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土曜日, 2月 11, 2006

ジャスミン茶について

○ジャスミン茶

 加湿した中国緑茶やウーロン茶に様々な花を加えて香りづけをし、そのあとに花を除いて乾燥させたお茶を花茶と呼ぶが、ジャスミン茶(中国名・茉莉花茶)はその一つで、花茶の中では最もよく知られている。

 中国のジャスミン茶の産地は、福建の他に、蘇州、江西、金華、雲南、安徽などと多くを数え、産地によって使われる茶の発酵度が異なるが、緑茶とウーロン茶の中間に当たる1/3発酵程度の場合が多いようである。ベースとなる茶には最上級のものが用いられ、その加工工程で花の香りを茶に吸着させるが、この加工のポイントは茶の吸香性と、花の吐香性のバランスを微妙にコントロールするところにある。ジャスミン茶に使われるジャスミンはモクレン科の花であるが、非常に種類が多い。日本で栽培されるマツリカやソケイもその一種だが、中国でジャスミン茶に用いられるのは別種の半蔓性で白い八重咲きの種類である。

 ジャスミン茶は茶の中に花を混ぜ込むのではなく、その芳香だけを移す。そのため、もっとも香気の強い半開の花蕾を軽く干したものを用いる。精選した茶を15cmほど敷きつけた上にこの華を透き間なく撒き、その上に茶、さらに花と、三重、四重に積み重ねる。一夜置いて花と茶をふるい分け、新しい花に替えてまた積み重ねるという作業を繰り返していく。この香つけの回数が多いほど芳しくなるわけだが、工程の途中で花から出た水分を除くために温度を加えたり、逆に放熱のために広げたりと非常な手間をかけるのである。福建省の茉莉大白毫という最上級品では、それを7回も繰り返すといわれている。

 愛媛大学医学部の奥田拓道らの研究によると、高脂肪食の長期間摂取によるマウスの体重増加がジャスミン茶投与によって抑制されることが認められ、その作用として脂肪分解促進作用と脂質吸収抑制作用(膵臓リパーゼ抑制)が明らかにされている。

 福建省にはまた、ジャスミン茶だけでなく、包種茶と呼ばれる花茶もある。これは緑茶に近い茶をベースに、ミカン(桔花)、ハナマス、モクセイ(木犀)、クチナシ(梔子花)などが香づけに用いられている。

 このほか、中国独特の茶として白茶がある。大白、小白、水仙白といった特別な茶樹の銀白色の産毛に覆われた若芽を摘んで作られる茶で、これも福建省の名産茶の一つ。銀針白毫や白牡丹などはよく知られ、点てた茶は色が淡く、香や刺激性も強くない。古くから不老長寿の妙薬として愛飲されたが、ストレス、夏バテ、二日酔い、頭のもやもやなどに良く効く。

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