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木曜日, 1月 19, 2006

アラビノキシランについて

○アラビノキシラン

 いわゆる健康食品、機能性食品の中には、医薬品に肉薄する内容を持つものも多いが、このアラビノキシランも良く管理された操作を経て米糠から分離抽出されたヘミセルロースを、さらに酵素反応によって変性させて得られた機能性多糖の一種である。

 食物繊維は難消化性でカロリー源にはならないが、生理活性物質として嘱望される成分で、種類も多岐にわたるが、いずれも腸管におけるコレステロールの再吸収を阻害することにより血中総コレステロールの低下、また、胆汁液の排泄促進作用により悪玉コレステロール(LDL)の低下に寄与することが認められているとともに、食事による血糖値の急激な上昇を抑えて糖尿病の治療を容易にしたり、食餌性の有害物質を吸着除去して発ガンなどの疾病を予防するなどの効果が広く認識されるようになってきている。そしてそのような直接的な効果に止まらず、体内に取り込まれたある種の食物繊維が免疫増強作用(BRM)を発揮することも明らかで、一例としてマンネンタケやシイタケなどのキノコやビール酵母の細胞壁成分(β-1-3グルカンなど)の働きは良く知られている。

 アラビノキシランはアメリカの免疫学者マンドー・ゴーナムらの協力を得て、消化管から吸収されやすい比較的低分子の食物繊維である米糠のヘミセルロースB(米糠1kgに3~5g含有)を素材に、シイタケ菌の培養濾液中に含まれる酵素複合体を反応させるという修飾方法がとられ、これによって本来のヘミセルロースの複雑な基本構造を損なうことなく反応性を高め、免疫賦活性を与えることに成功したものである。

 この生理活性物質の抽出技術の確立は、1995年3月のことで、以後本格的な基礎試験が開始され、多くの動物実験や実際にガン患者への経口投与することなどを通じて、顕著なNK細胞活性の向上が認められ、さらに免疫作用をつかさどるリンパ球のT細胞やB細胞の活性も高まるため、細胞性免疫機構が活性されて間接的に抗原の活動を抑制すると同時に、アラビノキシラン自体がガン細胞の増殖を直接的な抑制することもわかってきている。しかも、水溶性で摂取しやすく、副作用がないという特長を備えていることも見逃せない。