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金曜日, 2月 17, 2012

烏頭

○烏頭(うず)

 キンポウゲ科トリカブト属の母根を烏頭という。一般にトリカブトには茎に続く塊根(母根)の周囲に数個の新しい塊根(子根)が錬生している。この母根を烏頭といい、子根を附子という。塊根の形が烏の頭に似ていることから烏頭、母根に付着した根ということから附子という名がある。ただし、近年、中国においてその区別は曖昧であり、一般には減毒処理したものを附子、減毒処理されていないもの烏頭としている。また、子根を有しない細長い根は天雄と称し、子根の小さいものを側子、さらに小さくて籠の目から漏れるほどのものを漏藍子という。

 トリカブト属は種類が多く、中国では宋の時代からカラトリカブト(A.carmichaeli)が四川省で栽培されている。このため中国では栽培品種である川烏頭と野生種の草烏頭とが区別されている。このカラトリカブトはハナトリカブトとも呼ばれ、日本でも薬用や切花用に栽培されている。一方、日本では佐渡島などに産する野生種を草烏頭と呼んでいる。

 一般に烏頭は附子よりもアコニチンの含有量が多く、鎮痛作用は附子よりも強いが、温熱・強心作用は附子よりも弱いといわれる。烏頭は毒性が強いため専門家でない限り、使用すべきではない。

 漢方では去風湿・温裏・止痛の効能があり、傷寒論、金匱要略でし関節痛や神経痛に麻黄・オウギと配合した烏頭湯、腹痛に桂枝湯に烏頭・蜂蜜を加えた烏頭桂枝湯などが収載されている。