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火曜日, 10月 08, 2013

続隋子

○続隋子(ぞくずいし)

 ヨーロッパ南部原産のトウダイグサ科の一年草、ホルトソウ(Euphorbia lathyris)の成熟種子を用いる。別名を千金子ともいい、種子の殻を除き、砕いて油がなくなるまで圧搾したものを千金霜という。

 日本には16世紀(天文年間)に渡来し、薬用および観賞用に栽培されている。ホルトソウという名はポルトガルの油(オリーブ油)に由来するといわれ、かつては種子の油を工業用にも用いていた。属名のユールフォルビア(トウダイグサ属)はローマ時代かの医師エウフォルブスにちなみ、古くから薬用にされていたことを示している。

 茎を切って出る乳液にはユホール、チルカロール、ユホルボールなどのテルペン類が含まれ、石油関連の植物として注目されている。種子には脂肪油の成分としてオイフォルビアステロイドが含まれ、これにはヒマシ油の3倍の強さに匹敵する瀉下作用がある。漢方では瀉下・逐水・破瘀の効能があり、大戟や甘遂と同じ逐水薬として肝硬変による腹水や浮腫、食中毒などに用いる。

 瘟疫による嘔吐や下痢、痙攣、悪瘡などに用いる紫金錠には山慈姑・麝香などと配合する。また駆瘀血薬として無月経やヘビ咬傷などにも用いる。ただし毒性があり、服用し過ぎれば嘔吐、ふらつき、煩躁、発汗などの中毒症状が出現する。