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木曜日, 6月 18, 2015

青皮

○青皮(せいひ)

 日本ではミカン科の常緑高木ウンシュウミカン(Citrus unshiu)のまだ青い、黄熟する前の果皮を青皮という。成熟果実の果皮は陳皮といい、未熟な果実は枳実としても用いられる。中国ではオオベニミカン(C.tangerina)やコベニミカン(C.erythrosa)などの未成熟果実の皮を青皮として用いている。今日、日本の市場品は全て中国産である。

 青皮には疏肝・理気・消積化滞の効能があり、胸や腋の張ったような痛み、肩や乳房の痛み、消化不良による下腹部痛などに用いる。青皮の性質は陳皮よりも激しく、陳皮の理気作用よりも強い疏肝・破気の効能があるといわれている。

 脇腹の痛みには柴胡・川芎などと配合する(柴胡芎帰湯・疏肝湯)。ストレスによる肩こりには香附子・莪朮などと配合する(治肩背拘急方)。

青黛

○青黛(せいたい)

 キツネゴマ科のリュウキュウアイ(Strobilanthes cusia)、マメ科のタイワンコマツナギ(Indigofera tinctoria)、アブラナ科の植物のホソバタイセイ(Isatis tinctoria)などの葉や茎に含まれる色素を用いる。

 リュウキュウアイはインドからインドシナ半島、中国南部、台湾、小笠原諸島や沖縄などで藍の原料として栽培されている。リュウキュウアイやホソバタイセイの葉は大青葉、根は板藍根という。これらの葉や茎を数日間水に浸して発酵させ、石灰を加えてかき混ぜ、浸出液が紫色になったら液面の泡を掬いとり、これを日干ししてできた藍色の粉末を青黛という。つまり葉や茎に含まれるインジカンが発酵やアルカリを加えることにより加水分解されてインドキシルとなり、次に空気による酸化をうけて藍色のインジゴに変わる。

 青黛にはおもにこのインジゴが含まれている。一般にはインジゴは藍染めの染料として用いられている。薬理的には種々の細菌に対する静菌作用が知られている。漢方では清熱涼血・解毒の効能があり、大青葉や板藍根と同様に清熱薬として幅広く用いられ、丹毒などの発疹や発斑を伴う熱病、仕様煮のひきつけ、吐血や喀血、鼻血などの出血、湿疹、腫れ物、蛇噛傷などに応用する。

 小児の栄養不良で、発熱や腹水のみられるときには柴胡・莪朮などと配合する(消疳退熱飲)。高血圧や熱性疾患などで大便が秘結して眩暈やひきつけ、精神変調などがみられ、脇腹の痛むときには当帰・竜胆・芦薈などと配合する(当帰竜薈丸)。

 中国では肝炎や脳炎、耳下線炎、心筋炎などに対する臨床研究が行われている。口内炎や咽頭炎、耳漏、湿疹などには外用薬として用いる。鼻血には青黛の粉を直接出血部に当てて止血する。潰瘍性大腸炎に対する効果が検討されている。