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月曜日, 1月 21, 2013

蚕沙

○蚕沙(さんしゃ)

 カイコガ科のカイコ(Bombyx mori)の幼虫の糞の乾燥したものを用いる。ときに秋蚕(晩蚕)の糞が重用されたため晩蚕沙という名もある。

 2~3mmぐらいの青黒い顆粒状のもので、質は硬いが容易に溶け、砕くと青臭さがある。カイコの糞は薬用だけでなく、家畜の飼料や活性炭や樹脂、塗料、鉛筆の芯などにも応用され、かつては人口の砥石の原料としても利用された。

 糞の製粉にはヒスチジンやロイシン、リジンなどのアミノ酸、ビタミンA・B、尿酸、リン酸などが含まれている。漢方では去風湿・活血・止痛の効能があり、四肢の関節痛や麻痺、腹痛や下痢、皮膚掻痒症などに用いる。関節リウマチで関節が痛み、湿熱証の強いときには防已・薏苡仁などと配合する(宣痺湯)。また結膜炎などの炎症に外用薬として用いる。