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月曜日, 8月 26, 2013

川穀

○川穀(せんこく)

 熱帯アジアが原産で日本各地に自生するイネ科の多年草ジュズダマ(Coix lacryma-jobi)の果実を川穀という。根は川穀根という。中薬大辞典では薏苡仁の基原植物としてジュズダマの種子をあげ、とくにハトムギ(C.lachryma-jobi var.yuen)と区別していない。一説に「中国名の川殻はハトムギのことで、薏苡はジュズダマである」という見解もある。

 ハトムギはジュズダマの栽培変種とされ、両者は極めてよく似ている。ジュズダマの表面は硬いホウロウ質で灰黒色をしていて、指で押しても砕けないが、ハトムギは茶褐色で縦じまがあり、指で強く押すと砕ける。ちなみにジュズダマは数珠を作る玉、ハトムギは鳩の食べる麦という意味である。

 川殻の成分も薏苡仁とほぼ同じであり、一般に薏苡仁の代用とされるが、日本ではほとんど用いられない。根にはコイクソール、スチグマステロール、β・γシトストロールな度が含まれる。漢方では川殻根に清熱・利湿・健脾・殺虫の効能があり、黄疸や排尿困難、関節炎や下痢、回虫症などに用いる。民間療法では根を鎮咳剤として、あるいは神経痛、リウマチ、肩こりなどに用いる。