がほどよく調和した調味料である。旨味成分はグルタミン酸を中心とした約20種類のアミノ酸が作り出している。甘味はブドウ糖など約15種類の糖類、酸味は酢酸、乳酸、コハク酸などの有機酸に由来する。また、醤油独特の香りは約300種類の香気成分によるもので、食物の味を引き立て、胃液の分泌を促し食欲を高めてくれる。また、香気中には消臭効果のある成分が含まれているため、肉や魚の生臭さを消す作用がある。さらに香りの主成分であるHEMFというフラノン化合物に肺ガンの発生を抑える作用のあることが、米国ウィスコンシン大学におけるラットの実験で確認されている。

 昔から食品を醤油に漬けて保存食を作るが、これは醤油の殺菌力を利用したものである。醤油の強い殺菌力は食塩、乳酸菌による乳酸、酵母によるエタノール(アルコール)の3つの殺菌作用が総合的に働くためといわれている。さらに醤油の色素成分で抗酸化作用のあるメラノイジン、脳代謝活性作用があるとされているγ-アミノ酪酸(GABA)なども含まれている。多様な有用成分を含む醤油だが、塩分含有率も高い。過剰な摂取は控えるべきである。塩分を半分以下にした減塩醤油もあるので、そちらを利用するのも一考だろう。

木曜日, 8月 02, 2007

ブナシメジ

○ブナシメジ

 キシメジ科白タモギタケ属の食用キノコで、学名はHypsizigus marmoreus。シロタモギタケ、ニレタケの別名もある。秋にブナ、ニレなどの広葉樹の倒木や枯れ木に発生する。直径4~10cm位になる傘は白から灰褐色で、中央部に濃い色の大理石模様が現れる場合が多い。ひばたは白色で密生している。柄は長さ3~10cm、横向きに生えるときは傘の中心から外れてつく。人工栽培が盛んで、国内生産量はシイタケを抜いており、スーパーなどでは、ホンシメジの名で売られているケースも多い。

 ブナシメジにはβ-D-グルカンやテルペン、ビタミンB2が含まれており、抗ガン作用や動脈硬化の予防、また口内炎や疲れ目に効果があるとされる。また、最近ではブナシメジの使用済み培地のダイオキシン分解能力にも注目が集まっている。

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水曜日, 8月 01, 2007

エノキダケ

○エノキダケ

 キシメジ科の食用キノコで、学名はFalmmulina velutips。ナメタケ、トキシラズ、ユキノシタ、ホンナメコなどの別名がある。晩秋から初冬にかけてエノキ、柿、イチジク、ポプラ、ブナなど広葉樹の枯れ木に密生する。昨今では榾木栽培、ビン栽培が盛んで、四季を投じて出回るようになった。鍋物、煮物、和え物、炒め物など、季節を問わず和洋いずれにも適している。

 成分的には食物繊維やビタミンB1、B2、ナイアシンが豊富で、とりわけB1は100g中0.24mgと多く、生シイタケの2倍強もある。池川哲郎(薬学博士・金沢大学)は食用キノコの抗ガン作用の研究で、エノキダケをよく食べる長野県のエノキダケ栽培農家のガン死亡率は、一般家庭より全ガンで30%、胃ガンで55%、食道ガンで62%も低く、エノキダケをほとんど食べない人がガンで死亡する危険度を100%とすると、エノキダケを週3日以上食べる人の危険度は47で半分以下になる、と報告している。

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火曜日, 7月 31, 2007

マカ(改訂版)

○マカ

 マカはアブラナ科の多年草で、ペルー山中4000m級の高地で栽培されており、同じ科のカブ(蕪)と同様の膨らんだ根は辛さと甘さを抱き合わせた風味があり、焼く・蒸す・煮込むなどして食用にされる。収穫後1ヶ月前後自然乾燥させたものは牛乳などで煮てポリッジにする。また、発酵飲料マカーチャの原料にもなる。かつて征服者のスペイン人が馬や羊の繁殖に行き詰ったとき、原住民の忠告に従って餌にマカを与えたところ、眼を瞠る結果を得たところからペルーの薬用人参と呼ぶようになったとも伝えられる。

 マカは数千年前から栽培されており、滋養食材として重宝されてきた。一時絶滅の危機にも直面したが、1980年代に入って国民の健康維持にとって有益な食用および薬用の植物であることが再認識され、ペルー政府の肝入りで増産が奨励されてきた。

 乾燥マカは米やトウモロコシ、小麦に勝る栄養成分を含み、アルギニンやリジンをはじめとする必須アミノ酸も豊富である。鉄とカルシウムの含有量はジャガイモを上回り、不飽和脂肪酸のリノール酸やリノレン酸も含有している。さらにはカリウム、リン、亜鉛、銅、マンガンなどの微量ミネラル類も多く含まれており、まさに栄養の缶詰といっても過言ではあるまい。

 現在一般に認められている機能としては、①活力増強、集中力・記憶力の向上、ストレス・疲労の軽減性生活の円滑化、②更年期障害の改善、月経不順の正常化、精子・卵子の増殖など不妊症の解消を含む生殖能力の促進効果、③免疫賦活作用・抗酸化作用・抗ガン作用、などがあるとされているが、これらは特定成分の直接的効果ではなく、数種類のアルカロイド、ステロイド、テルペノイド、サポニン、タンニン、アントシアニン、イソチオサイアネート、グルコシノレートなどが下垂体を刺激する結果、内分泌腺の活動が活性化されるためと考えられている。

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日曜日, 7月 29, 2007

海洋深層水

○海洋深層水

 地表表面の2/3、全地球上の水の97%を占める海洋の内、海流を形成して激しく動くのは表層部だけで、平均深度3800mにも達する深層部の海水は約2000年もかかって大西洋→南極海→インド洋→太平洋を一巡すると考えられている。海面から蒸発した水は雨となった地表に降り注ぎ岩石を侵食し、溶け出したミネラルを海へと運ぶ。こうして年齢46億年とされる全期間を通じて、海洋には膨大なミネラルが供給されてきた。

 河川水や海洋生物に起因する有機物も海の中では表層部でどんどん分解されて清浄な元素へと還元されてしまうことも、ほとんど手つかずであった深海開発の進歩につれて近年明らかにされてきた。こうして水深500~600mからくみ出されるのが海洋深層水である。汲み上げて塩化ナトリウム(食塩)をイオン交換膜法などによって除去すると、カルシウム、マグネシウム、カリウムを筆頭に微量ミネラルを多彩に含んだ深層水が得られる。海水は人体の血液とミネラル組成が近似していることから非常にバランスのよい総合的なミネラル補給が期待されており、また、外用でアトピー性皮膚炎に好結果が得られたとの報告もある。採水は沖縄、高知、和歌山、富山の各県で盛んであるが、最近は全国各地で含有ミネラルに特徴を持たせた深層水も製品化されている。

金曜日, 7月 27, 2007

ヒマラヤ人参

○ヒマラヤ人参

 エベレスト山脈の標高3500m付近に自生するヒマラヤ人参は、根茎が数珠状に連なる「珠子参」に属する山人参の一種である。自生している場所の標高差や風向き、日当たりなどによって形がバラバラであるが、その薬効には顕著な差はないといわれている。韓国で山参と呼ばれている山人参の一種は、比較的高地に自生し、細いヒゲのような長い根を持っており、ヒマラヤ人参の数珠状の根とは異なるが、薬用としての効能や適応症が非常に類似している。例えば特長のひとつとして造血作用が強く、女性の生理不順や貧血を改善し、また循環器系の疾患に対して薬効を見せるのもヒマラヤ人参と同様である。摂取後、体温が上昇して体が温まるのも共通している。

 これまでに確認されているヒマラヤ人参と山参に共通する効能は、糖尿病、胃腸病、肝疾患、高血圧、ガン、婦人病、リューマチなどの疾患に対する有効性である。このほか止血や鎮痛、解熱、去痰の効果の認められている。これらの効能を発揮する基本物質はサポニンによるものと考えられている。韓国の人参研究の第一人者である楊祟仁はヒマラヤ人参について、2000m前後の標高地で採取したものはサポニンの含有量が低く、3000m前後の高地に自生している人参は高麗人参に匹敵するものであると報告している。また、田中治(広島大学)はネパール西部地域の野生人参のサポニン総含有量を確認している。

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木曜日, 7月 26, 2007

カルシウムイオン水

○カルシウムイオン水

 カルシウムイオン水は、村越小五郎(東京大学電気工学部)が解明した「半透膜装置によって作られるイオン化カルシウムは体液中のものと同じ状態にあり、体に利用されやすい」という原理に基づいて開発された健康水である。

 村越はこの電解カルシウムイオン水を自ら飲用し、既に白くなっていた頭髪や口ひげが黒くなり、高血圧や神経痛も全快するという体験によって老化防止に役立つことを明らかにした。

 研究を引き継いだ村越康一(千葉大学医学部)は胃炎や神経痛の76例中70例が臨床的に全快または軽快したと報告、昭和医科大学では肺結核や口腔ガンに対して、日本大学(笹子ら)ではマウスのエールリッヒ腹水ガンを抑制したと報告している。ウサギへの投与で血清カルシウムイオンが増加しマグネシウムが減少するというビタミンK様作用も確認されている。現在のところ作用機序はほとんど未解明で、遊離イオン化によりカルシウムの生理活性が高まり、細胞の浸透圧が減少して細胞内物質が交換されるのではないかと考えられている。

水曜日, 7月 25, 2007

FFC水

○FFC水

 FFCは(フェロス・フェリック・クロライド)の略で、「二価三価鉄の二量体鉄塩」を意味する。近年、ある種の水に常識では考えられなかった高い生理活性が見出されるようになり、水の物理的、化学的性質を解く研究が盛んに行われるようになった。その結果、例えば水の分子集団の大きさで生命活動に与える機能性が大きく異なることなどがわかってきているが、こうした機能性を決定する大きな要素として鉄の関与がある。

 植物は水や炭酸ガス、窒素やミネラル類という無機物を摂取して、それを光合成によって有機物に変える営みをしている。このとき、光合成を司る物質となるのが葉緑素であるが、葉緑素にはマグネシウムのほか、微量の鉄(Fe)が存在している。同じことが動物にも見られ、血液の重要な成分であるヘモグロビンが休みなく行っているガス交換も鉄によって支えられている。原始の海の中で植物が生育し始めた今から22、23億年前の海水には圧倒的に多くの鉄(二価鉄と三価鉄)が溶けていたが、やがて植物の発生する酸素で酸化して沈殿してしまった。その結果、現在の海水には微量の三価鉄が溶解するに過ぎない。もし還元性で且つ水溶性の鉄を新たに得ることができれば、生命を育んだ巧妙な生理システムを手中にできる。これがFFC水を生み出す着眼点であった。

 製品供給が実現した現在、濃度が濃すぎるとよい結果が得られないこと、二価鉄と三価鉄の割合を変えることによって様々に機能を変化させれることも実験的にわかっており、FFC水によって①植物が強靭な成長力を持つこと、②農作物の品質向上の増収がはかられること、③害虫の食害を受けにくいこと、④食物が腐敗しにくくなること、⑤家畜や養殖魚が病気にかからず成長が早いこと、⑥池や用水の水が浄化されること、などの事例が報告されている。機能性健康飲料としても盛んに用いられており、慢性疾患や体質の改善に有効であったとする事例をはじめ、火傷や捻挫に外用するだけでも軽快したといった報告もある。

火曜日, 7月 24, 2007

フィーバーフュー(シロナツギク)

○フィーバーフュー(シロナツギク)

 学名Tanacetum parthenium。キク科のナツシロギクのこと。偏頭痛の発作の回数を減らしたり、痛みを軽くするとされ、欧米で注目されている。1日量は、エキスで100mg。効果が現れるまでには、平均3ヶ月かかるので、発作時の鎮痛用には適さない。消炎、発汗などの作用もある。花の部分をサラダやハーブティーとにして食用にしたり、アロマ剤や入浴剤として用いる。なお、妊娠及び授乳期間中は使用しない方がよい。

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月曜日, 7月 23, 2007

シミシフーガ(ブラックコホシュ)

○シミシフーガ(ブラックコホシュ)

 ブラックコホシュともいう。北アメリカ西部が原産のキンポウゲ科サラシナショウマ属の多年草で、学名はCimicifuga racemosa。北米先住民の間では、その根茎を痛み止めや更年期障害の治療に利用してきた。ヨーロッパで行われた臨床試験では、更年期症状が改善したという報告が得られており、欧米ではサプリメントとして製造・販売されている。

 アサヒビールと指田豊(東京薬科大学薬学部)らとの共同研究で、シミシフーガに抗ストレス作用があることがマウスによる経口摂取実験で確認され、その機能成分がアクテイン(トリテルペン配糖体)であることが明らかにされている(2003年)。ハーブの中でバレリアンやパッションフラワー、スカルプキャップと相性がよく、同時に服用することでリラックス効果がさらに高まるという。

 なお、シミシフーガの過剰摂取によって頭痛・めまい・吐き気・嘔吐などの起きることが報告されている。海外ではブラックコホシュと関連が疑われる肝障害の事例が報告されている(03、04年)。ただし、その関連性については現段階では明確になっていないが、妊娠中の摂取は避けるべきであるとされている。

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土曜日, 7月 21, 2007

レモンバーム

○レモンバーム

 メリッサともいう。シソ科セイヨウヤマハッカ属の多年草で、学名はMelissa offcinalis。原産地は地中海沿岸や中央アジア。和名はセイヨウヤマハッカ。レモンに似た爽やかに香りをもち、ハーブティーによく使われる。生の葉や乾燥したものは、伝統的に鼓腸(腸内にガスが溜まる状態)や疝痛、頭痛、感冒の治療や発汗剤に用いられてきた。

 最近の研究では中枢神経系に対して鎮痛作用のあることがわかってきた。レモンバームとカノコソウを組み合わせて摂取すると、睡眠の質と長さが改善したという報告がある。さらに、アルツハイマー病による興奮状態の改善にも有効であるとされている。また最近では花粉症対策ハーブとしても人気を呼んでいる。レモンバームに含まれるロズマリン酸(ポリフェノールの一種)が、アレルギー症状を引き起こす酵素ヒアルロニダーゼを強力に阻害することが確認されている。

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金曜日, 7月 20, 2007

納豆菌

○納豆菌

 糸引き納豆を作るときに発酵のために加える菌で、古くはイネ藁(納豆を包む藁苞)に付着した粘葉菌のバシラス・サブティラスで自然発酵して作られていたが、現在は純粋培養したバシラス・サブティラスの変種が使われている。

 納豆菌は、大豆のタンパク質を分解し、粘質物(ネバネバ成分)を形成する。粘質物には血栓溶解酵素として知られるナットウキナーゼが含まれるが、これは発酵によって納豆菌が作り出すものである。また、骨を丈夫にするビタミンK2も豊富だが、これも納豆菌によって合成させれている。納豆菌を利用した健康食品については(財)日本健康栄養食品協会による「ナットウ菌培養エキス食品規格基準」があり、ナットウキナーゼの摂取目安量などが規格化されている。

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木曜日, 7月 19, 2007

ごま(胡麻)(改訂版)

○ごま(胡麻)

 ゴマ科の一年生草木で、アフリカのサバンナ地帯が原産地。果実の中に多数できる種子を食用とする。胡麻の色は白・黒・茶・金・緑があるが、主に使われるのは白ゴマ、黒ゴマ、金ゴマの3種である。白ゴマは脂質の含有量が多く(約55%)、胡麻油の原料に使われている。黒ゴマは独特の香気があり、ゴマ和えやゴマ塩などに用いられる。金ゴマは特に香気が強く、会席料理などに用いられている。

 ゴマの成分で最近注目されているのは、ガンや老化の防止に効果があるとされる抗酸化物質の存在である。不飽和脂肪酸を多く含む油は空気中で酸化しやすく、過酸化物質という有害物質に変化するが、ゴマ油ではこのような変化が起きにくいことはよく知られている。これはゴマ油に含まれるビタミンEやリグナンなどが抗酸化物質として働いているからだと考えられている。ゴマに含まれるのリグナンはゴマリグナンといい、セサミンやセサミノールなどの物質が知られている。また、黒ゴマの果皮に含まれるアントシアニンにも抗酸化作用が認められている。ゴマはタンパク質の含有量も多い(約20%)。必須アミノ酸のトリプトファンとメチオニンが多く含まれており、催眠や精神安定、抗うつ症状の改善に効果がある。このほかビタミンB群も多い。

○セサミン強化ごま

 多彩な抗酸化物質を多く含み、ビタミンやミネラル類も豊富なゴマであるが、さらにその健康効果を高めようと品種改良の研究も行なわれてきた。2001年には血中の中性脂肪を減らす効果の高い新品種のゴマが農水省農業研究センターで開発されている。

 新品種は、セサミンの含有量は多いが収穫量が少ない中国産のゴマと、収穫量の多い国内品種を交配して作ったもので、セサミン含有量が1gあたり約10mgと、中国産よりも5%程度多い。同センターが行なったラットを使った実験では、脂肪酸を分解する肝臓の働きが普通のゴマの2~3倍に高まり血中の中性脂肪が減ったという。同センターでは食品企業などと提携して生活習慣病の予防に役立つゴマの製品化にも取り組んでいる。

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火曜日, 7月 17, 2007

ブルーベリー

○ブルーベリー

 ブルーベリーはツツジ科の常緑低木で、原産地は北米からカナダにかけての一帯である。寄り集まって実る濃青色の小粒の果実は、古くから生食のほかジャムやゼリーなどに用いられてきた。また、ヨーロッパでは葉は実のエキスが壊血病・泌尿器病・糖尿病などの民間薬として利用されていたこともある。

 第2次大戦中にイギリス空軍のパイロットが、ブルーベリーのジャムを大量に摂り続けると周囲が薄暗くなってもよく見えることに気づいたことから生理機能についての研究が始まり、その後、イタリア、フランス、アメリカも参画して研究が進み、各国で医薬品として認められるに至ったが、これに用いられる品種は一般食品用とは異なり、有効成分の多いホワートルベリーという野生種である。

 視覚は、外から入ってきた光の刺激で網膜にあるロドプシン(視紅)というタンパク質複合体が分解・再合成を繰り返す連続作用で生ずる。このロドプシンに活性を与え、分解と再合成を促進させれば視覚機能が高まるわけだが、ブルーベリー含まれる色素成分のアントシアニン(配糖体)にその働きがあることが見出されたのは1964年のことである。これに続いて、アントシアニンの暗視野における視力の改善、視野拡大、夜盲症患者の光感受性の改善、抗潰瘍性、抗炎症作用などについての動物実験や臨床試験の成果が発表され、その有効性が明らかにされていった。こうした成果を元に、ブルーベリー製品は1976年にイタリアで始めて眼科、血管障害用の医科向け医薬品として承認され、それ以後フランス、スペイン、韓国、アメリカ、最近はニュージーランドでも医薬品に加えられている。

 わが国では農林水産省の食品総合研究所食品機能でその食効を認めているが、ブルーベリーエキスへの期待が一段と高まってきた背景には、若年層のTVゲーム熱や学習時間の拡大などから近視や仮性近視が増える一方、職場ではパソコンの普及などもあって目のストレスや疲労を訴えるケースが激増していることなどが考えられよう。わが国の最近の研究では、大坂外語大学保健管理センターの梶本修身が、眼精疲労を訴える患者にブルーベリーエキスを1日量62.5mg使用したところ、目の疲れや痛みなどの軽減などに有効であった(1997年)、1日のアントシアニン量として37.5mgを進学塾に通う小学生に8週間投与したところ、視力回復効果、目の疲労感の自覚症状の改善に有効であった(2000年)などの試験結果を発表して大きな話題となった。ブルーベリーの健康食品としてエキス飲料やタブレットなどが市販されている。

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月曜日, 7月 16, 2007

樟芝(ベニクスノキタケ)

○樟芝(ベニクスノキタケ)

 樟子はクスノキ科の牛樟という樹木の空洞部に寄生するキノコで、学名はAntrodia camphorata。世界で台湾だけに生息しており、日本ではベニクスノキタケと呼ばれている。快い香りと辛苦い味をもつ樟芝は、地元台湾では古くから薬用キノコとして使われており、多くの効用が知られている。

 邱年永(中国医薬学院)によると、樟芝は循環系統の活性化、血液循環の促進、体を温め消化を助ける、解毒・むくみの解消、鎮静・抗菌・抗毒作用、抗腫瘍作用効果などがあり、肝硬変・肝ガン・リューマチ・胃痛・下痢・嘔吐・食中毒・糖尿病・尿毒症・インフルエンザのほか、船酔いなど乗り物酔いの治療にも用いられている。

 樟芝は特異的な生長と生息条件から、天然物を採集できるのは稀である。近年、樟芝が寄生する台湾特有のクスノキ(牛樟樹)が天然記念物とされ伐採禁止になったことから、天然物を入手することがさらに困難となり、台湾でも貴重な存在として森の中の赤いダイヤモンド、台湾の至宝などとも呼ばれている。子実体の人工栽培も長年試みられていたが、樟芝本来の成分が含まれず、栽培による大量生産は難しいとされてきた。しかし、2002年に台湾の偉翔生枝開発股份有限公司(ウェルシャイン・バイオテクノロジー・ディベロップメント社)が子実体の人工栽培に成功、樟芝の特異的な成分であるトリテルペノイドの含有量も野生の樟芝と遜色がないことが確認され、大きな注目を集めた、台湾ではまた、大手製薬会社(葡萄王生枝)が樟芝の菌糸体培養に着目し、生産技術の確立に成功している。いずれも健康食品素材として製品化されている。

 これまでの薬理研究で、樟芝からは各種有効成分が見つかっている。免疫賦活作用に効果があるとされるβ-グルカンをはじめとする各種多糖類のほか、苦味成分のトリテルペン類、γ-アミノ酪酸、環状ジペプチドのダイケトピペラジン、睡眠作用があるとされるアルカマイデス、血管新生を抑えてガン細胞のアポトーシスを誘導させる働きがあるエルゴステロールなど、さまざまな物質である。

 台湾では数多くの大学や研究機関で樟芝の健康機能研究、及び安全性試験が行なわれており、研究発表も多いが、最近では日本の大学などでも研究が開始された。遺伝子栄養学研究所の松永政司らの研究によると、樟芝には肝臓疾患を改善する働きがあることが明らかにされている。その理由として、樟芝には多糖類だけでなくトリテルペン類が多く含まれており、この成分が肝炎や肝硬変の改善に有効だとしている。また、肝ガン細胞を使った試験でも良好な結果が得られている。肝ガン細胞(H22)を移植したマウスに樟芝菌糸体を経口投与したところ、NK細胞を含む免疫能が上昇し、ガン細胞の増殖が抑制された。また、人の悪性リンパ腫細胞であるU937株の培養液に樟芝菌糸体を加えて生細胞数を観察した結果、U937細胞の増殖が抑えられることも確認している。

 富山医科薬科大学の服部征雄も、樟芝が劇症肝炎の治療に効果のあることを報告している。実験では劇症肝炎を発症させたマウスに樟芝菌糸体エキスを投与し、18時間後の生存率を調べた。投与しなかったマウスの生存率が30%だったのに対し、体重1kg当たり50mgを投与したマウスでは40%、200mgでは60%に上昇し、樟芝が劇症肝炎に効果のあることが確認されたという。また、樟芝の成分分析では肝臓保護作用とともにガン細胞の増殖を抑えるコハク酸関連化合物とマレイン酸関連化合物が見つかっており、ガン治療にも有効であるとしている。

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日曜日, 7月 15, 2007

花粉(改訂版)

○花粉

 ポーレンとも言う。ミツバチが集めた花粉を原料にしてつくるミツバチ花粉(ビー・ポーレン)と、花粉を水やエタノールで抽出・濃縮してつくる花粉エキスがある。

 ミツバチ花粉は、ミツバチが花蜜と一緒に集めた花粉に体内の酵素が加わったもので、働き蜂はこれを食べることでローヤルゼリーを分泌することができる。組成は糖類が約40%、タンパク質が約35%(その内、半分か吸収されやすい遊離アミノ酸)で、ほかにビタミンA、B1、B2、B6、C、E、パントテン酸、ナイアシン、葉酸、さらにミネラルとしてはカリウム、カルシウム、リン、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、珪素などと豊富である。そのためヨーロッパではパーフェクトフーズ(完全な食品)とも呼ばれている。

 生物学者のニコライ・ティシティンが長寿で知られるコーサカスのグルジア族を調査し、100歳以上の大多数が養蜂家で、花粉の混ざったハチミツ原液(精製した残滓)を常食していることが明らかにされたことから、各国で効能の研究が行われるようになった。フランスの科学者レミー・ショーバンは早くも1957年に、①整腸作用(便秘や下痢の改善)、②血中ヘモグロビンの増加(貧血に有効)、③滋養と体力回復、④精神安定、⑤副作用なし、と臨床試験の結果を発表している。やがて多くの研究者によって、花粉食品には抗生物質的なものやホルモン様成分、成長促進物質などが含有されていることが明らかにされていったが、なかでもとりわけ目立つのは前立腺肥大に対する効果であった。

 1959年に始めて研究成果を明らかにしたのはスウェーデンのエリック・ウプマルク(ウプサラ大学)で、5年間に及ぶクロロマイセチン(抗生物質)の大量投与でも無効だった前立腺肥大の患者に花粉を投与し、奇跡的な回復をみたのである。62年には同国の医師ゴスタ・リンダーが前立腺の感染症にも顕著な効果があったと発表した。その後、ドイツやアメリカの医学会でも同様の成果が明らかにされるとともに、単に排尿困難、激痛、頻尿といった症状の改善にとどまらず、前立腺疾患が原因の性欲減退、インポテンツの改善効果が次々に報告された。スウェーデンでは早くから花粉が栄養剤・感冒剤・強壮剤として用いられてきたが、前立腺肥大の治療薬として花粉だけを使った薬剤も開発されて、これはわが国でも使われている。

 中国では陳恕仁(広州軍区軍医学校臨床研究室)らのグループが破砕処理した花粉(細胞壁を破砕して成分を浸出しやすくしたもの)を用いて、前立腺炎ないしそのための不妊症の患者423例を他の薬剤は一切使わずに治療した結果、27%が治癒(妊娠)、54%が肥大・炎症の快癒と自覚症状の消失、11%が好転、無効は僅か8%であったと報告し、「植物の精子に当たる花粉の成分が人間の精子の成分に転換されるのではないか」と述べている。こうした顕著な効果は花粉全体の作用であるが、特に含有成分のマグネシウムと亜鉛に着目した研究が欧米に多い。どちらも健全な前立腺や精液に比して、患者のそれは大幅に減少していることが明らかにされており、この欠乏が前立腺ガンの危険に結びつくことが指摘されている。

 花粉を原料にした健康食品はミツバチ花粉食品、花粉エキス末食品などがあり、(財)日本健康栄養食品協会の「花粉食品規格基準」(1991年9月公示、93年7月一部改正)では、ミツバチ花粉・ミツバチ花粉食品・ミツバチ花粉加工食品・花粉エキス末、花粉エキス末含有食品について定義されている。

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土曜日, 7月 14, 2007

アルカリイオン水

○アルカリイオン水

 アルカリイオン水は水を電気分解してマイナスに荷電させた水である。phは8~10に保たれている。体内で脂質や組織細胞を酸化させ、病変や機能障害、細胞の老化を招く原因と一つとして活性酸素があるが、その弊害を防ぐものにビタミンC・Eやβ-カロチンなどの抗酸化物質が知られている。このアルカリイオン水にも抗酸化機能(SOD様活性)が期待されている。

 活性酸素は体内分子から陰イオンを奪う形で相手を酸化させる。この時、他から陰イオンが供給されれば、その時点で中和されて過酸化機能を失うことになる。この働きをアルカリイオン水の持つ陰イオンにさせようというのである。陰極板と陽極板を設けた電解槽にフィルターを通した水を満たして直流電気を通すと、陰極にはマイナスに帯電した還元水(アルカリイオン水)、陽極にはプラスに帯電した酸化水が得られる。こうしてつくられたアルカリイオン水は単に保健飲料としてではなく、腸内異常発酵や胃潰瘍、老化防止などにも有効であるという研究報告もある。また、同時に得られる酸化水は細菌の生育を静止する働きや収斂作用があるため、化粧水に使われるほか、アトピー性皮膚炎や床ずれなどの手当てなどにも効用があるとされている。

木曜日, 7月 12, 2007

梅肉エキス(改訂版)

○梅肉エキス

 梅の薬用効果を強化させたのが梅肉エキスである。この原型は中国の烏梅(梅の実をいぶしながら乾燥させたもの)にあり、これを発展させたのが日本独特の梅肉エキスで、江戸時代の医療書「諸国古伝書秘方」には「青梅を沢山にすり、搾り汁を天日に乾かし、かきたて、ねりやくの如くになる時に、甘草五分の一を入れてねるなり」と、当時の製法が記され、その効用については、赤痢・腸チフスに該当する伝染病や食中毒・吐き下し・下痢・便秘・消化不良などが示されている。

 経験的にも学術的にも梅肉エキスの効果が再認識されてきた中で、農水省食品総合研究所(当時)と(財)梅研究所が行なった梅肉エキスの共同研究では、毛細血管と同じ孔径7ミクロンのフィルターを血液が通過する時間を測定した結果、梅肉エキスを加えると通過時間が半分(約30秒)に短縮されるという血流改善効果が報告されている(1999年)。また、その機能成分として新規物質も発見され、ムメフラールと命名された。ムメフラールは天然の梅の実には含まれておらず、梅の果汁を煮詰めて梅肉エキスを作る過程で生成する物質であることが確認されている。

 梅肉エキスの効用をまとめると次のようになる。①細胞間質液をアルカリ性に保つ浄血作用があり、新陳代謝を活発にして諸器官を正常化する。②クエン酸の働きで疲労物質である乳酸の発生を抑え、体の活性化、老化防止に効果的である。③梅に多く含まれている有機酸のピクリン酸が肝機能を高める。④整腸作用に優れ、便秘や下痢に効く。梅に含まれているカテキンは腸の働きを活発にする作用があり、便秘、ニキビや肌荒れにも効果的である。

 梅肉エキスを使った健康食品は数多くあり、錠剤、粒、顆粒、ペースト、ドリンクなどさまざまなタイプのものが市販されている。(財)日本健康栄養食品協会による「梅エキス食品規格基準」(1989年2月公示、93年7月一部改正)がある。

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水曜日, 7月 11, 2007

メシマコブ菌糸体(改訂版)

○メシマコブ菌糸体

 メシマコブ菌糸体培養技術を完成させた韓国では、その薬理研究が産学協同で進められ、開発された製剤は1993年に韓国政府から抗ガン剤の認可を受けた。そしてこの開発研究は韓国内で高く評価され、兪益東(韓国生命工学研究所)は98年度の茶山技術賞を受賞している。

 開発に当たり韓国では既に90年ごろから多数の薬効研究が発表されているが、兪益東も携わった著名な研究として、抗ガン剤(抗ガン性抗生物質)のアドリアマイシン(ADR)を併用した比較実験がある。無菌マウスに黒色腫(メラノーマB15F10)を移植後、①メシマコブ菌糸体の熱水抽出物(以下、エキスと表記)を100mg/kg、②ADR(0.1mg/kg)、③エキス+ADR、をそれぞれ投与すると、対照群(無投与)は20日後に、①と②は40日後に生存率0となったが、③の併用グループは60日後の生存率が40%であった。そこでADRを3倍濃度の0.3mg/kgにすると、②のADR単独投与では60日後の生存率が20%に向上、③のエキス併用では60日後の生存率が90%にも達したのである。

 抗ガン剤と相補的に作用することを実証したこの実験成果は、現実的なガン治療にとって極めて有益であり、順次こうした研究成果が報告されていったことから、安全性のチェックを経て医薬品に認可されたのである。さらに細菌の兪らによる研究では、自家免疫疾患が一因となるインスリン依存症(Ⅰ型)糖尿病を持つマウスに対しても、メシマコブ菌糸体エキスは血糖値を正常にし、発病を抑制する効果を示したことも発表している。この培養菌糸体エキスはわが国への導入され、多くの基礎研究や臨床報告が行われている。

 国内の研究では、中村友幸(アイ・ビー・アイ応用キノコ研究所)らによる活性酸素消去作用に関する報告がある。中村らは国内で採取した野性メシマコブの菌糸体を使い、廊下やガンの原因となるスーパーオキシドアニオンラジカル(活性酸素)の消去活性試験を行なった結果、12種類(ヒメマツタケ、マイタケ、マンネンタケ、ヤマブシタケ、シイタケ、ハタケシメジ、ホンシメジ、カンゾウタケ、ヌメリスギタケモドキ、エリンギ、ナメコ、メシマコブ)の菌糸体培養成分の中で、メシマコブ(PL-08株)が最も高い活性を示し、抗酸化物質として知られているビタミンCの約2倍の消去活性を有することが示唆されたとしている。

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火曜日, 7月 10, 2007

メシマコブ(改訂版)

○メシマコブ

 タバコウロコタケ科キコブタケ属のキノコで、学名はPhellinus linteus。メシマコブのいう和名は、男女群島(長崎県)の女島に多くの野性株が見られたことに由来する。桑の古木に寄生して、コブ状から次第に扇状に育ち、通常は傘の直径が8~12cm、大きなものは30cmを越えるほどにもなる。傘の裏側(地面側)が黄色いところから、漢方の古典・本草綱目に桑黄の名で収載されているものが、このメシマコブだといわれている。

 わが国のキノコ薬効研究所の黎明期に当たる1968年に、めぼしい薬用キノコを集めて行われた池川哲郎(国立がんセンター研究所)らの抗腫瘍活性化比較研究で、メシマコブは非常に高い数値を示した。この研究に触発された医師の山名征三(広島・西條病院)は、患者の協力も得てその優れた抗腫瘍活性を確認したが、野生のメシマコブは極めて入手難であったために、その成果を広く世に問うことができなかった。その後は野生の桑の古木は減少、人工栽培も困難でメシマコブの入手難は改善することがなかったが、近年、韓国でメシマコブ菌糸体の培養技術が完成、日本ではメシマコブ子実体の人工栽培法が確立している。

 子実体の人工栽培を確立したのは、長野県松本市で各種薬効キノコの人工栽培に取り組んできた企業サイシンで、2001年春、約10年間の試行錯誤の末、メシマコブ子実体の人工栽培に目処をつけ「S-ME菌」と命名された。同年の秋からは量産体制も整い、メシマコブ子実体のきざみが出荷されるようになっている。この人工栽培の成功によって、メシマコブ子実体の基礎研究が大きく前進するものと期待されている。

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月曜日, 7月 09, 2007

ハタケシメジ(改訂版)

○ハタケシメジ

 ホンシメジと同じキシメジ科のキノコで、学名はLyophyllum decastes。夏から秋にかけて林、草地、道端などに生える。傘は径4~9cmで、ほとんど平らに開く。傘の表面は灰褐色、裏側は灰白色で細かいヒダがある。柄は5~8cm。株の根本は菌子束となって伸びる。北半球の温帯に分布している。

 味は天下一品とされるホンシメジと同様、風味が優れているため、様々な方法で人工栽培が試みられたが成功しなかった。しかし、王子製紙森林資源研究所が人工栽培技術を確立して大量生産に成功、機能性が期待される健康食品の一員にも加わることになった。ホンシメジはマツタケのように土中に生きた根に共生する菌根菌であるのに対し、同属でありながらハタケシメジは土中に埋もれて腐朽の進んだ木片に繁殖する腐生菌としての性質を持っていたことが、人工栽培の成功につながったといわれている。

 他の多くのキノコ類に抗ガン作用が見出されていることを受けて、ハタケシメジの機能性研究もその抗ガン活性の検証から着手され、1998年の日本癌学会総会においてその効果に関する学会発表がなされた。「ハタケシメジに含まれる抗腫瘍活性多糖の分離・精製とその構造」(三重大学医学部薬理学教室・伊藤均、同大生物資源学部・久松眞、永昌源総合研究所・卯川裕一)である。キノコの抗ガン作用研究にとって画期的なこの学会発表は、伊藤によるハタケシメジの実験を基礎としたものであった。その実験はハタケシメジの熱水抽出画分(F-1)と、それをアルコール沈殿させた画分(F-2)の2つを調整し、それぞれ0.5%、0.1%に希釈して、0.3mlを15週齢の雌マウスに腹腔内投与、2時間経過後に腹腔浸出細胞(主にマクロファージ)を採取してC3抗原を定量するというものであった。その結果、C3抗原(抗原抗体反応によって活性化される血清タンパク酵素系の溶血・溶菌反応に必須の物質)が最高15倍にも上昇することが観察された。この現象はマクロファージが強く活性化されたことを意味する。

 次いでザルコーマ180固形ガンを5週齢の雌マウス12匹(6匹2群)に移植、その内の1群にハタケシメジの熱水抽出画分(10mg/kg)を10日間連続して投与(注射)した。その結果、対照群(6匹)は全て罹患し、その内の3匹は35日目までに死んだが、投与群(6匹)は100%全て健全であった。

 その後行われた実験では、上記F-2画分をイオン交換クロマト法、ゲル濾過法で8種類の画分に精製し、ザルコーマ180固形ガンを移植した5週齢の雌マウスに、腹腔内投与(注射)及び胃ゾンデによる経口投与を行なった。その結果、移植4週後の生存率は精製した2画分で100%、ガン完全消失率も90%という好結果を見たのである。また、経口投与でも46%と高い腫瘍抑制率を示した。同研究グループは、第58回日本癌学会総会でも「ハタケシメジ由来の精製多糖の抗腫瘍効果とその作用機序」を発表している。

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土曜日, 7月 07, 2007

AHCC(改訂版)

○AHCC

 AHCCはActive Hexose Correlated Compound(活性化糖類関連化合物)の略で、複数の坦子菌類(キノコ)の菌糸体を長期間培養して得られる菌糸体培養抽出物の名称である。1986年にアミノアップ化学と東京大学薬学部・岡本敏彦の共同研究によって開発され、その後、北海道大学医学部、帝京大学医学部、関西医科大学などの研究者や医師らによる共同研究を通じて、肝臓病や糖尿病の改善、免疫賦活によるガンの予防などに効果のあることが明らかにされてきた。

 現在までに国際エイズ会議(1994年)、ヨーロッパ外科学会(97年)、日本がん予防研究会(97年)、日本癌学会総会(98年)、日本薬学会(99年)など数多くの学会で、AHCCの抗ガン作用に関する研究成果が報告されている。

 一般にキノコの抗ガン作用は主成分のβ-グルカンによるものとされているが、AHCCにはβ-グルカンに加え、アセチルかされたα-グルカンが含まれている。この成分はα-グルカンにアセチル基が付加したもので、デンプンなどのα-グルカンとは性質が異なり、特別な条件化で菌を培養することによって産生される物質である。β-グルカンに比べて低分子(分子量は約5000)であることが特徴で、これがAHCCの特異的な免疫賦活作用を担っているのではないかと考えられている。

 AHCCはまた、B型及びC型のウイルス性慢性肝炎、糖尿病、慢性関節リューマチ、自律神経失調症など、治療の難しい疾患に用いて有効性があったとする報告も多い。1994年には細川真澄男(北海道大学医学部)、山崎正利(帝京大学薬学部)、上山泰男(関西医科大学)らが中心となり、AHCC研究会が発足し、国内外の研究者を多数集めて世界的な規模での基礎・臨床研究が行われている。

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土曜日, 6月 30, 2007

ゴボウ(牛蒡)

○ゴボウ(牛蒡)

 ゴボウは西アジアを原産とするキク科の多年草で世界各地で自生しているが、食用にしているのは日本と韓国だけで、中国やヨーロッパではもっぱら薬用として用いられている。中国では種子を解熱・利尿に、ヨーロッパでは根を利尿剤として使う。

 わが国では四季折々に精進揚げ、きんぴら、柳川、煮しめなどと食卓を彩るゴボウであるが、味覚や香り、歯ごたえはかけがえのないものがあるとはいえ、ビタミンやミネラルなどに見るべきものはない。しかし多量に含まれるセルロース、ヘミセルロース、リグニンなどの食物繊維が腸の蠕動運動を促して便秘を解消し、また腸内の有用細菌の繁殖を助けるとともに、有害物質を吸着して排泄するなどの働きをもち、大腸ガンの予防にも役立つ。

 リグニンは胆汁酸を吸着して対外へ排出する働きがあり、血中コレステロールの増加を抑制する作用がある。ほかに腎機能を高めるイヌリンを含むので利尿効果があり、浮腫を治すとされてきた。

 ゴボウは菊に属するが、漢方薬の商陸(利尿薬)になる山ゴボウは別種のヤマゴボウ科の植物である。また、観光地の土産でヤマゴボウの漬物として売られているのはキク科のモリアザミの根が使われている。

ゴボウ(牛蒡)の商品一覧

月曜日, 6月 25, 2007

イノシトール

○イノシトール

 ヒトのほとんどの細胞内に存在して重要な役割を担うビタミン様作用物質(ビタミンB複合体)。脂肪肝を防ぐとともに胃腸の正常な運動を維持する作用がある。脂肪肝・肝硬変の治療薬に用いられるほか、栄養ドリンク剤や乳児の粉ミルクなどにも配合されている。体内で合成されるので、普通の食生活では欠乏症の心配はない。食品では米糠や小麦胚芽など穀類・野菜類に多く含まれている。イノシトールには6ヶ所のリン酸基結合部位があり、リン化合物に変化する。この内、フィチン酸と呼ばれるイノシトール六リン酸はガン細胞の発生と増殖をコントロールする働きがある。

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土曜日, 6月 23, 2007

胡瓜(キュウリ)

○胡瓜(キュウリ)

 ウリ科のつる性一年草で、果菜類では生産量が最も多い野菜である。サラダ、漬物、酢の物、すりおろして和え物にと、いずれも涼しげな感じが漂うが、キュウリはまさしく体の熱を取り、暑気あたりの食欲不振を癒す効果がある。また昔から浄血(多く含まれるカリウムによる効能)、酒の毒を消す、体内毒素を排泄するので細胞が活性化する、肌荒れやシワを防ぐ、おろし汁をつけるとあせもが治るなどの効果が経験的に知られてきた。利尿効果は生のものより煮たほうが強い。よく熟したキュウリの皮をむいたものを20倍の水で煮詰め、半量になったところでその煎じ汁を100mlくらいずつ空腹時に飲むとよいとされる。

 キュウリはその96%が水分であり、カロリー的にも栄養素の面でも見るべきものは少ないが、カリウムは100g中200mgと多い。カリウムは体内でナトリウムと拮抗して働いており、カリウムが多ければナトリウムは反比例して減少し、血圧の上昇を防いだり筋肉を活性化するので、心臓の筋肉を強くし、また腸管の運動を促進する働きがある。

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金曜日, 6月 22, 2007

カスピ海ヨーグルト

○カスピ海ヨーグルト

 カスピ海ヨーグルトは長寿国として有名なコースカス地方で日常的に食べられているヨーグルトで、家森幸男(京都大学名誉教授)が長寿との関わりを調べるために日本に持ち帰ったものが人づてに広まり、カスピ海ヨーグルト呼ばれるようになった。

 このヨーグルトの特徴は酸味が少なくとろりとした食感にある。これはカスピ海ヨーグルトに用いられている乳酸菌のクレモリス菌と酢酸菌の働きによるもので、クレモリス菌は乳糖から乳酸を作るほかに、粘りの元となる粘性多糖類も作り出す。一方、酢酸菌は過剰にできた乳酸を食べる性質があるため、ヨーグルト酸味が適度に抑えられる。クレモリス菌の粘性多糖類には腸内環境を改善する作用や血中コレステロールを低下させる作用のあることが明らかにされつつある。

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木曜日, 6月 21, 2007

ヨーグルト

○ヨーグルト

 牛乳や山羊乳を乳酸発酵して作られる発酵乳の代表的なもの。発症はトルコである。発酵に用いられる乳酸菌は、国際規格(コーデックス規格)でサーモフィルス菌、ブルガリア菌の混合と決められているが、わが国の乳等省令では特に菌種を定めていない。

 ヨーグルトの健康効果については20世紀初頭にロシア出身の病理学者でノーベル生理医学賞を受賞したメチニコフが、ヨーグルトに含まれる乳酸桿菌が腸内の腐敗菌を減らし、あらゆる病気の発生を防ぐと提唱したことから、多くの人々に知られることとなった。

 現在、一般的なヨーグルトの生理作用としては以下が挙げられる。①乳酸発酵により乳が消化吸収されやすい状態になっているため、牛乳を飲んで下痢を起こす人(乳糖不耐症)でも摂取しやすい。②乳酸は胃酸の分泌をコントロールし、胃の機能を正常に保つ。また腐敗の防止作用もある。③乳中のカルシウムやミネラルが、発酵による酵素活性により吸収されやすくなっている。④乳酸発酵中の酵素により乳タンパク質(カゼイン)からペプチドが生成され、アンジオテンシン変換酵素を阻害して血圧を下げる働きがある。⑤乳酸発酵微生物には抗腫瘍効果を持つものがある(腹水ガンを移植したネズミにヨーグルトを与えると28%ものガンの発育が抑制されたとする米ネブスカ大学のレディの実験がよく知られている)などである。

 前述のように、ヨーグルトにはブルガリア菌とサーモフィルス菌が用いられているが、これに加え、腸管に生きて到達し、腸内フローラ(細菌叢)の改善に働くアシドフィルス菌やビフィズス菌を添加したヨーグルトもある。

 市販されているヨーグルト製品には、甘味料や香料などを一切含まないプレーンヨーグルト、果汁や果肉を加えたフルーツヨーグルト、アイスクリーム状にしたフローズヨーグルト、発酵後に攪拌したドリンクヨーグルト(飲むヨーグルト)などがある。

ヨーグルト(カスピ海ヨーグルト)の商品一覧

水曜日, 6月 20, 2007

菜種油(ナタネ油)

○菜種油(ナタネ油)

 アブラナ科のアブラ菜の種子(ナタネ)から採取される食用油で、わが国では大豆油に次いで需要量・生産量が多い。原料のナタネはカナダで品種改良されたキャノーラ種が使われており、ほぼ全てが輸入されている。

 ナタネ油はクセのないあっさりとした風味で、加熱にも強い。サラダ油やてんぷら油に精製され、ドレッシングや炒め物、揚げ物など様々な料理に使われている。脂肪酸組成は単価不飽和脂肪酸のオレイン酸が半分以上(58.6%)を占め、植物性油脂の中ではオリーブオイルに次ぐ含有量である。オレイン酸は血中コレステロールを減らし、動脈硬化を予防する働きがある。このほか多価不飽和脂肪酸のリノレン酸やビタミンEも多く含んでいる。

菜種油(ナタネ油)

火曜日, 6月 19, 2007

胡麻油(ごま油)

○胡麻油(ごま油)

 白ゴマの種子から採られるゴマ油は、種子を炒ってから搾油するため独特の香味がつく。中国料理に使われることが多いが、わが国では天ぷら油としても用いられる。ゴマ油の特徴はその約80%が不飽和脂肪酸であること。中でもリノール酸(脂肪酸総量の44.8%)とオレイン酸(同39%)の含有量が多い。リノール酸やオレイン酸は高血圧や動脈硬化などの原因となるコレステロールを減らす働きがある。

 不飽和脂肪酸を多く含む油は空気中で酸化して過酸化脂質という有害物質に変化しやすいが、ゴマ油ではこのような変化が起きにくいということも知られている。これは、ゴマ油に含まれるリグナン類のセサミンやセサミノールなどが抗酸化物質とした働いているからだと考えられている。

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日曜日, 6月 17, 2007

ビタミンA

○ビタミンA

 物質名はレチノール。視力低下や夜盲症を予防することで知られるビタミン。網膜細胞や皮膚、粘膜上皮細胞の維持と再生に役立ち、消化器や呼吸器の感染に対する抵抗力を高め、皮膚や髪の健康を保ち、甲状腺の機能亢進を抑える、生殖機能を高めるなど、多く働きをするほか、細胞内での遺伝情報の伝達に関与して粘膜や上皮組織のガンを抑制することも指摘されている。

 欠乏症は身体の抵抗力を奪い、目や消化器、呼吸器に障害を起こし、発育不良、角膜乾燥症、結膜炎を招き、さらに感染症に罹りやすくなったり、味覚・嗅覚・聴覚の以上などをもたらす原因にもなる。

 ビタミンAには、動物性食品にのみ含まれるレチノールと、植物に多く含まれヒトの体内でレチノールに変わるカロチンがある。食事摂取基準05年版では、ビタミンAの推奨量は1日当たり男性は18~49歳で750ufRE(レチノール当量)、50~69歳で700ugRE、女性は18~69歳で600ugRE。上限量は男女とも3000ugREとしている。また保健機能食品制度では、ビタミンAを180~600ufRE含む食品にはビタミンAの機能を表示できる。

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土曜日, 6月 16, 2007

シャペウ・デ・コウロ

○シャペウ・デ・コウロ

 ブラジルなど中南米諸国の池や沼、川べりに自生するオモダカ科の水草。長い茎の先に直径50~70cmの楕円形の葉をつくる。ブラジルではこの葉を採取して陰干しにしたものを軽く火で炙ってから揉み砕き、煎じてお茶のように飲む習慣がある。現地では、それが血液を浄化する働きを持ち、女性の肌を滑らかにするばかりか、湿疹や吹き出物などの皮膚疾患、利尿、腎臓病、関節炎、痛風、皮膚病、リウマチ、潰瘍などに効果があるとして伝統的に愛飲されており、ブラジルの植物事典には薬草として記載されている。

 シャペウ・デ・コウロの葉の乾燥粉末からの熱水抽出物による基礎研究では、血中コレステロールと中性脂肪の上昇を抑制する作用が認められている。マウスに①通常食、②高コレステロール食、③高コレステロール食にシャペウ・デ・コウロのエキス10%添加食、それぞれ与え、総コレステロール値と中性脂肪の上昇を調べたところ、③の10%添加食のグループで3~5割抑制されることが実証された。同時にHDLコレステロール(善玉コレステロール)値は約2倍強も上昇した。また、活性酸素を消去する作用、脂質の過酸化を抑制する過酸化脂質抑制作用があることも確認され、多糖画分には抗アレルギー作用があることも報告されている。

 なお、シャペウ・デ・コウロと同じオモダカ科のサジオモダカは、わが国の北部や高地、中国東北部、東シベリアなどの沼沢地に自生する多年草で、漢方ではその球茎を沢瀉と呼び、利尿、腎炎などに用いている。中国ではその葉を沢瀉葉といい、慢性気管支炎などに民間薬的に使われている。

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木曜日, 6月 14, 2007

トレハロース

○トレハロース

 2個のグルコースがα-1、1結合した二糖類で、砂漠や寒冷地など極限的な環境に生息する生物に多く見出されている。これは、生物に不可欠な水分を保持する役割をトレハロースが担っているためと考えられている。食品ではキノコや酵母に多く存在し、乾燥シイタケには約20%含まれている。甘味度はショ糖の6割程度。

 トレハロースは耐熱、耐酸性に優れているため、タンパク質の変性防止、味質の保持などを目的に幅広く用いられている。従来は酵母からの抽出物がもっぱら利用されてきたが、近年、メーカーの林原がデンプンに酵素を反応させて安価に大量生産する技術を開発、市場が一気に広がった。トレハロースの生理機能としては、腸内善玉菌の増加作用、低カロリー・非う蝕性、抗酸化作用などが認められているほか、点眼によるドライアイの軽減、経口摂取による骨強化作用などがある。

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水曜日, 6月 13, 2007

食用油

○食用油

 わが国で食用油とされている植物油脂類は数多くあるが、その大半は大豆油とナタネ油である。また、アブラヤシの果肉から採られるパーム油も需要が多い。パーム油は業務用食用油としてポテトチップス、カップ麺などに使われている。大豆油、ナタネ油、パーム油は食用のベースといわれ、世界的に見ても生産量・消費量が多い。これらに対して、風味が独特で他のオイルでは代用できない食用油としてオリーブオイルやゴマ油などがある。食用油は天ぷら油、サラダ油などのように用途によっても分けられ、各種植物油脂を原料として加工されている。

 天ぷら油は天ぷらなどの揚げ物に使われる油で、大豆油、ゴマ油、ナタネ油が原料となっている。サラダ油はサラダドレッシングなど使われる精製食用油で、低温時でも透明性が高く、変敗が起きにくいよう調整した油である。ナタネ油や大豆油、綿実油、米油などが原料となる。

 食用油のほとんどは植物油脂をベースにしており、動物油脂とは異なり、リノール酸やオレイン酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸を多く含むことが特徴である。リノール酸は高コレステロール症による冠動脈不全や動脈硬化、脳出血などを予防するという研究報告が発表されて以来、リノール酸を多く含む植物油脂は体によいという点が強調されてきた。

 しかし、よいことばかりではなく、最近になってリノール酸の過剰摂取が様々な弊害を起こすということも指摘されるようになっている。また、マーガリンに含まれるトランス脂肪酸(リノール酸の水素添加で生じる)の多量摂取は血漿LDLコレステロール濃度を上昇させると考えられており、摂取量が多い欧米では問題視されている。

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火曜日, 6月 12, 2007

鮫(さめ)

○鮫(さめ)

 海産魚のサメ類の総称で、体調が10cmほどのコビトザメから、20mにもなるジンベイザメまで、世界各地の暖海域に約250種、日本近海だけでも約80種が分布している。関東では大きいものをフカ、山陰地方ではワニといい、神話に出てくる因幡の白兎に騙されたワニはサメのことである。

 食用とするのはアブラツノザメ(ツメザメ科、別名アイザメ)やヨシキリザメ(メジロザメ科)で、肉はハンペンなどの練り物の材料の他、酢の物などに使われる。また軟骨は薄切りにして鮫氷として食される。肉は切り身で市場に出ているが、軟骨は入手しにくい。

 栄養学的な特徴はビタミンAが豊富なことであるが(アブラツノザメ切り身生100g中、210ug)、ヨシキリザメはわずか9ugと差が大きい。中国料理で珍重されるフカヒレ(ヒレの部分)はタンパク質とカルシウムに富むので、食感の魅力だけにとどまらぬ健康食材ともいえよう。このほか、アブラツメザメの肝油に含まれる油脂成分のスクアレンは、女性化粧品の高級美顔料として使われているほか、深海鮫エキスとして健康食品にも加工され、細胞の新陳代謝を活発にするなどの健康効果が知られている。

深海鮫エキスの商品一覧

生肝油(深海鮫)の商品一覧

月曜日, 6月 11, 2007

サフラン

○サフラン

 サフランは南ヨーロッパを原産とするアヤメ科の多年草で、別名サフランクロッカスとも言う。真っ赤な花柱はパエリアやブイヤベースなど地中海料理の着色や風味づけに使われてる。花には3本の淡黄色の雄しべと、柱頭が三裂して花冠の外にまで垂れ下がる細長い紅色の雌しべがあり、この雌しべを乾燥させたものが婦人病薬(通経・鎮痛・鎮静)に用いられてきた。

 医薬品の記述としては、紀元前200年頃のローマのムーキアーヌスが、胃・肝臓・腎臓・膀胱・肺の病気、咳、結膜炎、酒の悪酔いなどに効くとし、ブリニイは博物学(紀元前100年頃)において、サフランが眠りを誘い、頭脳を明晰にし、媚薬としても用いられることを記している。中国では蔵紅花、蕃紅花の名で呼ばれ、本草綱目では呼吸障害・嘔吐・悪寒などにも有効であるとしている。わが国でも血の道症・月経不順・更年期障害などの民間薬としての使用歴は長く、日本薬局方にも収載されている。

 雌しべに含まれる色素成分クロシンの存在は早くから知られていたが、近年、この成分に中枢神経の活性化、記憶力増強を図る作用のあることが明らかにされ、一躍注目を集めるようになった。齊藤洋(東京大学薬学部)と正山征洋(九州大学薬学部)らの研究グループは、クロシンを与えたネズミはアルコールによる記憶障害が明らかに改善され、記憶を司る脳の海馬の電気信号の働きも、与えるクロシンの量が多いほど高くなることを報告している。これがその後の多様な研究の端緒となり、現在はクロシンにイチョウ葉エキスやビタミンEなどを配合した健脳食品も開発されている。

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土曜日, 6月 09, 2007

葛の葉

○葛の葉

 葛はマメ科のつる性の多年草で、山野に自生している。初秋に紫紅色の蝶型の花を咲かせ、秋の七草の一つとして古くから親しまれてきた。わが国に古くから分布する植物の一つで、日本書紀にも出てくる。主な産地は奈良、徳島、長野、群馬、鹿児島などの各県だが、中でも吉野地方(奈良県)に産する吉野葛は良質なものとされている。

 根は医薬品成分に指定されており、漢方薬の風邪薬である葛根湯の主剤である。食品としては葛デンプンとして利用されることが多いが、葉には良質の葉緑素が豊富に含まれており、葉緑素の補助食品として優れている。葉緑素(クロロフィル)は植物に存在する緑色の色素で、細胞内ではタンパク質の結合しており、水と二酸化炭素からデンプンを作り出す光合成を担っている。脊椎動物の赤血球に含まれる色素タンパク質のヘモグロビンと構造がよく似ており、俗に緑の血液とも呼ばれている。葉緑素は体内でヘモグロビンの生成を助け、造血作用を促す。また、健胃作用、殺菌作用も認められている。

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水曜日, 6月 06, 2007

β-グルカン

○β-グルカン

 グルコース(ブドウ糖)を構成糖とする単一多糖類を総称してグルカンという。植物や動物、キノコ類、酵母に多く存在している。グルカンの代表はデンプン、グリコーゲン、セルロースである。

 グルカンは多数のグルコースが結合(脱水縮合)したものだが、結合する炭素の位置や結合の仕方の違いによって性質の異なるものとなる。例えば、デンプンは食べると消化吸収されてエネルギー源になるが、セルロースは食べても消化給されない。これはグルコース同士の結合の違いからくるものである。グルコースの結合には、ヒドロキシ基(水酸基)が下にくるα型と、上にくるβ型とがある。また、結合している炭素の位置によって「1、4結合」や「1、6結合」などと示される。デンプンはα-1、4結合のαグルカン、セルロースはβ1、4結合のβ-グルカンである。

 β-グルカンはキノコ類に多く含まれ、抗腫瘍活性が認められることから、抗ガンキノコの主要成分として重要である。これまでに、シイタケ子実体から得られたレンチナン、カワラタケ培養菌糸体からのクレスチン、スエヒロタケ培養の培地生産物であるシゾフィランが抗ガン剤として医薬品になっている。レンチナンとシゾフィランは、β-1、3結合した主鎖とβ-1、6結合の側鎖からなるβ-グルカンである。クレスチンは、β-グルカンにタンパク質が結合した複合糖質である。

シイタケエキスの商品一覧

 抗腫瘍効果が高いといわれているアガリクス・ブラゼイ・ムリル(ヒメマツタケ)には、中性多糖、酸性複合多糖、タンパク多糖、核酸成分などが存在している。中性多糖はβ-1、6グルカンやキシログルカン、酸性複合多糖はガラクトグルカンのウルナイド、タンパク多糖はペプチドグルカン、核酸成分はリボヌクレオチドタンパクである。このように、1つのキノコの中にもこれだけ多くの多糖が含まれており、それらの作用もまた違ってくる。

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 伊藤均(三重大学医学部)の研究によると、マウスを使って抗腫瘍効果を検討した実験では、β-1、6グルカンが最も高い抑制率を示したという。また、宿前利郎(東京薬科大学)の報告では、サルノコシカケ科やシメジ科、ハラタケ科のキノコに多く含まれるβ-1、3グルカンには、経口投与によっても顕著な抗腫瘍活性が認められたとしている。

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火曜日, 6月 05, 2007

どくだみ茶

○どくだみ茶

 ドクダミ(蕺草)は東アジア一体に分布するドクダミ科の多年草で、別名を十薬(重薬)という。この生葉を細かく切って煎じるか、乾燥葉を煎じたものがどくだみ茶である。入浴剤として利用することもできる。ドクダミの名は、毒を矯める(止める)の意で、江戸時代中期からの名称。また十薬の名は、貝原益軒がこの草には10種類の薬効があると言ったことに由来する。

 中国では蕺菜・魚醒草といい、2000年も前から民間薬的に用いられてきた。日本でもかなり古くから利用されてきたが、近年、新薬の薬害などへの反省からこれらの薬草が見直されている。

 乾燥物そのものは解熱、消炎、整腸などに、煎剤は腫瘍、寄生虫、胎毒、蓄膿などの薬として使われる。茶剤としては浮腫、便秘、悪瘡、尿道炎、高血圧症、皮膚炎の改善などに広く用いられる。ドクダミ特有の臭気は精油成分のデカノイルアセトアルデヒドとラウリンアルデヒドで、カビの発育を阻止し、白癬菌すなわちたむし、インキン、水虫のカビなどに有効である。葉にはエルチトリン、花や実にはイソクエルチトリンを含み、これらには強心作用、利尿作用があるほか、毛細血管利強化作用があるので高血圧による脳出血の予防に効果がある。

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月曜日, 6月 04, 2007

オリーブオイル

○オリーブオイル

 植物油のほとんどは種子から得られるがオリーブオイルはオリーブの果肉を搾って作る果実油である。果肉を搾っただけで熱を加えていないものをバージンオリーブオイル、精製したオリーブオイルにバージンオイルをブレンドしたものをピュアオリーブオイルと呼ぶ。バージンオリーブオイルは香りが高く消化もよいので、主にサラダなどのドレッシングや料理の香り付けなどに使われている。ピュアオリーブオイルは炒め物など加熱料理に向く。オリーブオイルの主な産地はスペイン、イタリア、ギリシャなどで、栽培地域によって色、香り、味にそれぞれ特徴がある。また近年、アルゼンチンやチリ、オーストラリアなど南半球の国々がバージンオリーブオイルの生産と輸出に注力している。

 オリーブオイルの栄養成分を見ると、脂肪酸の組成は不飽和脂肪酸が豊富で、特にオレイン酸の含有量は植物油の中でもトップクラスの75%を占めている。このほか必須脂肪酸のリノール酸が10.4%、リノレン酸が0.8%含まれている。オレイン酸には血中のコレステロールを減らす作用がある。食用油としてオリーブオイルを使う地中海沿岸地方は、他のヨーロッパ諸国に比べて心臓疾患が少ないことで知られているが、これはオリーブオイルのオレイン酸が関係していると考えられている。また、便秘の解消にオリーブオイルをスプーン1杯程度飲むと効果があるといわれているが、オレイン酸は腸の蠕動を高める働きもあるる。このほか、オリーブオイルには他の植物油には少ないビタミンA(100g中180ug)やビタミンE、Kも含まれている。

 最近の件杞憂では、オリーブオイルには抗炎症薬イブプロフェンと同じ鎮痛作用を持つ物質が含まれていることが報告されている。米ペンシルベニア大学などの研究チームによると、イブプロフェンに比べるとその作用はかなり弱いが、同薬の少量投与が血栓をできにくくするように、日常使う食用油をオリーブにすることで心臓疾患や脳卒中のリスクを低減させる可能性があるという。

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金曜日, 6月 01, 2007

Ⅱ型コラーゲン

○Ⅱ型コラーゲン

 絶えず新陳代謝を繰り返している体内ではコラーゲンの産生が不可欠だが、細胞内で合成されたコラーゲンは細胞外へ分泌されて必要な場所に定着し、繊維同士が立て横に繋がり合って立体構造を構築し、細胞の増殖を促進し、細胞の機能の活性化を促すという働きもする。

 こうした性質に着目して従来は化粧品の保湿剤として主に用いられていたコラーゲンであるが、これを経口投与するマウスの実験(日本大学薬学部による)で新陳代謝の活性化が認められたことから、近年、飲むコラーゲンの研究開発が大きく進展することとなった。多様な効果が期待されるコラーゲン飲料は、現在その多くが豚皮、軟骨などを原料として、腸管で消化吸収されやすいように酵素発酵によって低分子化が図られている。用いる酵素の種類や分解法によってさまざまな特性をもち多種類の製品が供給され、健康食品のみならず一般食品への活用も進んでいる。

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木曜日, 5月 31, 2007

酵母エキス

○酵母エキス

 酵母によるアルコール発酵が終了した後に残る余剰酵母や、酵母の自己消化液を濃縮して乾燥粉末したもの。各種ビタミン、ミネラル、アミノ酸、核酸、食物繊維を多く含んでいるため、医薬品や健康食品の素材として利用される。代表的なものに、ビールの発酵後に得られる乾燥ビール酵母がある。また、食材としては清酒の発酵後にもろみから得られる酒粕にも酵母が多く含まれている。

(財)日本健康栄養食品協会が1986年に公示した「酵母食品規格基準」では、酵母食品を「食用酵母(ビール酵母、パン酵母)、乳酵母の菌体を乾燥酵母換算で50%以上含む食品」、酵母加工食品、酵母エキス加工食品を「食用酵母(ビール酵母、パン酵母、乳酵母)の菌体、またはそのエキス(原料酵母から分離・抽出によって得られるアミノ酸、ペプタイド、タンパク質、ビタミンB群を主とする可溶性成分)を主原料とし、乾燥酵母換算で30%以上を含む食品」と定義している。

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水曜日, 5月 30, 2007

しその葉茶

○しその葉茶

 紫蘇はシソ科の一年草で、葉が紫色で爽やかな香気が人を蘇らせることから、紫蘇と名付けられた。赤ジソ、青ジソ、穂シソがあるが、漢方生薬の紫蘇葉には赤ジソ(チリメンジソ)の葉を乾燥したものが用いられる。

 シソ特有の香気を生むペリルアルデヒドという精油成分には発汗作用、胃液の分泌促進、利尿作用があるが、発汗効果を高めるときは単独では弱いので、生姜などを配合した発汗効果を高めることも行なわれる。シソの葉や花穂を煎じて飲むと、下痢、初期の風邪によいとして古くから家庭でも親しまれてきた。お茶にするには生気盛んな9月頃に葉を摘み取って陰干しし、湿気をさせて保存しておき必要に応じて茶碗に取り分けて熱湯を注げばよい。

 シソの葉エキスの抗アレルギー効果について調べた山崎正利(帝京大学薬学部)の研究によると、アトピー性皮膚炎に用いるステロイド剤と同等の抑制作用が認められたことを明らかにしており、臨床でも高い改善率を見たという報告がある。

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火曜日, 5月 29, 2007

おおばこ茶

○おおばこ茶

 オオバコ(大葉子)はオオバコ科の多年草で、日当たりの良い路傍や土手、庭園などに生え、葉が大きく広いことからこの名がついた。荷車を引く牛馬の足跡や轍によく生えたところから車前草ともいう。また、葉の形がカエルに似ていることから、”かえるっぱ”ともいう。古くから民間薬として使われ、乾燥させた全草を煎じて発熱や消化不良、咳の治療に用いられてきた。

 主な成分は、葉にアウクビンという配糖体やビタミンA・C・K、有機酸、スルフォラフェンなどが含まれ、種子にはプランテノール酸、コハク酸、アデニン、コリンなどの微量成分を含んでいる。そのほかプラレタギンという配糖体を含み、胃の消化液の分泌をよくし、咳止めの効果があるとされている。

 オオバコの効用は胃腸病、肋膜炎、婦人病、頭痛、蓄膿症、むくみ、咳、発熱、便秘(種子を煎じて服用する)、心臓病、動脈硬化(生葉の青汁を盃に1杯くらい飲む)などとされる。

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月曜日, 5月 28, 2007

機能性オリゴ糖(5)

◆ラクチュロース

 ミルクオリゴ糖ともいう。フルクトースとガラクトースがβ-1、4結合したオリゴ糖。ラクトースにアルカリを作用させ、グルコースをフルクトースに置換して作られる。甘味度はショ糖の約60%。難消化性のため大腸内でビフィズス菌をよく増殖させ、腸内を酸性に保って有害菌の繁殖を抑える働きがある。人工栄養児の腸内細菌叢に有益であるほか、便秘や下痢の改善にも有効との報告がある。

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◆アガロオリゴ糖

 寒天に含まれる多糖アガロースを分解して得られるアガロビオース(二糖類)を主成分としたオリゴ糖。1998年にタカラバイオが開発した。同社の研究によると、①ガン細胞のアポトーシスを誘導する、②発ガンに関与するプロスタグランジンE2を抑制する、③活性酸素の賛成を低減する、などの機能性がある。

キシロオリゴ糖

 キシロースが2~3個重合した難消化性オリゴ糖。トウモロコシの芯などに含まれる多糖キシランを酵素分解して得られる。甘さは砂糖の1/3。難消化性のため生体酵素ではほとんど分解されずに大腸へ達し、腸内細菌によって発酵をうけ、1g当たり2kcalのエネルギーとなる。ビフィズス菌増殖による整腸作用のほか、血清コレステロールの低下作用、ミネラルの吸収促進効果などがある。トクホのおなかの調子を整える食品の関与成分の一つ。

◆キトオリゴ糖

 キチンオリゴ糖ともいう。カニやエビの甲羅に含まれる多糖類のキチンやキトサンを酵素分解しておられるオリゴ糖。抗腫瘍活性や免疫賦活作用が見出されている。

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