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水曜日, 3月 14, 2012

黄瓜

○黄瓜(おうか)

 インド北部のヒマラヤ地帯の原産で現在では世界中で栽培されているウリ科のつる性多年草キュウリ(Cucumis sativus)の果実を用いる。日本には平安時代にすでに渡来していたが、長い間、完熟して黄色くなったものを食べていたとされる。キュウリとは黄瓜のことである。かつてキュウリは苦味が強かったためか、評判はあまりよくなく江戸時代の末期ごろまでは普及しなかった。

 果実の苦味質はククルビタシンCで、そのほかビタミンA・C、イソクエルシトリンなども含まれる。イソクエルシトリンには利尿作用があり、ククルビタシンCは抗腫瘍作用が報告されている。薬用には新鮮な果実を用いる。

 漢方では利水・止瀉・解毒の効能があり、熱病や浮腫に用いられる。日本ではつるを切って得られる浸出液をキュウリ水、つるを乾燥させたものをキュウリズル(胡瓜蔓)として用いている。キュウリズルには熱をとり、口渇を抑え、利尿する効能がある。キュウリ水も口渇や浮腫、二日酔いに用いるほか、火傷やあかぎれ、汗疹などの外用薬としても利用されている。