○赤小豆(せきしょうず)
中国南部原産のマメ科の一年草アズキ(Phaseplus angularis)やツルアズキ(P.calcaratus)の成熟した種子を用いる。ツルアズキはアズキに似ているがつるがあり、インドや東アジアで栽培されている。
アズキは古くから食用としてアジアを中心に栽培されているが、日本での栽培量が最も多い。アズキは世界中で日本人だけに好まれる特異な存在で、アズキを米とともに炊いて赤飯や小豆粥にしたり、餡にして和菓子の原料として広く利用している。
アズキの成分にはフラボン配糖体のロビニンや結晶性サポニンなどが含まれている。漢方では清熱燥湿・利水消腫の効能があり、腎炎や脚気、栄養障害にみられる浮腫、下痢、下血、黄疸、癰腫に用いる。
脚気や肝硬変の腹水、腎炎による浮腫には赤小豆と鯉魚を一緒に煮込んで服用する(赤小豆鯉魚湯)。黄疸や浮腫、蕁麻疹などに麻黄・連軺などと配合する(麻黄連軺赤小豆湯)。民間療法でも水だけで煮たあずき粥を脚気の浮腫や母乳の出が悪いとき、便秘や二日酔いに用いている。