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月曜日, 3月 03, 2008

まこも(真菰)

まこも(真菰)

 マコモはイネ科マコモ族の草木で、中国南部から東南アジア一帯で水田に栽培されている。わが国ではコモ、コモガヤ、カツミ、、チマキグサと呼ばれ、古くはマコモの実を粥に炊いて食べていたこともあるという。中国では、新芽にマコモ黒穂菌が寄生して細いタケノコ状になったものが中華料理に利用される。マコモは神仏に供せられるケースもよく見かれられる。例えば東京の神田明神では毎年6月にマコモで編んだ輪の中をくぐらせている。出雲大社ではマコモの上を歩かせて、1年間の無病息災を願う行事が古くから引き継がれている。こうした例はマコモの持つ薬効や生命力、食料としての価値を経験で知っていたことによるものであろう。

 その効用について古くは本草綱目などにも記載されている。マコモの根は、「無毒、止小便、止瀉、利腸胃」に、種実は「止瀉、利五臓、利大小便」に、中心茎は「滋人歯、止渇、胸中浮熱風気、水痢」に有効性があるという。これを現代風に解釈して、高血圧・糖尿病・肝炎など卓効があることを示した文献もある(和漢薬1974年、医歯薬出版)。マコモを使った動物実験によると、①腸内の大腸菌を減らし、慢性疾患などに予防効果が認められた。②脳血管障害の予防効果が示唆された、③補体(血漿中の免疫作用をもつタンパク質)の活性が62~82倍となり、免疫力あるいは抵抗力の賦与などに役立つことが示された、などが報告されている。

 マコモを素材とした健康食品には、葉や茎を乾燥させ粉末化したものや、納豆菌を加えて発酵させた後に乾燥・粉末化したものなどがある。