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火曜日, 9月 06, 2011

ハーブティー(2)

○サフランティー

 サフランは南ヨーロッパを原産とするアヤメ科の多年草で、学名はCrocus sativus。真っ赤な花柱はパエリヤやブイヤベースなど地中海料理の着色や風味づけに使われる。此花の雌しべの先(柱頭)だけを摘み取り乾燥させたものがハーブのサフランで、カップに3~6本入れて湯を注ぐだけで明るい黄色のサフランティーができあがる。香りは婦人薬の中将湯に似ており、効果も同じように血の道症・不眠・イライラ・肩こり・のぼせ・頭痛などの不定愁訴に効き、駆お血作用があるとされる。

○ミントティー

 ミントはシソ科の多年草で、日本ではハッカ(薄荷)という。葉に精油成分(メントール)が含まれ、古くから発汗・解熱・健胃の生薬として用いられたきたほか、胃腸薬や各種内服用製剤、軟膏などにも広く利用されている。精油成分のやや少ないペパーミント(学名はMentha piperita)やスペアミント(学名はMentha spicata)などの種類が、スッキリした清涼が好まれてハーブティーに利用される。中世ヨーロッパでは、紅茶は特権階級のもので一般庶民が飲むことは禁じられていたが、ハーブティーは飲用を許されていたので、人々はミントティーやカモマイルティーをそれぞれ、”サンタマリア・ティー”とか”ノートルダム・ティー”などと称して飲んでいたという。

○ハイビスカスティー

 ハイビスカスはアオイ科の常緑低木で多くの種類があるが、ハーブティーに使われるのはアフリカ原産のサブダリハ(学名Hibiscus sabdariffa)と呼ばれる種類である。これはハワイや沖縄などで観賞用にゴージャスな赤い花を咲かす種類とは異なり、花は小さく貧弱だが、その花(というより萼)を干したものを使う。お茶のように入れると、爽やかな酸味と鮮やかな紅色の飲料となる。疲労回復、造血作用などの効用があり、欧米ではスポーツ選手に愛飲者が多い。クセがないので誰にでも喜ばれ、シャーベットやゼリーにも使われるほか、東南アジアでは葉も一種にサラダや漬物(日本の梅干や赤ジソのように)として利用されている。