○烏骨鶏
キジ科の鶏の一種、ウコッケイの肉または内臓を除いた全体を用いる。鶏冠は紫色であるが、皮膚や足、くちばし、肉や骨まで黒いため烏骨鶏と呼ばれ、全身は柔らかい糸状の絹糸状に覆われている。羽毛の色は白や黒などがあるが、一般に白毛烏骨鶏が珍重される。普通の鶏よりもやや小型で、性質は温順であり、美しいため愛玩用に飼育されている。
江西省泰和県が原産地であるが、現在は世界各地で飼育されている。日本にも江戸時代に輸入され、天然記念物に指定されているが、特別指定ではないため鶏肉や鶏卵は流通している。成分としてビタミンA・B2・E、カルシウム、鉄などが豊富に含まれている。
漢方では滋陰・清熱の効能があり、虚労や胃腸虚弱、慢性熱性疾患などに用いる。虚弱体質や結核などの慢性消耗性疾患、慢性胃腸炎などの時には肉や骨を煮て食べるとよい。薬膳料理に烏骨鶏の腹の中に種々の生薬を入れて煮込む料理がよく知られている(烏骨鶏湯:オゴルゲタン)。また虚弱な女性の月経不順や生理痛などには四物湯をはじめ人参・枸杞子・鹿茸などを配合した烏骨鶏白鳳丸を用いる。