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木曜日, 11月 29, 2012

五穀虫

○五穀虫(ごこくちゅう)

 クロバエ科のオビキンバエ(Chrysomyia megacephala)などの幼虫を乾燥したものを用いる。オビキンバエは中国をはじめ東洋では普通にみられるハエで、腐肉や人糞、獣糞に集まって産卵する。本草綱目では蛆とある。かつて日本ではハナアブの幼虫である尾長蛆を五穀虫と称していた。

 オビキンバエの成虫の体長は1cmくらいであるが、幼虫は1.5cmくらいでサバサシといって釣りの餌に用いられる。かつてアメリカで南北戦争のときに膿の除去にクロバエの蛆を用いた治療を行ったといわれるが、最近でも、欧米を中心に難治性潰瘍に蛆(マゴット)を用いた腐肉の除去、デブリードメントが再び注目されている。日本でも岡山大学などで、クロバエ科のヒロズキンバエ(Phaenicia sericata)を用いた糖尿病性潰瘍によるマゴット療法が行われている。

 幼虫の成分にはタンパク分解酵素のエレプシンやトリプシンが含まれている。幼虫を水中で洗って内容物を排出したあと日干しし、弱火で黄色くなるまで炒めたものを生薬とする。漢方では清熱・消疳の効能があり、小児の疳積の治療や解熱・解毒薬として用いる。