○大青葉(たいせいよう)
クマツヅラ科のマキバクサギ(Clerodendron cyrtophyllum)、タデ科のアイ(Polygonum tinctorium)、アブラナ科のホソバタイセイ(Isatis tinctoria)やタイセイ(I.indigotica)、キツネノマゴ科のリュウキュウアイ(Strobilanthes cusia)などの葉や枝葉を用いる。
日本ではアイの全草を藍草という。マキバクサギの根は大青根、ホソバタイセイやタイセイ、リュウキュウアイなどの根は板藍根、アイの果実は藍実という。これらから精製された藍色の色素は青黛という。いずれも藍染の原料として知られているが、化学染料の出現とともに栽培がすたれてきている。
成分には配糖体のインジカンがほぼ共通して含まれ、抗菌・抗ウイルス作用が認められている。漢方では清熱涼血・解毒の効能があり、高熱や発疹などを伴う感染症、例えば麻疹、流感、肝炎、脳炎、急性腸炎、肺炎、丹毒などの疾患に用いる。
感冒で高熱、頭痛、咽頭痛などのみられるときには羗活・柴胡などと配合する(清瘟解毒丸)。上気道炎や扁桃炎などには板藍根・草河車などと配合する(感冒退熱冲剤)。日本の民間では藍草を発熱、外傷、月経不順、痔などに用いる。