○ブナハリタケ
エゾハリタケ科のキノコ。ブナの倒木や立ち枯れに群生する扇状の食用キノコで、東北地方ではカノカとも呼ばれ、甘い芳香と歯ざわりのよさで昔から珍重されてきたが、最近では深山幻のキノコと呼ばれるほど採れなくなっている。
そのブナハリタケの人工栽培が1998年にキリンによって成功し、健康機能性の面でも注目のキノコとなった。現在、ブナハリタケの機能性として分かっているのは、①血圧降下作用、②血糖値効果作用、③脳機能改善、④発ガンプロセス抑制作用である。
キリンが行った血圧降下作用のヒト試験では、血圧が正常高値血圧、および低中リスクの軽症抗血圧の60人(30~59歳)を対象にもプラセボ摂取群とブナハリタケエキス摂取群の2グループに分けた。エキス摂取群の1日あたりのブナハリタケエキス摂取量は564mgで摂取期間は8週間。その結果、2週目頃からエキス摂取群に血圧の低下がみられ、8週間後には軽症高血圧(140~159mg)の人で平均10mmHg下がり、プラセボ群と比較して有意な差が認められた。この血圧降下作用はブナハリタケエキスに含まれているイソロイシンチロシンによるものだということが分かっている。イソロイシンチロシンはアミノ酸のイソロイシンとチロシンが結合したジペプチドで、血圧を上昇させるアンジオテンシンⅡを生成する酵素の働きを阻害する作用がある。イソロイシンチロシンを配合した飲料「ビー・フラット」(キリンビバレッジ)は血圧が高めの人の食品としてトクホ表示の許可を得ている。
ブナハリタケは糖尿病にも有効だとされる。空腹時の血糖値が105~140mg/dlの10人に、ブナハリタケ乾燥粉末を毎日1g食べてもらったヒト試験では、4週間後には10名全ての空腹時血糖値が摂取前に比べて低下したという結果が得られている。さらに、マウスを使ったⅡ型糖尿病モデルの動物実験で、ブナハリタケの摂取によってインスリン抵抗性が改善され、糖尿病の進行を抑えることが確認された。このほか、最近の研究では脳機能を改善する作用があることも分かってきている。
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