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土曜日, 1月 14, 2006

メシマコブについて

○メシマコブ

 メシマコブは担子菌類タバコウロコタケ科キコブタケ属のキノコで、メシマコブという和名は男女群島(長崎県)の女島に多くの野生株が見られたことに由来する。桑の古木に寄生して、コブ状から次第に扇状に育ち、通常は傘の直径が8~12cm、大きなものは30cmを超えるほどにもなる。傘の裏側(地面側)が黄色いところから、漢方の古典・本草綱目に桑黄の名で収載されているものが、このメシマコブだとされている。

 わが国のキノコ薬効研究の黎明期に当たる1968年、めぼしい薬用キノコを集めて行われた池川哲郎(国立がんセンター研究所)らの抗腫瘍活性比較研究で、メシマコブは非常に高い数値を示した。この研究に触発された医師の山名征三(広島・西条病院)は、患者の協力も得てその優れた抗腫瘍活性を確認したが、野生のメシマコブは極めて入手困難であったために、その成果を広く世に問うことができなかった。その後も野生の桑の古木は減少、人工栽培も困難で、メシマコブの入手難は改善することがなかったが、ここにきて事情が一変した。韓国でメシマコブ菌糸体の培養技術が、日本でメシマコブ子実体の人工栽培がそれぞれ完成したのである。