○タンパク質
タンパク質はほとんどの生物の細胞に含まれる高分子窒素有機化合物で、糖質・脂質と共に三大栄養素の一つである。糖質や脂質は主にエネルギー源として利用されるが、タンパク質は筋肉、皮膚、臓器などを構成する基本物質として、また酵素やホルモン、免疫抗体、遺伝子などの生理活性物質としても機能している。タンパク質はアミノ酸が多数連結したポリペプチド鎖からできている。使われるアミノ酸は約20種だが、結合の配列順序が無数にあり、生成されるタンパク質も無数に近い。食品に含まれるタンパク質はヒトの体内でペプシンなどの消化酵素によりアミノ酸にまで分解される。そして、これらが材料となりDNAの遺伝情報に基づいて新たなタンパク質(体タンパク質)がつくられる。
タンパク質には、アミノ酸だけが結合した単純タンパク質(アルブミン、グロブリン、グリテリン、プロラミン、プロタミンなど)、単純タンパク質が糖や脂質など他の物質と結合している複合タンパク質、熱や酸などで変性された誘導タンパク質(各種ペプチド類、ゼラチンなど)がある。タンパク質は生命活動によって体内で分解・再合成を繰り返すことで僅かずつは消費されるので、毎日必要量を補わなければならない。「日本人の食事摂取基準・2005年度」では、タンパク質の1日推奨量を成人男性で60g、女性で50gとしている。またタンパク質比率は男女とも20%未満、70歳以上は25%未満を目標量としている。