○烏蛇(うだ)
ヘビの一種ウショウダ(Zaocys dhumnades)の内臓を除去した全体を用いる。烏梢蛇の脱皮した皮は蛇退皮という。ウショウダは全長2m以上で、体は青味を帯びた灰褐色、背中央に黄褐色の二列の縞と、その外側に細い黒の縦線の模様がある。
中国各地に分布するが、主に揚子江以南の平地や丘陵地帯の草むらに生息し、カエルやトカゲ、魚などを捕食する。無毒であり、捕獲した後、腹部を裂いて内蔵を去り、円盤状に丸めて柴草で薫じて乾燥する。煎じたり、酒に浸して服用するほか、あぶって乾かしてから粉末にし、散剤や丸剤として用いる。
漢方では去風湿・通経絡の効能があり、リウマチなどによる関節の痛みや手足のしびれ、麻痺、皮膚疾患などに用いる。脳卒中後遺症やリウマチなどによる関節痛に用いる大活絡丹や風湿舒筋丸に配合されている。