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土曜日, 4月 21, 2012

薤白

○薤白(がいはく)

 中国が原産で、古くから日本に渡来したユリ科のラッキョウ(Allium valeri)の鱗形、つまり食用とする部分を乾燥したものです。ラッキョウは辣薤という漢名に由来するといわれ、英語でもRakkyoという。また日本の市場ではエシャロットとして出回っているものは、通常はラッキョウを若採りしたものの商品名である。中国ではチョウセンノビル(A.macrostremon)の鱗形も用いる。

 ラッキョウに含まれるフラボノイドには強力な抗酸化作用、食物繊維のフルクタンには血糖上昇の抑制作用、硫化アリルには血流改善効果などが報じられている。漢方では通陽・理気・止痛の効能があり、胸痛、腹痛、心窩部痞塞感、悪心、下痢などに用いられています。

 中国医学では「胸の陽を通じ、胸痺を開き、胃腸の気滞を下す」といわれている。胸痺とは狭心症や心臓喘息、肋間神経痛、気管支炎などによる胸痛症状のことである。そのほか感染性腸炎などによる腹痛、下痢に用いる。

 日本の民間療法でも食欲のないときに生のラッキョウに味噌をつけてたべるとか、腹痛に煎じて服用する方法がある。ただし服用量が多いと胃粘膜を刺激しすぎるので注意を要する。また切り傷や虫刺されに生のラッキョウをすりつぶしたものを外用する。