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日曜日, 3月 05, 2006

メグスリノキ(目薬の木)茶について

○メグスリノキ(目薬の木)茶

 メグスリノキ(目薬の木)茶は、わが国特産のカエデ科の落葉高木で、イチョウのように雌雄異株。近年のブーム以後、各地に群生地のあることが明らかになったが、山形・岩手以内の本州、四国、九州の深山に分布し、特に福島県とその隣接する県に多い。和名の目薬の木他、地方によっては千里眼の木、長者の木、三つ花、花楓などの異名で呼ばれている。

 江戸時代初期にこの木の樹皮を煎じて、点眼ないし洗眼薬として、やに目、ただれ目、かすみ目、鳥目、そこひなどの眼病に用いていた記録があるが、歴史的には既に安土桃山時代に活用が始まったと考えられている。以後、文字通り、目薬の木として広く活用され、ごく一部の寺社では1950年代半ばまで自家製の目薬として販売していたといわれるが、ほとんど知られることはなかった。60年代に入って、星薬科大学の伊沢一男が薬用植物の採集過程でこの木の存在を知ったことが契機となり、同大学生薬学教室で成分研究に着手した。その後、薬草カラー図鑑にこの木が収載され認知度が高まる中で、同大学の篠田正人らが「肝障害に対するメグスリノキの薬理試験」と題する学術発表を行って、強制的に肝障害を起こさせたモルモットにメグスリノキのアルコール抽出液を用いて改善が見られたことを報告した。

 星薬科大学教室での成分分析試験では、樹皮にはα-アミリン、β・システロール、ロドデンドロン、カテキンなど、木部にはβ・システロール、クマリン誘導体のスコポレチン、エピーロトデンドリンなど、葉にはβ・アミリン、ケルセチンなどが確認されている。

 メグスリノキ(目薬の木)の成分と種々の眼病、肝障害の改善作用については、まだ十分に解明されていないが、煎じ液を用いてやに目、ただれ目、かすみ目、老眼、仮性近視、結膜炎、花粉症の涙目などが改善した例、漢方薬との併用に緑内障の眼圧低下、肝炎や蕁麻疹などの改善例など、多彩なケースが報告されるようになった。

 なお、この木を目薬として用いるには小枝や青い葉を細かく刻んで乾燥させたものを煎じ、肝炎や利尿などに飲用するときは乾燥させた小枝や樹皮をまた動脈硬化の予防などのために常用するときは、乾燥させた葉をお茶のように煮出して飲むとよいとされている。最近はティーバッグのメグスリノキ100%のお茶やエキス剤も市販され、恩恵に浴しやすくなっている。

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明日葉について

○明日葉

 明日葉は房総半島や三浦半島、伊豆七島など、温厚な地方の海岸に野生するセリ科の植物で、「今日その葉を摘んでも明日には新しい葉が出てくる」ということで明日葉の名がついたといわれるほど生育力、生命力が旺盛な植物である。大形の多年草で、茎は1mぐらいに伸び、葉は茎を包むように付き、5月から10月頃にかけて淡黄色の花が咲く。

 その強い生命力のためか、大和本草にも不老長寿の植物として紹介されている。わが国での食用の始まりは、江戸時代の八丈島からだという。かなり古くから食用に供されていたと考えられ、また、乳牛の牧草としても栽培され、乳の出をよくし、乳質を高めるといわれる。

 こうした明日葉の効用は、まだ、普通の植物には余りないビタミンB12を豊富に含んでいること。B12は人体の発育成長に欠かせないビタミンで赤いビタミンともいわれ、造血作用のあることで知られている。また、葉緑素が多いのも特徴の一つであろう。

 明日葉の茎や葉を切ると黄色の汁が出るが、この汁の成分には薬効として利尿・緩下作用のほか、抗ガン作用のあることで知られている。その中でルテオリンという成分は強心・利尿剤として有名である。また、キサントアンゲロールというカルコン類化合物には抗潰瘍作用や血小板凝集抑制作用が報告されている。このほか、精油、アンゲロールなどの成分を含み、特殊芳香、苦味等が食欲の増進、疲労回復、強精の効果があると考えられている。

 最近では、抗ガン物質として注目されているゲルマニウムを含んでいることでも注目されているほか、カルシウムやカリウムも多く、健康の維持・増進に役立つ薬草として、大いに期待されている。

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