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火曜日, 11月 08, 2005

ギムネマ(シルベスタ)茶について

○ギムネマ(シルベスタ)茶

 インドには2000年以上にもわたって伝わるアーユルヴェーダと呼ばれる伝承医学があり、それは天然自然の動植物や鉱物を巧みに用いた医療法、病気予防法の一大体系であるが、その中に糖尿病、健胃、利尿、強壮に効く生薬としてメーシャシュリンギーが伝えられる。

 現地名でグルーマールと呼ぶこの薬草は、ラテン名でギムネマシルベスタといい、インド中南部を中心に、東南アジアからオーストラリアを含む広範な地域に自生するガガイモ科の蔓性多年草である。蔓は木に絡むようにして3~4mに伸びるが、その成熟した葉を採集して乾燥させたものが、ギムネマ茶の原料となる。

 ギムネマの葉には特有の匂いと苦味があるが、この葉を噛んでしばらくしてから砂糖をなめると、不思議なことに全く甘みを感じなくなってしまう。この不思議な作用を始めてヨーロッパに伝えたのは19世紀中頃、イギリスの軍人であったが、その後今から100年前ほど、同国の科学者フーバーがこの奇妙な作用を持つ物質の抽出に成功してギムネマ酸と名づけた。

 近年、ギムネマ酸がトリテルペンを骨格としたグルクロン酸を持つ配糖体であることがわかり、甘みだけが消えてしまう理由は、このブドウ糖に似た構造を持つグルクロン酸が、舌の甘みを感ずる部分にある甘味受容体に結合して、後から来る砂糖を受け付けなくするからではないかと考えられている。

 ギムネマシルベスタが糖尿病の改善に効果を発揮することは多くの実験で認められているが、その作用機構もこれと同じで、ギムネマ酸がブドウ糖を輸送する担体と結合して糖の吸収を防げるからではないかという考えがある。

 糖尿病には、血糖を抑える働きをするインスリン(膵臓で作られるホルモン)の不足によるもの(Ⅰ型糖尿病)と、多色と肥満によって起こる成人型のもの(Ⅱ型糖尿病)とがあるが、いずれにしても過食と糖分摂取を控える食事療法を長期間続けなくてはならない。この場合は、食べても腸管からの糖分の吸収が抑制されれば、節食したことと同じ効果が得られるわけだが、ギムネマ酸にその働きがあることが実証された。ギムネマ酸のこの吸収抑制効果によって血糖値が下がると、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌量が減り、それがひいては膵臓の負担を軽くして回復を促進することも期待できるのである。

 ギムネマ酸によって糖分の吸収が少なくなるということは、成人病(生活習慣病)の温床とされる肥満を抑制する上でも効果的であることは言うまでもない。

 糖尿病にせよ、肥満にせよ、強壮にせよ、実際的には長い時間をかけて対処しなくてはならないものであり、継続するためには手軽に飲めるお茶タイプのものはありがたい。ギムネマ茶はギムネマシルベスタの乾燥葉を焙煎した番茶状のもので、こうすることによって苦味も消えて風味が増し、ウーロン茶感覚で飲み続けることができる。また最近では、お茶以外にもエキスを粉末、顆粒、ゼリー、ペースト状に加工した健康食品も出ている。

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