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金曜日, 12月 09, 2005

月見草油について

○月見草油

 アカバナ科に属する月見草は、和名をオオマツヨイグサといい、欧米ではイブニング・プリムローズと呼ばれて公式の薬用植物リストにも収載されている。北米の東部海岸地域に居住するネイティブ・アメリカンたちが、1000年以上の前から咳止めや痛み止めなどに内服したり、おできや発作、外傷など外用薬として使っていた。

 これが17世紀頃ヨーロッパに伝えられると、たちまちのうちに普及して、キングス・ケア・オール(王様の万能薬)と呼ばれて珍重されるようになった。しかし、それも19世紀末頃までで、その後はすっかり忘れ去られていた。

 月見草は再び注目を浴びるようになったのは、1930年代になって、この種子にリノール酸が豊富に含まれていることが発見されてからである。リノール酸は人の体内では合成できない不飽和脂肪酸で、必須脂肪酸に加えられている。しかし、リノール酸が豊富なものには、紅花油(サフラワー油)、ヒマワリ油、大豆油、綿実油などがあり、それだけなら取り立てていうべきことではない。だが、月見草にはそれらにはないγ-リノレン酸が、全脂肪酸の7.5%も含まれているのである。このγ-リノレン酸が天然物の中に含まれているのは、今のところ月見草の種子と母乳、僅かに含むものとしてヒマワリの種子と昆布にあるだけである。つまり月見草油の特異的な有用性というのは、このγ-リノレン酸にあるといってよい。

 γ-リノレン酸n-3系の多価不飽和脂肪酸で、生体内ではリノール酸から代謝されて作られる。したがって食生活が適切で健康な人は直接摂取する必要はないのだが、最近の食環境の悪化(加工食品の添加物による害)や美食、飽食による肥満、糖尿病、高脂血症(特に高コレステロール血症)、アルコールの多飲、あるいは加齢などによって、リノール酸をγ-リノレン酸に変換する酵素の活性が阻害され、γ-リノレン酸が十分に生成されない場合が危険である。

 γ-リノレン酸はプロスタグランジンの基元物質であり、これがないと産生されない。プロスタグランジンはエイコサノイドという生理活性物質(局所ホルモン)で、ホルモンと同様、たとえば血圧を下げる、血小板の凝集を抑制する、あるいは気管支を拡張する、子宮を収縮する、腸管の蠕動を高めるなど、種類によって様々な強い生理活性を持って体の機能を調整している。したがってγ-リノレン酸が生成されないと、こうした調整の狂いから様々な障害が起きてくるのである。

 月見草の効果として高血圧やアレルギー体質の改善、痩身・美肌の他、月経前症候群(PMS)・アルコール中毒・二日酔いの改善などがある。

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