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金曜日, 4月 11, 2014

梅寄生

○梅寄生(ばいきせい)

 日本各地および北半球に広く分布し、おもにブナ、カシなど広葉樹の生木や枯木に寄生するマンネンタケ科の担子菌類コフキサルノコシカケ(Ganoderma applanata)などの子実体を用いる。樹幹から直接に傘だけの子実体をつけ、表面に薄くココアの粉のように胞子が付いているため、「粉吹き猿の腰掛け」という名がある。

 梅寄生は梅の幹に寄生するサルノコシカケという意味で珍重されているが、現在では寄生樹に関係なく梅寄生という名で市販されている。以前はサルノコシカケ科に含まれていたが、現在はマンネンタケ科に分類されている。コフキサルノコシカケは茶色のコルク質で非常に硬く、食用には適さない。

 1975年頃、サルノコシカケ科のカラワタケからPSKという制癌剤が開発され、、梅寄生も注目されるようになった。コフキサルノコシカケの子実体にはエルゴステロール、ジヒドロエルゴステロール、ユビキノンなどが含まれ、煎液やそれに含まれる多糖類混合物に抗腫瘍活性が認められている。

 サルノコシカケは日本の民間薬であり、かつては解熱薬、心臓病や半身不随の治療薬として用いられていたが、近年では専ら抗癌作用が期待されている。一般に1日量約20gを煎じて服用する。かつて日本の生薬市場ではコフキサルノコシカケのうち、断面が赤いものを梅寄生、白いものを桑寄生と呼んで区別していたこともある。