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土曜日, 10月 06, 2007

ふき(蕗)

○ふき(蕗)

 日本原産のキク科の多年草。ほろ苦い味わいと特有の香り、春らしい薄緑の色彩で季節感を運んでくれるフキは、ゴボウとともにわが国特産の野菜である。もともとは山野に自生する山菜として賞味されてきたが、現在では愛知ブキ、水フキ、赤ブキなどの栽培種があり、大きなものは葉柄の大きさが1.5mにも達する。

 花が過ぎると根茎から葉柄が伸びて先端に丸形もしくは腎臓形の葉がつくが、葉柄は煮物、和え物、汁の具や砂糖漬けの菓子などに、葉は佃煮などに利用される。地下を這う根茎から春先に包葉をまとった丸い親指大の花穂を出したのがフキノトウ(蕗の薹)で、味噌汁の具や天ぷら、佃煮、漬物などにして風味を楽しむ。

 栄養的には、葉柄の部分では100g中食物繊維が1.3g、カルシウム40mg、カリウム390mg、ビタミンCは14mgと多い。しかし栄養価ももちろんだが、香りと風味と歯ざわりが与える心理的喜びも手伝って消化器を活発にし、体の活性化をもたらしてくれる。食効としては喘息体質改善、鎮咳・去痰、便通を促し食中毒を防ぐなどが挙げられる。