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月曜日, 12月 19, 2011

色々な魚介類(2)

※てんぐさ(天草)

 テングサは紅藻類のテングサ科の総称で、マクサ、オニクサ、オオブサ、キヌクサ、ヒラクサなど多くの種類があるが、一般にはマクサのことをいう。インド洋や大西洋など広く世界に分布している。わが国では黒潮が流れる海域に育ち、春から秋に掛けて採取し、若いものはそのままサラダにして食べられるが、大半は寒天やところてんの原料になる。心太は、テングサの粘質物を煮溶かして冷却して固めたもので、1000年前には既につくられていたとされる。夏の味覚として親しまれ、細く天突きしたものを醤油、酢、辛子などで食べる。

※かます(魳)

 カマス科の海産魚で全長50~60cmにもなるが、市場に出ているのは20cmくらいのものが多い。アオカマスとアカカマスがあり、いずれも本州の中部以南に分布する。アオカマスは水っぽいので”水カマス”ともいわれ、干物として多く出回っている。アカカマスは塩焼きに適しており、秋から冬にかけてが旬である。アカカマスといっても皮が赤いわけではなく、多少赤みを帯びた白身魚である。味は淡白ではあるが美味で、乳幼児や病人、高齢者などに喜ばれる食材である。白身魚にしてはカルシウムが多い。骨は硬いが取りやすいので、身をほぐして病人食や離乳食などにも適している。

※たちうお(太刀魚)

 タチウオ科の海産魚で、銀白色で刀の太刀のように見えるのでこの名がある。また”立ち魚”に通じ、早朝や夕方、海上に浮いて頭を上にして立ち泳ぎすることでも知られている。全長約1.5m、体は平たくて細長く、背びれが尾部まで続き、鱗がない。本州中部以南の暖海に分布し、夏に浅海で産卵する。体表の銀粉は模造真珠の材料に利用されている。

 タチウオは白身でほどよい脂があり、関西地方で好まれるが、近年は関東でも切り身で出回っている。脂質が多い(生100g中20.9g)割りにさっぱりしているので、子供から高齢者まで調理の仕方で摂りやすい食材といえよう。シーズンは夏から秋であるが、塩焼き、味噌漬け、立田揚げのほか、ムニエルにしてレモンを添えると洋風の一品になる。ビタミンB1・B2・D、亜鉛や銅などのミネラルもほどよく含むので活力を補うのに役立ち、口内炎・味覚障害・前立腺肥大・骨粗しょう症にも効果がある。