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火曜日, 3月 04, 2008

アンティチョーク

〇アンティチョーク

 アンティチョークは地中海沿岸のエジプトから南ヨーロッパ地方に分布するキク科の多年草で、学名はCynara scolymus。アザミの仲間で和名はチョウセンアザミ。成長すると2mほどになり大型の紫色の花をつける。花の付け根の膨らんだ花托は独特の風味と食感があり、フランスやイタリアでは古くから高級野菜として珍重されている。

 アザミの仲間のハーブは肝臓疾患の症状を和らげる効果のあることが知られており、ヨーロッパの薬草組織療法では、アンティチョークには肝臓の解毒作用を助ける効果があるほか、肝臓組織の再生にも有効であるとされたきた。20世紀に入ると、多くの生物学者らによってアンティチョークの薬理研究が行われ、今日では苦味成分を中心とした多種の有効成分が見いだされている。それによると、アンティチョークの効果を決定つける成分として、苦味成分のシナリンやフラボノイド、セスキルペンラクトン系のシナロピクリンのほか、イヌリン、キナ酸カフェオイルが単離されている。

 アンティチョークの葉の苦味値は15000単位と報告され、苦味成分の含有量が最も高い数値を示すのは開花直前と果実の成熟時とされている。その成分中の苦味成分シナリンには、胆汁の分泌を促進し、血液中の脂肪代謝を活性化することによって血液中のコレステロール値を正常に戻す効果があるとされている。また軽い利尿作用があるほか、胃のもたれや膨満感を解消し、上腹部の痙攣症状の緩和にも効果のあることが臨床試験において確認されている。今日、ドイツの薬品業界ではこのシナリンがアンティチョーク調剤の品質基準を測る指標とみなされている。アンティチョーク調剤には主として糖衣錠や圧搾エキスがある。