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木曜日, 1月 24, 2013

山豆根

○山豆根(さんずこん)

 中国南部に分布するマメ科の低木広豆根(Sophora subprostrata)の根を用いる。日本ではかつてマメ科のミヤマトベラ(Euchresta japonica)の根を山豆根として用いていたが、これは誤りである。また中国北部の地方ではツヅラフジ科のコウモノカズラ(Menispermum dauricum)の根を山豆根あるいは北豆根と呼んでいる。

 広豆根の成分にはマトリン、アナギリンなどのアルカロイド、ソフォラジンなどのフラボノイド、そのほかシトステロール、ルペオールなどが含まれている。ソフォラジンを基本として開発されたのが胃粘膜保護作用のあるソフォルコン(ソロン)である。

 漢方では清熱解毒・利咽の効能があり、咽頭の腫痛、歯肉の腫痛、黄疸、痔疾、腫れ物などに用いる。咽頭や歯肉が晴れて痛むときに単独であるいは射干・牛蒡子などと配合して用いる。梅毒などによる咽頭の腫痛には桔梗・土茯苓などと配合する(喉癬湯)。また口内炎や痔などの外用薬としても用いられる。近年、中国では抗癌薬として研究されており、肺癌・喉頭癌の初期治療に用いられている。