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火曜日, 4月 24, 2012

海浮石

○海浮石(かいふせき)

 海浮石には好物と動物の2種類あり、火山の噴火によってできた軽石(浮石)と腔腸動物であるサンゴの仲間、多孔珊瑚石といわれる脊突苔虫や瘤苔虫の骨格(石花)を用いることがある。中国北部ではおもに珊瑚の石花を用い、日本や中国南部では鉱物の浮石を用いている。

 浮石はガラス質からなり、二酸化ケイ素SiO2を主成分としてアルミニウムやカリウムを含んでいる。石花の主成分は炭酸カルシウムである。漢方ではいずれも性味は寒・鹸で去痰・軟堅・通淋の効能があり、咳嗽や癭瘤(甲状腺腫)、瘰癧(頸部リンパ腺腫)、泌尿器疾患に用いる。山脇東洋は大黄・赤石脂・硝石などと配合した浮石丸を鼓腸(腹部膨満)の治療に用いた。