○ソーパルメット(ノコギリヤシ)
北米原産のヤシ科シュロ属の低木で、学名はSerenoa repens。和名はノコギリヤシ。ネイティブアメリカンの間では古くから、その果実が膀胱炎や尿道疾患の治療薬として使われてきた。わが国でも馴染み深い同類のシュロは、その葉が高血圧や脳出血の民間薬に用いられてきた。
ソーパルメットの果実エキスが膀胱や尿道など泌尿器の疾患に効くとする研究発表は早くも1892年に米国のA・マーシーによってなされ、以後ヨーロッパ各国の研究者の関心も集めて、特に高齢男性を悩ませる前立腺肥大症への特異的な効用が追求されてきた。複数の臨床研究によって、ノコギリヤシの摂取が夜間の頻尿、残尿感、排尿痛などを改善することが確認されている。
すでにこのエキス成分はイタリア、フランス、スウェーデン、ノルウェーなどでは医薬品として使われているが、その成果がアメリカを経由、使いやすいハーブエキスの形でわが国へも導入されている。前立腺肥大は外科的手術の対象とされがちだが、その予防や改善に役立つ機能性ハーブとして注目される。
ソーパルメット(ノコギリヤシ)