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火曜日, 5月 01, 2007

ワイン(ポリフェノール)

○ワイン(ポリフェノール)

 フレンチ・パラドックスの言葉とともに、1990年頃からワインの健康機能性が注目され始めた。その端緒となったのがフランスの科学者セルジュ・リヌーが唱えた「フランス人は動物性脂肪を多く摂っているのにかかわらず、他のヨーロッパ諸国に比べ虚血性心疾患による死亡率が低いのは赤ワインを日常的に飲むため」という説である。健康志向の高まりを見せていた日本でも90年代後半に赤ワインブームが起こっている。

 赤ワインには渋み成分のタンニンや色素のアントシアニンなど、抗酸化作用のあるポリフェノール類が豊富に含まれている。これらの成分がLDL(低比重リポ蛋白)の酸化を抑え、虚血性心疾患の原因となる動脈硬化を予防すると考えられている。国立健康栄養研究所の板倉弘重らは、30~50代の男性10日に1日400~500mlの赤ワインを2週間飲んでもらい血液中のLDLの酸化抵抗性を調べた結果、飲用前に比べ上昇していることがわかった。また、赤ワインに含まれるほとんどのポリフェノールに抗酸化作用があることを確認している。(1994年)

 ポリフェノールの含有量とはブドウの品種によって異なる。赤ワインの中でもカベルネ・ソーヴィニヨンでつくるボルドーワインや、ネッビオーロが原料のイタリアのバローロなどが高い。一方、白ワインは抗菌性に優れている。米ウエストバージニア大学のマーチン・E・マイズらは、白ワインがサルモネラ菌、大腸菌、赤痢菌に対して抗菌作用があることを実験で確認している。