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金曜日, 11月 25, 2005

ルンブルクス・ルベルス(LR)について

○ルンブルクス・ルベルス(LR)

 中国ではミミズを蚯蚓とか地龍と呼び、薬物として扱ってきた歴史がある。ミミズは毛足網貧毛目に属する環形動物で、その仲間は体調0.5mmから4.5mの長さに達するものまで、世界中に11科、約1700種が分布し、日本だけで300種近くが棲むといわれている。北半球にはツリミミズ科に属するものが多く、南半球にはフトミミズ科のものが多い。

 そのうち、薬用となるミミズは特定の種類であるが、あらゆる植物や動物、キノコ類、鉱物類を渉猟して薬効を見出し、それらを生薬のリストに取り入れたいった古代中国の先人は、ミミズにも熱い視線を注いできたわけである。1世紀末から2世紀初めにかけて記述された中国最古の薬物書・神農本草経には、すでに白頸蚯蚓の名で収載され、婦人病、虫下しの薬物とされている。また、11世紀の宋時代の薬物書・図経本草には地龍の名で登場し、各種の効用が記され、近年それらの効用を裏付ける有効成分も明らかにされてきている。それは以下のようなものだ。

 ①解熱作用として、ミミズにはルンブロフェブリンという成分が含まれ、胃を荒らさない解熱剤となる。②鎮痛作用として、ミミズには貴重な金を含む塩化窒素化合物が2種類含まれ、鎮痛効果をもたらす。金には痛みを止める効果があり、鍼灸でも痛みの治療には金針を用いる。③鎮痙作用として、ミミズは筋肉痙攣を鎮める作用のある多量のカルシウムを含んでいる。④利尿作用として、ミミズに含まれる多量のカリウムが利尿を促進する。

 このほか、抗炎症作用や鎮咳作用のほか、図経本草には、脳溢血によって起きる中風の後遺症を改善する特効薬は地龍であると記載されている。中風によって運動神経が麻痺して半身不随になるのは、運動を司る小脳を脳出血で固まった血が圧迫するためだが、この地流が麻痺を改善するという記述は、その中に血栓を溶かすことができる強力な有効成分が含まれていることを示している。そして。その1000年後の日本において、フトミミズの一種から副作用の全くない血栓溶解酵素ルンブロキナーゼが国立宮崎医科大学で見出され、この記載の正しさが立証されたのである。

 現在、脳卒中などの血栓を溶かす薬物としては、ウロキナーゼやt-pAなどかあるが、こられは直接血栓を溶かすのではなく、体内でプラスミン(線溶活性酵素)を作り出す間接的な補助剤に過ぎない。また効果は短時間で、作用が弱いという欠点もある。さらにこの薬は内服できず、点滴注射や脳内に直接注入という方法がとられるため、投与量が多過ぎると逆に血管を傷つけたり、出血時に血液が止まらないという副作用を持ち、非常に高価であるという欠点もある。

 これに対してフトミミズ由来のルンブロキナーゼは、血栓を直接溶かす作用を持ち、口から服用しても分解せず、効果が長時間持続し、しかも値段が安いという、夢のような長所を持っている物質なのである。こうした特徴が評価され、ルンブロキナーゼは、①血栓溶解、②高血圧の改善、高脂血症の改善、④糖尿病の改善、⑤製造法という5つの日本特許が認められ、米・英・ECなど世界23カ国の国際特許を得ている。

 このように、非常に幅広い健康効果が実証されているミミズだが、健康食品として利用されるようになったのは最近のことである。それは、漢方処方にも配合されて幅広く病気治療に使われてきた生薬・地龍(日本産は材料として、「カッショクツリミミズ」の体内の土砂を取り除き、丸ごと乾燥させたもの。古くから高熱の特効薬として、また鎮痙、利尿、解毒剤として使われたきた)は、薬事法に基づく食薬区分で、医薬品成分に収載されているために、食品としての使用ができなかったからである。

 現在、わが国で健康食品に使用することができるのは、欧米などで食用にされてきた赤ミミズ(レッドウォーム、学名はルンブルクス・ルベルス)で、漢方生薬の広地龍の材料となる参環毛ミミズと同じ仲間のフトミミズ化に属し、ニュージーランドやアフリカ中部の原住民の高タンパク食品と頻用してされてきた種類である。米国でタンパク源として、ペットフードにも盛んに利用されている。

 ルンブルクス・ルベルス(LR)食品は、このレッドウォームを原料として、厳しい品質管理のもとに滅菌処理をして精製粉末化され、カプセルの形で供される機能性食品である。それ単独でも所期の目的である血栓溶解・血行促進といった食効が得られることは既に多くの研究で明らかにされているが、さらに幅広い食効や保健効果を求めて、他の伝統的な健康食品との組み合わせも行われている。

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