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月曜日, 6月 11, 2007

サフラン

○サフラン

 サフランは南ヨーロッパを原産とするアヤメ科の多年草で、別名サフランクロッカスとも言う。真っ赤な花柱はパエリアやブイヤベースなど地中海料理の着色や風味づけに使われてる。花には3本の淡黄色の雄しべと、柱頭が三裂して花冠の外にまで垂れ下がる細長い紅色の雌しべがあり、この雌しべを乾燥させたものが婦人病薬(通経・鎮痛・鎮静)に用いられてきた。

 医薬品の記述としては、紀元前200年頃のローマのムーキアーヌスが、胃・肝臓・腎臓・膀胱・肺の病気、咳、結膜炎、酒の悪酔いなどに効くとし、ブリニイは博物学(紀元前100年頃)において、サフランが眠りを誘い、頭脳を明晰にし、媚薬としても用いられることを記している。中国では蔵紅花、蕃紅花の名で呼ばれ、本草綱目では呼吸障害・嘔吐・悪寒などにも有効であるとしている。わが国でも血の道症・月経不順・更年期障害などの民間薬としての使用歴は長く、日本薬局方にも収載されている。

 雌しべに含まれる色素成分クロシンの存在は早くから知られていたが、近年、この成分に中枢神経の活性化、記憶力増強を図る作用のあることが明らかにされ、一躍注目を集めるようになった。齊藤洋(東京大学薬学部)と正山征洋(九州大学薬学部)らの研究グループは、クロシンを与えたネズミはアルコールによる記憶障害が明らかに改善され、記憶を司る脳の海馬の電気信号の働きも、与えるクロシンの量が多いほど高くなることを報告している。これがその後の多様な研究の端緒となり、現在はクロシンにイチョウ葉エキスやビタミンEなどを配合した健脳食品も開発されている。

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