○花蕊石(かずいせき)
変成岩類の岩石、比較的普通に見られる大理石の一種である蛇灰岩の塊を用いる。おもに方解石の顆粒からなり、蛇紋岩を含むものである。不規則な灰白色の塊状で、淡黄あるいは緑黄色の暈が交互にある。
成分はカルシウムとマグネシウムの炭酸塩のほか、鉄塩やアルミニウム塩なども含む。一般に焼いた後に水飛し、細かく砕いて用いる。漢方では止血・活血の効能があり、肺結核の喀血や内出血、外傷による出血などに用いる。肺結核による喀血や不正子宮出血に単独で服用する(花蕊石散)。また乳香・没薬・蘇木などと細末にして内出血の部位に塗布すると虚瘀止痛の効果がある。