〇チア・シード
チアシードはメキシコ原産のシソ科の植物「チア」の種子で、大きさは1mmほど。黒褐色をした種である。中南米にあってはアステカ族、マヤ族などがとうもろこし、豆類に次ぐ主要植物として位置づけ摂取していたが、スペインの征服により、この食文化はいったん途絶えた。近年になってこの食品が注目を浴びることになった原因は、オメガ3系の脂肪酸であるα-リノレン酸科の含有量の多さと優れた栄養成分が高いエネルギーと持久力の源になることと、ダイエット効果とデトックス効果を有ていることだ。FDA(米国食品医薬品局)は、このチアシードを同局が確立した「健康に良い食材」としての栄養成分規制をクリアする「食餌療法サプリメント」として認可している。
栄養成分の面で特筆されるのは脂質(含有量33%)、たんぱく質(同20%)、およびビタミンB群の多さで、なかでもビタミンB群のナイアシン含有量はコーン、大豆を上回る。またミネラルについても、カルシウムが小麦、オートミル、コーンに比べて70~100倍、カリウムは7~16倍含まれている。
オメガ3系の脂肪酸は人体では作ることのできない脂肪酸=必須脂肪酸の一つで、生命の維持や健康増進によ重要な役割を果たすものであるが、チアシードには30%もの油分が含まれているうえ、その60%以上がα-リノレン酸である。
チアシードのもう一つの特徴であるデトックスしながらダイエット効果が期待できるのは、シードの40%を占める食物繊維の9割が不溶性のため、腸の蠕動運動を正常に保つうえ、皮膚を覆う繊維に高い吸水性があり、水を含むと約10倍に膨張し、摂取すると満腹感をもたらすからである。さらにα-リノレン酸と食物繊維の相乗効果として、食後の血糖値上昇抑制作用も臨床試験で確認されている。