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金曜日, 11月 15, 2013

高遠草

○高遠草(たかとうぐさ)

 日本全土、朝鮮半島、中国東北部に分布するキンポウゲ科の多年草アキカラマツ(Thalictrum minus)の全草を用いる。中国ではアキカラマツの根を煙鍋草という。日本では秋の開花期で結実する前に採取する。

 名前は花の形がカラマツの葉に見えることから名付けられたカラマツソウと同属植物で、秋に咲く唐松草という意味である。江戸時代より長野県の高遠藩で利用されていた腹痛の薬草であることから高遠草と呼ばれ、戦時中に苦味健胃薬が不足したことから有名となった。

 苦味成分にアルカロイドのタカトニン、マグノフロリンなどが含まれ、少量では健胃・整腸・解熱の効果があるが、多量に服用するとクラーレ様作用が出現し、神経麻痺、血圧降下などが発現する。

 日本の民間薬として食べ過ぎ、食欲不振、腹痛、下痢など胃腸の症状に用いられる。中国では煙鍋草を歯痛、皮膚炎、湿疹などに内服・外用として用いている。ただしアキカラマツは有毒植物であり、注意が必要であるる