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水曜日, 3月 26, 2014

南天実

○南天実(なんてんじつ)

 中国やインド、日本の南部に分布しているメギ科の常緑低木ナンテン(Nandina domestica)の果実を用いる。中国では南天竹子と呼ばれている。秋から冬にかけて果実が赤く熟し、よく低木などに植栽されている。果実は赤い色が一般的であるが、ときに白色のシロナンテンがあり、市場品でも赤南天と白南天とに区別されている。

 古くから薬用にはシロナンテンの果実のほうが賞用されるが、とくに根拠はない。日本ではナンテンは「難転」に通じるとして好まれている。古くから日本の風習として赤飯などの上にナンテンの葉があしらわれている。葉の成分にはナンジニンが含まれ、熱と水分でシアン化水素が発生し、それに赤飯の腐敗を予防する作用があるという説明がなされている。

 果実にはアルカロイドのドメスチンやイソコリジンなどが含まれ、ドメスチンには知覚神経や抹消運動神経を麻痺させ、心臓の運動を抑制する作用がある。漢方では止咳の効能があり、咳嗽や喘息に用いる。しかし漢方処方としてはあまり用いられず、日本や中国の民間療法で百日咳や気管支喘息などに用いられている。近年、ナンテンの葉から研究されて開発されたトラニラストは抗アレルギー薬(リザベン)として利用されている。