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水曜日, 11月 23, 2005

琉球もろみ酢について

○琉球もろみ酢

 醸造酢は、原料の糖質をまずアルコール発酵させたあと、さらに酢酸発酵させることによってその酸味を醸成することが製法の基本である。その糖質を得る原料として、主に穀物(米・麦・トウモロコシなど)や果実(ブドウ・リンゴなど)が用いられるが、この原料の違いや発酵菌の種類が、できた醸造酢の風味はもとより、その健康効果を大きく左右することになる。

 琉球もろみ酢は、沖縄の特産品である泡盛がベースであるところに第一の特徴がある。

 泡盛の醸造には伝統的に精選されたタイ米が使われてきていることも特色の一つだが、中でも特筆すべきは、アルコール発酵から後発酵まで、一貫して発酵菌に黒麹菌が使われることである。

 その結果、一般の食酢の場合には酸味の主成分が酢酸であるのと異なり、琉球もろみ酢ではクエン酸が主体となる。そしてこのクエン酸が、琉球もろみ酢の特徴的な健康効果である運動能力の向上、疲労回復、結石の抑制、肩こり・腰痛の予防、抗菌・抗ウイルス作用といった働きをもたらすのである。

 体内でグルコース(ブドウ糖)や脂肪酸がエネルギーに換わるのには、無酸素状態でその化学的エネルギーを開放する解糖系と、もっと遥かに多くのエネルギーを生むクエン酸回路(ATP回路)という反応系(有酸素状態で行われる)があるが、クエン酸を起点に一巡しながらエネルギーを生む目的物質であるアデノシン-3-リン酸(ATP)を産生するこの反応は、細胞内のミトコンドリアという小器官で行われるため、そこへ自由に入っていけるクエン酸が直接的な活力源として寄与できると考えられるのである。

 琉球もろみ酢に、非常に多彩かつ豊富にアミノ酸が含まれていることも高い機能性がもたらされる一因だが、これはその醸造にタイ米と黒麹菌が用いられるためと考えられている。

 すなわち、黒麹菌を加えて熟成したもろみ(諸味・醪)から泡盛を蒸留したあと、もろみをさらにゆっくりと熟成させる過程で、米に含まれていたタンパク質が、機能性を持つ多様なアミノ酸に細かく分解され製品に含まれるのである。このタンパク質の分解力は発酵菌の種類によってそれぞれ差があるが、黒麹菌が作用した琉球もろみ酢では必須アミノ酸を含む18種のアミノ酸が分析されている。

 天然醸造酢は原料と菌の合作であり、醸造法や環境因子も考慮に入れると大変バラエティーを持つわけで、その機能性の全貌が見えたわけではない。したがって実際の飲用効果と成分との対応が完全にはとれないが、琉球もろみ酢に特に顕著な元気の回復や、体の抵抗性を高めるという働きは、多量に含まれるクエン酸によるところが大きいと考えられる。しかしこの場合でも、それが発酵菌による天然醸造によって醸し出されたもので合成された成分でないこと。また他の成分との複雑な相互関係による結果であることは容易に理解できるであろう。

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