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火曜日, 4月 29, 2008

〇鉄

 元素記号はFe。成人の体内には4~4.5g存在している。その内、約70%は血液中のヘモグロビン、筋肉中のミオグロビン、酵素のチトクロームやカタラーゼにヘム鉄として含まれ、機能鉄として酸素の運搬や酸化還元反応、解毒作用に関与している。残りの30%は鉄貯蔵タンパク質(フェリチン、ヘモデシリン)に非ヘム鉄として組み込まれ、肝臓に蓄えられている。動物性食品に含まれる鉄の多くはヘム鉄(二価鉄)だが、穀類や野菜などの植物性食品に含まれる鉄は非ヘム鉄(三価鉄)の形態をとっている。鉄は十二指腸で二価鉄の状態で吸収される。そのため植物性食品の三価鉄は胃酸で二価鉄に還元されなければ吸収されない。この時、ビタミンCとの共存下で吸収率が高めることが知られている。ホウレン草は鉄とビタミンCの両方を含む食品であり、鉄の摂取源として理想的である。鉄が欠乏すると貧血、運動機能や認知機能の低下を招く。

 食事摂取機銃05年版では、の推奨量は1日当たり男性は18~69歳で7.5mg、70位以上で6.5mg、女性は18歳以上(月経あり)で10.5mg、同(月経なし)で6.5mg、上限量は成人男性で45~55mg、成人女性で40~45mgとしている。また保健機能食品制度では、鉄を1日摂取量当たり2.25~10mg含む食品には鉄の機能を表示することができる。

※ヘム鉄

 赤血球のヘモグロビン(色素タンパク質)に含まれる二価鉄。食品ではレバーや赤身肉、カツオなどの動物性食品に多く含まれている。植物性食品に含まれる三価鉄に比べ、吸収率が高い。トクホの関与成分にもなっており、貧血気味の人に適した食品として清涼飲料やゼリーなどがある。