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木曜日, 7月 12, 2012

ギムネマ葉

○ギムネマ葉(ぎむねまよう)

 インド南部、東南アジア、中国の南西部に分布するガガイモ科の常緑つる性植物ギムネマ・シルベスタ(Gymnema sylvestre)の葉を用いる。中国ではこの植物の茎を武靴藤という。

 ギムネマ葉はインド伝承医学アユルヴェーダの中で2000年以上も前から糖尿病の薬として利用されていた。ギムネマ葉を噛んだ後、1~2時間は甘味だけが感じられなくなることから、19世紀半ばからヨーロッパにも知れ渡った。1887年には有効成分が抽出され、この甘味抑制物質は酸性を示すことからギムネマ酸と名付けられた。

 葉にはギムネマ酸のほか、ヘントリアコンタン、プロトカテキュ酸などが含まれている。ギムネマ酸には甘味抑制作用のほか、抗う蝕性作用、小腸におけるブドウ糖吸収抑制作用、血糖値の上昇抑制作用などが認められている。この甘味抑制作用や腸管吸収抑制作用は数時間で回復する。

 これらの作用により糖尿病の治療および予防に利用できるのではないかと注目されている。しかし大量に服用すると、甘味以外の味覚にも抑制作用がみられ、血糖値はかえって上昇することが報告されている。近年、日本では食品や飲料などの中にギムネマ酸を添加したさまざまな健康食品が開発されている。ちなみに中国では武靴藤を腫れ物や乳腺炎などの化膿性疾患の治療に用いている。