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土曜日, 11月 10, 2012

香附子

○香附子(こうぶし)

 全世界の温帯に分布し、日本でも関東以西に自生するカヤツリグサ科の多年草ハマスゲ(Cyperus rotundus)の根茎を用いる。おもに砂浜や川原の砂地に生えるが、畑や公園の雑草として嫌われている。

 中国の植物名は莎草といい、生薬では地上部の全草を莎草という。ときに香附子の別名として莎草ということもある。ハマスゲの塊茎には芳香があり、附子を小さくしたような形のため香附子という。ひげ根を火で焼き取ったものは光附子という。

 根茎には精油成分としてシペロール、シペロン、シペレン、コブソンなどが含まれ、香附子エキスには鎮痛作用や子宮弛緩作用、抗菌作用が知られている。漢方では理気・疏肝・調経・止痛の効能があり、胃の痞塞感や脇腹部の張満感、腹痛、頭痛、月経痛、月経不順に用いる。

 香附子は「気病の総司・女科の主帥」ともいわれ、気を調えて欝を除き、気が行れば血は流れ、肝欝を解して三焦の気滞を除くとされている。とくに肝欝による脇痛、気滞による上腹部痛、生理痛などに用いる。