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日曜日, 2月 12, 2006

紅茶について

○紅茶

 紅茶の始まりはイギリスと思っている人が多い。しかし、この紅茶も中国から始まった。イギリスに紅茶が渡ったのは清時代(1644~1911年)初めの1650年代のことだが、たちまち紅茶は人気を博して需要が急伸、イギリスは紅茶の税金で海軍力を増強、7つの海を股にかける大英帝国の大海軍を作り上げていった。

 当時、イギリスは広東や福建省の廈門を中継港にして中国の物産を扱っていた。その中で、お茶は特に貴重品で、毎年、紅茶を運ぶティークリッパー(帆船)が一番茶を輸送するスピードを競っていたほどである。そのために、帆船のスピードアップが図られ、蒸気船が出現するまで、ティークリッパーの競争は華々しく続けられた。それほど、イギリスを始め欧州では紅茶の人気も高まり、需要も多かったのである。しかし、その利権をイギリスが一手に握っていたため、他の国では値段が高くなり、貴族などの上流階級にしか普及しなかったようだ。

 その紅茶を、全て中国から輸入していたイギリスは、その決済に困り、中国へアヘンを密輸するようになった。そしてアヘン戦争へとつながっていったのである。その結果、イギリスは中国から茶を輸入できなくなったため、セイロン(現在のスリランカ)で茶の栽培を大々的に行い、世界の紅茶需要に応えるようにした。これがイギリス紅茶、セイロン紅茶の始まりである。

 セイロン紅茶はアッサム種という大葉種から作られ、アッサム紅茶と呼ばれる。一方、小葉種を原料として作られるのが中国の祁門紅茶と北インド地方で作られるダージリン紅茶である。世界の紅茶市場では、これらを合わせて三大銘茶と呼んでいる。

 中国の紅茶生産はイギリスの世界進出の中で衰退していったが、それでも各種の紅茶作りの伝統は引き継がれ、今も盛んに作られている。主な分類では工夫紅茶、紅砕茶(分級紅茶)、小種紅茶の3種である。

 紅茶は他の茶類と同じくカテキン類を多く含むが、発酵の過程で酵素によって酸化され、紅茶独特の橙赤色を生み出すテアフラビンに変化する。この成分は緑茶のカテキン類と同じく強い抗酸化作用のあることが知られている。テアフラビンはアッサム紅茶に多いが、小葉主の紅茶ではテアフラビンがさらに重合してできる高分子のテアルビジンが含まれる。これは褐色の色素性分である。

 茶のカテキン類が悪性腫瘍組織の増殖を抑制する効果があることは、すでに多くの研究で明らかにされているが、緑茶にしても紅茶にしても少量ずつ毎日摂取することが健康につながるといわれている。紅茶はこのほか、カフェインも多く含まれており、利尿や眠気ざましに役立つほか、心身の疲労回復の一助ともなり、その香りとともに欧米風食生活に欠かせない役割を果たしているといえよう。

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