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水曜日, 7月 16, 2014

繁縷

○繁縷(はんろう)

 世界各地に広く分布するナデシコ科の越年草コハコベ(Stellaria media)の全草を用いる。一般にコハコベとミドリハコベ(S.neglecta)を合わせてハコベと称し、いずれも薬用にできる。春の七草の一つで若い茎や葉は食用とされる。またヒヨコグサの別名もあって小鳥の餌としてもよく知られているが、英語ではChickweedと呼ばれている。

 成分は不詳であるが、青汁には葉緑素やカルシウム、酵素などが含まれる。日本の民間では動悸や息切れの妙薬として、また催乳薬、胃腸薬として用いられている。昭和初期には虫垂炎の妙薬として騒がれたこともある。中国でも民間薬として知られ、活血・催乳・解毒の効能があるとして、産後の腹痛や母乳不足、嘔吐や下痢、腸癰などに用いる。

 茎や葉をカラカラに干したものや炒ったものをすりつぶし、できた緑色の粉と塩を混ぜたものが「はこべ塩」である。今日でも歯茎の出血や歯槽膿漏の予防に用いられる。欧米でもハコベはパップ剤や軟膏として皮膚の化膿症や潰瘍の治療に利用されている。