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火曜日, 11月 15, 2011

ビタミン様作用物質

○ビタミン様作用物質

 ビタミンと類似した作用を持つ有機化合物の総称。コエンザイムQ10、α-リポ酸、コリン、パラアミノ安息香酸、ビタミンPなどがある。

コリン

 脂肪肝を防ぐ因子として発見された水溶性ビタミン様物質(ビタミンB複合体)。ヒトの体内ではメチオニンから合成される。糖質と脂質の代謝に必要な補酵素として働き、不足すると脂肪肝の原因ともなる。コレステロールの血管壁への沈着を防ぐレシチン(リン脂質)の構成要素でもあるので、動脈硬化予防の効果もあり、食品では卵黄、レバー、小麦胚芽、米胚芽、大豆、酵母などに多く含まれる。

※ビタミンP

 ネズミの壊血病を予防する因子としてレモン果汁から発見された水溶性ビタミン様作用物質。発見当初はシトリンと命名されたが、同様の作用が柑橘類などの黄色・橙色を呈する色素のヘスペリジン、フラボン類、生薬のオウゴンに含まれるバイカレイン、そば(蕎麦)やエンジュ(槐)に含まれるルチンなどにも同様の作用が見い出され、いずれも毛細血管の透過性を保つ働きがあることから、透過性(permeability)のPをとってビタミンPと総称されるようになった。アンズ(杏)やサクランボにも多く含まれている。毛細血管の透過性を保ち、血管壁を丈夫にするほか、毛細血管の収縮作用や血圧降下作用もある。

※ビタミンU

 抗胃潰瘍因子としてキャベツから発見された脂溶性ビタミン様物質。物質名はメチルメチオニン・スルホニウム・クロライド。胃酸の分泌を抑えると共に胃粘膜の新陳代謝を促進させて、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などを改善する。キャベツやレタスなどに含まれている。

※パラアミノ安息香酸

 水溶性ビタミン様物質。グルタミン酸から葉酸を合成する材料となり、パントテン酸の吸収を助ける働きがある。葉酸やパントテン酸と一緒に摂ると白髪や皮膚の老化を防ぐ効果がある。レバー、卵、牛乳、玄米などに含まれる。

※レートリル

 アンズ(杏)の種子に含まれるビタミン様作用物質。アミグダリン、ビタミンB17とも呼ばれている。米国の研究では、β-グルコシダーゼ(酵素)を加えたレートリル溶液を腹水ガンに注入したところ、ガン細胞が100%死滅したという報告がある。