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日曜日, 9月 25, 2011

植物ガム

 植物ガムは、植物の種子や樹皮に含まれる細胞膜の粘脂物で種子ガムと樹液ガムがある。種子ガムはグァーガム、マメ科イナゴマメの種子から得られるローカストビーンガム、マタタビ科タラの種子から得られるタラガムなどがある。樹液ガムにはアラビアガム、アオギリ科カラヤの幹から得られるカラヤガム、マメ科トラガントの幹から得られるトランガントガムなどがある。

○グアガム

 インドやパキスタンに生育するマメ科植物グァーの種子から採られる植物ガムで、ガラクトースとマンノースからなる高分子多糖類である。グアガムは水溶性の食物繊維として、便通や便性の改善などの整腸作用のほか、血糖値上昇抑制作用、コレステロールの低減作用などが古くから知られている。ただ粘度が高く、一般の食品に配合すると味や物性の面で問題があるため、微生物の酵素で加水分解して低分子化し、粘度を下げて利用されている。トクホの「おなかの調子を整える食品」の関与成分の一つである。

○アラビアガム

 アフリカのスーダンやナイジェリアに生育するマメ科の潅木アカシア・セネガルの樹液から得られる植物ガムで、ガラクトース、アラビノース、ラムノース、グルクロン酸などを主成分とする粘質多糖類である。グアガムに比べると粘度が非常に低いため、アイスクリームの安定剤など食品加工業界で幅広く使われている。アラビアガムは難消化性なので食物繊維としての機能性もあるが、生理作用の研究は少なく、便量の増加による整腸作用や腸内環境の改善などが報告されている程度である。

○サイリウム

 インド産のオオバコ科の植物ブロンドサイリウムの種皮から得られる植物ガムで、正式にはサイリウムガムという。キシロース、アラビノース、ラムノース、ガラクツロン酸からなる粘性多糖を主成分に、ペクチンやヘミセルロースなどが含まれている。食物繊維としての機能は整腸作用や血糖値の安定、コレステロール低下作用、ダイエット効果などが報告されている。

○微生物ガム

 糖を基質として微生物が発酵生産するガム類を総称して微生物ガムという。多くは食品添加物として使われているが食物繊維としての機能もある。デキストランはショ糖に乳酸菌を作用させて作られる増粘性の多糖で、医薬品に利用されている。カードランはエチレングリコールにグラム陰性細菌を作用して生産されるゲル化性の多糖で、食物繊維を約90%含む。キサンタンガムはグルコース基質としてグラム陰性細菌によって生産される増粘性の多糖で、食物繊維としてコレステロール低下作用が報告されている。プルランはデンプンを基質にして黒酵母によって生産される低粘度の多糖で、食物繊維を約80%含んでいる。