○フランス海岸松樹皮
フランス海岸松は南仏の大西洋沿岸のみに生育する海洋性の松だが、この樹皮から得られる抽出物には40種類を越えるフラボノイドが含まれており、半世紀以上も前からヨーロッパを中心に抗酸化物質として活用されてきた。現在は、一般にピクノジェノール、フラバンジェノール(いずれも商権)という名称で世界的に知られている。
海岸松エキスには数多くのフラボノイドが含まれているが、中でも注目が高いのはプロアントシアニジンで、通常のフラボノイドに比べて溶解性が高いため、抗酸化物質として即効的に効くという特徴がある。また、多数の有機酸からなる機能成分が連携して高いSOD活性を示すことが明らかにされている。このことから、海岸松エキスは毛細血管を保護し、動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞・静脈瘤などを予防する効果のあることが明らかにされ、多くの研究者によって報告されている。
海岸松エキスにはこのほか、月経困難症・生理痛・子宮内膜症・冷え性・更年期障害など、女性特有の疾患を劇的に改善する効果のあることが、日本の医師や研究者によって明らかにされている。1998年に金沢市で開催された日本補完・代替医療学会の代1回学術集会で、医師の小濱隆文(恵寿総合病院)、金沢大学医学部の鈴木信孝らによって海岸松エキス(ピクノジェノール)による886例の臨床予備治験の結果が報告され医療関係者の注目を集めた。小濱はその翌年の発表を行い、子宮内膜症に対してピクノジェノールの投与により、重度の月経痛と骨盤痛が軽減したこと、子宮内膜症以外の原因による月経痛・骨盤痛も軽減されたことを報告している。