○キャッツクロー
キャッツクローは南米ペルーのジャングルに生育するアカネ科ウンカリア属の蔓性1年草で、樹木に絡みながら伸び、最終的には直径20cm余り、長さ30m以上にも達する。ちょっと風変わりなこの名前の由来は、小枝から出る葉柄の付け根(基部)に、あたかも猫の爪のような形の鈎が突き出しているところから、現地で「ウーニャ・デ・ガト」(猫の爪)と呼んでいたことに由来する。
樹皮(靭皮部)を煎じて飲むのが一般的な用い方だが、健康食品としてティーバッグのほかにも樹皮から抽出したエキスを粉末やソフトカプセル、糖衣錠にしたものなど、いろいろなタイプのものが市販されている。
ペルーの先住民インディオは、蔓を切ったときに溢れ出てくる樹液を飲んだりして、消化器官や免疫系の疾患に用いられたとされるが、体系的調査は早くも1950年にペルーで開始され、74年にオーストリアのケブリンガーが抗腫瘍精物質を発見、次いでドイツ、イタリア、イギリス、ハンガリーなどでも研究が行われた。異説もあるが、いずれにせよヨーロッパで1970年代の中頃にも医学者らの研究対象とされたのに比べ、米国でもわが国でも当時キャッツクローは知られておらず、研究開始までに10年ほどの遅れがある。
当時既にリマ(ペルー)で開催の国際シンポジウムでは、ペルー外科医師メルガレージョが樹皮抽出物に各種進行ガンに効果ありとする臨床例を、また、サンマルコス大学のタンポらは同エキスが合成薬品よりも高い抗炎症作用を見せたことを発表した。そしてこの頃から各国での研究が盛んになり、90年はオースリトアのケンブリガーがキャッツクローの根を6種類のオキシインドールアルカロイドを抽出、そのうち4種類(キャッツクローに特有で活性の高いイソプテロポディン、プテロポディン、イソミトラフィリン、インリンコフィリン)が、白血球の貪食作用を著しく活性化(すなわち免疫力を増強)することを明らかにし、ペルー、イタリアの研究者は、抗酸化性、抗微生物性、抗腫瘍性などを持つ成分の存在を明らかにした。
現在ペルーの農業省が公表しているキャッツクローに関する資料(1996年3月)によれば、キャッツクローの樹皮から熱水抽出、またはアルコール抽出で得られた成分は、気管支喘息、気管支炎、関節炎、リウマチ、肺や頚部などのガン、ヘルペス(疱疹)、胃腸障害(潰瘍性の胃炎・腸炎を含む)、膵臓炎、肝炎、痔患などに効能があることを明らかにし、「樹皮に含まれるアルカロイドは免疫組織を刺激して抵抗力を増強させ、自然治癒力を活性化させる。また、ポリフェノール類のカテキンやアントシアニジンは潰瘍抑制効果を発揮する。その他、アレルギー抑制効果、胃や肝臓の保護、膵臓や子宮の調整効果も、種々の実験で証明されている」と明記している。
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