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火曜日, 2月 28, 2006

松葉エキスについて

○松葉エキス

 血圧を下げ、ニコチンを排出する松の葉は、不老長寿のために仙人が常用したといわれ、また強精薬としても利用されてきた。松葉を細かく刻んで擂鉢でよくすり、それを弱火で煮て搾った油液を「松葉精」と呼ぶ。今日、松葉エキスといわれるものであるが、これにハチミツを適当に加えると飲みやすくなる。民間の伝承療法としては、生の松葉をそのまま毎朝3~4本ずつ食べるという方法も知られている。

 松葉エキスは古くから伝えられてきた民間療法の一つで、伝承的効用の一つとして「血をきれいにする」というのがあるが、最近はその効用が見直されてきた。というのも、高血圧などにとくに効果を発揮することが確認されたからである。

 松葉エキスには、葉緑素やビタミンA・C・K・カルシウム、鉄、その他多くの酵素を含んでいる。なかでも、松葉の表面に折出するロウ質(松ヤニ)にはケルセチン、ビタミンA・Cが豊富に含まれている。このビタミンCとケルセチンには血管壁を強化する働きがあり、脳卒中や高血圧症の予防と治療に効果があると考えられている。とくに動物性食品を多く摂り、血中コレステロール値の高い人には好適である。このほか、タバコの有害物質であるニコチンを体外へ排出する作用がある。

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月曜日, 2月 27, 2006

発芽玄米&米糠について

○発芽玄米

 白米や玄米を水に浸して数日おくと、白米は腐ってしまうが、玄米は腐らずに発芽してくる。これは玄米が生きており、発芽にい必要な栄養成分がそのまま残されているからである。玄米のこうした性質を利用して作られたのが発芽玄米である。発芽玄米は、籾殻を除いただけの玄米を一定時間、一定温度の水に浸漬して発芽を促し、胚芽部の芽が動き出したところで再度乾燥させて、いわば、”休眠状態”にした玄米である。

 玄米をわずかにい発芽させることによって、①アミノ酸が増えて甘くなる、②酵素が作用してやわらかくなる、③胚乳や外皮がやわらかくなるので消化によい、④炊飯が簡=といった味覚や調理上の改善のほか、発芽によって酵素の動きが活発化し、玄米に含まれる天然ギャバ(GABA)が増加するという点が注目されている。ギャバはγーアミノ酪酸というアミノ酸で、脳内にい多く存在する抑制性神経伝達物質。生体内ではグルタミン酸から生合成され、脳の酵素供給量を増やし、血圧を正常にし、神経の鎮静、中性脂肪の抑制などに作用している。発芽玄米には白米の約10倍のギャバが含まれるという報告もある。

○米糠

 ”完全食”の玄米に対して、切れ味の鋭い健康機能性素材として注目されているのが米糠である。玄米を精白する過程で得られる米糠には、体内で抗酸化物質として働くさまざまな機能性成分が含まれていることが近年の研究で次々と明らかになってきている。なかでも最近とくに注目されているのが、イノシトールやフィチン酸と呼ばれる化合物である。これらの化合物はさまざまな穀物や豆類などに見出されているが、とくに米糠と小麦の外皮に多く含まれている。

 イノシトールはビタミンB複合体の一種だが、ヒトのあらゆる細胞内に存在し重要な役割を担っている。とくに脂肪肝や動脈硬化の予防に深く関わっており、脂肪肝・肝硬変の治療薬に使われている。このほか栄養ドリンク剤や乳児の粉ミルクなどにも配合されている。

 イノシトールには6ヶ所のリン酸基結合部位があり、リン化合物に変化する。結合する個数によってイノシトール1リン酸(IP1)からイノシトール6リン酸(IP6)まで、6種類のリン酸化イノシトールが生まれる。IP6はフィチン酸とも呼ばれる。これらのリン酸化イノシトールは生体内でそれぞれ個別の役割を担っているが、なかでもガン細胞の発生と増殖をコントロールする働きのあるIP6 が最も注目されており、その抗ガン物質としての有効性が世界中の研究者によって立証されつつある。

 米糠にはこのほか、レシチンと同等の抗酸化力を持つといわれるフェルラ酸が含まれている。フェルラ酸は天然の酸化防止剤として知られ、ラジカル消去と活性酵素消去の二つの作用を持ち、活性酸素生成の原因となる紫外線を吸収する働きもある。

 米糠はこれまで、おもに米糠油の原料やヌカ漬けに利用されてきたが、最近では米糠エキスを配合したドリンクや錠剤タイプの製品も登場しており、今後さらにい機能性素材として用途が広がっていくものと見られている。

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金曜日, 2月 24, 2006

豆乳について

○豆乳

 大豆を一晩水につけておき、すり潰して加熱し、ろ過すると乳状の液体が得られるが、これが豆乳の原型である。これは豆腐の製造過程で生まれるが、そのままでは青くさい大豆臭があり飲用には向かない。市販されている豆乳は、脱皮した大豆を熱処理し、においの原因となるリポキシゲナーゼ(酵素)を失活させて飲みやすくしたものである。

 良質のタンパク質を豊富に含むことから”畑の肉”といわれる大豆だが、豆乳は”畑の牛乳”ともいわれ、牛乳に匹敵する栄養食品として愛用者を増やしている。見た目にも両方とも乳白色でよく似ており、栄養成分を見るとどちらも甲乙つけ難いが、動物性食品と植物性食品の異なる特徴を待っている。

 タンパク質の含有量では、牛乳の方がいくぶん勝るが、アミノ酸の組成では豆乳が勝るとも劣らないほどで、豆乳は良質なタンパク源として価値が高い。

 豆乳が優れているのは含まれる脂肪酸の違いである。脂肪酸は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に大きく分かれるが、飽和脂肪酸を摂りすぎると血中コレステロールや中性脂肪が増え、動脈硬化の原因となることがよく知られている。日本食品標準成分表を使って単純に比較してみても、牛乳には100g当たり2.33gの飽和脂肪酸が含まれているが、豆乳は0.35gで6分の1以下である。逆に不飽和脂肪酸は牛乳が0.99gであるのに対し、豆乳は1.4gと1.5倍も含まれている。

 牛乳はカルシウムを多く含み、骨を丈夫にするということから成長期の子どもには大切な食品であるが、成人以上では牛乳の脂肪分にも配慮する必要がある。高齢社会に入ったわが国では、加齢によって引き起こされる疾患が急増しており、大きな関心事となっているが、骨粗鬆症もその一つだ。現在、日本には900万人の骨粗鬆症患者がいるといわれるが、そのうち8割(700万人)は女性である。骨粗鬆症は女性ホルモンと深く関わっており、閉経とともにエストロゲン(女性ホルモン)が減少することによってカルシウムの吸収力が低下し、閉経後の5~7年では毎年2~5%の骨が失われていくといわれている。豆乳にはエストロゲンと同じ働きをするイソフラボンが豊富に含まれている。骨の健康を増進させるには、単にカルシウムの摂取量を多くするのではなく、それを効率的に吸収するために必要な各種ビタミン類の補給も必要だ。牛乳だけでなく、豆乳も上手に利用するば、脂肪の摂りすぎを心配せずに効果が上げられるだろう。

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木曜日, 2月 23, 2006

よもぎについて

○よもぎ

 本州をはじめ四国、九州などの山野で普通に見かける多年草。春先の若葉は草餅に搗き込むことでよく知られ、非常に身近な薬草として古くから親しまれてきた。分献での初出は『万葉集』で、すでに奈良朝の末期には5月の節句に、菖蒲とともに軒先に飾る風習があった。これは「毒気を払う」という中国の風習に由来するといわれている。

 ヨモギの葉は「艾葉」といい、漢方では消炎、収斂、止血、止瀉薬とする。また、他の生薬との合法で腹痛や下痢止め、利尿、解熱、鎮咳、便秘、動脈硬化、慢性肝炎などと応用範囲が広い。

 ヨモギには、老化防止にもつながる生体内過酸化脂質抑制作用があるとする研究も発表されている。その作用機構はラジカル基の消去作用でSOD活性と同様の作用を有し、その作用成分の本体は、コーヒー豆などに含まれるカフィータンニン類であることが明らかにされている。また、ガンに効果的だという研究報告(東大伝染病研究所・小島保彦)もある。それによればヨモギの中にインターフェロン・インディーサー(インターフェロンを増やす物質)を発見しマウスで実験したところ、ガンが減少していくのが認められたという。

 また、ヨモギ中のカフィータンニン類にはヒト白血球でのアレルギー物質ロイコトリエン類の生成を抑制することも明らかにされている。健康食品として評価が高いプロポリスにもヨモギと同様の成分が単離されているが、これはヨモギ類がアレルギー性疾患に有効である可能性を示すもので、最近はヨモギエキス含有の石鹸やシャンプーなども市販されていることも興味深い。

 ヨモギの葉にはシネオールなどの精油のほか、酵素、多糖類、ビタミン・ミネラル類の含有量も多く、とくにカロチンが100g中に3600ug(ビタミンA効力2000IU)もあってホウレン草の3100ug(1700IU)を凌ぐ。春先のシーズンにはぜひ積極的に摂取したいものであるが、最近は健康食品として青汁タイプやお茶タイプのものも出ている。通常食品ではヨモギ麩、ヨモギパンなどの形で用いられている。

 葉の裏の白い綿毛は「モグサ(艾)」としてお灸に使われるが、その煙には強い殺菌作用が認められている。モグサの原料は日本では「オオヨモギ」、中国では「チョウセンヨモギ」を使うのが通例である。

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水曜日, 2月 22, 2006

リングフィッシュ自己発酵エキス(リカメン)

○リングフィッシュ自己発酵エキス(リカメン)

 高圧・暗闇の深海で生息する魚には、高ストレスの極限環境から身を守るため、体内で特異な自己発酵物を産生するものが多い。北大西洋の深海2000mに済むリングフィッシュもそのような魚の一種だ。リングフィッシュは体調が2m以上にもなるタラ科の食用魚だが、摂取したプランクトンを利用して、体内で不飽和脂肪酸を合成できる特別な代謝システムを持っている。そのため、すでにリポプロテインの状態になって体内に同化吸収されやすい多価不飽和脂肪酸(ω3)を多く含むほか、天然のアミノ酸でキレートされた抗酸化錯体(セレンやビタミンE複合体)や、各種ペプチド(酵素系のペプチド群、下垂体刺激性視床下部ホルモンの前駆体と類似したペプチド、脳内のニューロンペプチド、アンジオテンシン転換酵素の阻害ペプチド)も含んでいる。

 このリングフィッシュの内臓や骨、頭部を、魚自身の持つ酵素を使って加水分解することで調整したのがリングフィッシュ自己発酵エキスである。フランスで開発され、リカメン(製品素材名)として広く知られている。世界最大の自転車レース・ツールドフランスの選手も使っていることで話題を読んだリカメンだが、早くからフランスの国立研究機関などで健康性機能についての研究が行われており、それを裏付けるように、①運動化における筋肉疲労の軽減・遅延、②持久力・運動能力の向上、③循環器血栓症の予防効果、④脳機能改善効果(記憶力・集中力)、⑤抗不安・抗ストレス作用、⑥鎮静効果などが確認されている。フランスで行われた臨床試験では、頚動脈厚を改善することが認められて、第5回国際循環器予防学会(2001年、大阪)で報告された。また、パリ大学やフランスの病院で行われて臨床研究では、肥満患者の栄養学的なバランスを維持しながら、筋肉量を保持して脂肪の量を減らすという減量効果のデータも得られている。

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火曜日, 2月 21, 2006

紫蘇(しそ)油について

○紫蘇(しそ)油

 紫蘇という文字は「紫色で生命を蘇らせるもの」の意味だとされ、古来、発汗・鎮嘔・鎮咳・利尿の生薬として漢方の処方にも用いられ、薬理研究の対象とされてきたが、紫蘇油にも大きな効用が次々と明らかにされてきた。

 紫蘇油は、シソ科の紫蘇や同じ仲間のエゴマ(中国名・荏、韓国名・白蘇)の実から得られる。この油脂が近年脚光を浴びる理由は、他の植物油では亜麻仁(あまに)油以外にはほとんど含まれないα-リノレン酸という不飽和脂肪酸が主体(含有量約70%)だからである。

 この脂肪酸の効用が明らかにされたことから、紫蘇油はリノール酸に次ぐ第2の健康油として健康食品業界の寵児となった。

 α-リノレン酸の注目度が高まる中で、その独自の効果も次第に明らかにされてきた。例えば、乳ガンの抑制効果に関してはアメリカのE・キャメロン(カリフォルニア州ガン予防研究所)、米倉郁美・佐藤彰夫(山梨大学)、長澤弘(明治大学)らが、大腸ガンについては成澤富雄(秋田大学)、広瀬雅雄(名古屋私立大学)らが有効性を解明している。

 また、体液性免疫を司るロイコトリエンがリノール酸から代謝された場合よりも、α-リノレン酸からの場合の方が数十分の一も作用が穏やかで、アレルギーによる炎症反応に対し抑制的に働くことが奥山治美(名古屋私立大学)らが報告している。

 このほか、血圧の上昇を抑え、血小板凝集を抑制して脳梗塞や心筋梗塞を予防すること、また、前述のように、α-リノレン酸は体内でEPAを経てDHAに代謝されるため、その健脳効果も期待されている。

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月曜日, 2月 20, 2006

小豆について

○小豆

 小豆は東アジア原産のマメ科の一年草で、ショウズともいい、大豆とともに古くからわが国では栽培され、餡や汁粉、赤飯、小豆粥などと季節を問わず親しまれてきた食材の一つである。

 主成分は糖質とタンパク質であるが、特徴はビタミンB1を多量に含むことで、昔から脚気の妙薬として民間薬的に利用されている。また、カリウムや食物繊維も多いので、便秘の改善や利尿促進作用も期待できる。

 外皮に含まれているサポニンの作用も大で、腎臓病・心臓病・脚気などによるむくみに著効がある。したがって煮汁は捨てずに全部利用したい。赤飯を炊く煮汁を使うのは、単なる色付けだけでない先人の知恵である。

 ビタミンB1は脚気に効くばかりでなく、疲労回復、夏バテ防止にもよい。食欲増進に玄米の小豆粥などはぜひ薦めたい料理である。また、小豆には催乳の働きがあるので、産後の女性に煮汁とともにたっぷり与えて母子の健康をはかりたい。

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日曜日, 2月 19, 2006

マグネシウムについて

○マグネシウム

 元素記号はMg。人の必須主要ミネラルの一つで、人体での存在量はミネラル中7番目である。成人(体重60kg前後)で20~25g程度を体内に保有しており、その約半分以上は骨に、残りの大部分は細胞内液に(特に筋肉と肝臓の細胞に多い)、その他は血漿内に存在している。子供よりも成人の方が、また女性は妊娠中の方が、体内での濃度は増大する。

 マグネシウムの名称は、古代ギリシャにマグネシアという地方があって、その地で取れる白い鉱物には種々の病気を治療する効果があり、その有効成分がこの金属であることがわかって名づけられたといわれている。

 近年、マグネシウムが非常に重要な生体機能に深く関与していることが明らかにされ、その一方で食生活が近代化するに応じて摂取量が減少する栄養素であることがわかってきた。とはいえ、なお一般にはマグネシウムを単に鉱物資源としてのみ認識していることが多いのであるが、その語源にすでに病気の問題が関わっていたことは興味深い。

 マグネシウムは血漿中に存在する量が非常に少ない(体内のマグネシウム全体の1%程度)ために、血液検査ではその不足がわかりにくいのであるが、欠乏症になると発育不全、筋肉の震え、筋力の低下や痙攣による運動障害、めまい、ひきつけ、嚥下障害などを経て全身性の痙攣へと進み、合わせて神経症状も現れて、感情の鈍麻、あるいは極度の過敏症、抑欝、不安神経症、精神錯乱にまで進む。なかには、皮膚の黒ずみ、食欲不振、睡眠障害のような症状もあるが、腎不全、腎臓結石、狭心症、不整脈、心筋梗塞、高血圧、糖尿病などの報告もある。

 マグネシウムは経口摂取の不足などで血液中の濃度が低くなったときは、腎臓の糸状体や尿細管で再吸収されるなどして微妙な体内調節がはかられているが、腸の疾患による吸収減少、下痢や授乳や持続的発汗による体液の損失、利尿剤などによる尿量の増大、慢性アルコール中毒など、様々な原因で欠乏状態になったときに、前記のような疾患に結びついていく。

 特に最近は、糖尿病とマグネシウムの相関関係について強い関心が寄せられている。マグネシウムが糖代謝に関与する多くの酵素の活性因子として必要なミネラルであることはすでに明らかにされているが、ラットの脂肪細胞において、マグネシウムがインスリンによる糖の酸化作用を増強することも最近確認されている。また、109名の糖尿病患者を検査してその血漿マグネシウム濃度が低く、さらに1日の尿中マグネシウム排泄量が多いことも報告されている。これは、糖尿病にとってマグネシウムが一つの重要な因子であることを示唆するものである。

 現在、わが国の栄養所要量では、マグネシウムは1日成人男性で300~320mg、女性で250~260mgが示されているが、通常の食生活では目標値を摂れていないとの調査報告もある。また、その1.5~2.5倍は必要だとする意見も多い。許容上限摂取量は650~700m(成人)。

 マグネシウムを多く含む食品には、青ノリ、ヒジキなどの海藻類のほか、胚芽類、アーモンド、ピーナッツ、大豆などの豆類がある。また、栄養補助食品としては調整された天然にがりは塩化マグネシウムが主成分であり、マグネシウムの供給源として注目されている。

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土曜日, 2月 18, 2006

黒茶について

○黒茶

 黒茶は堆積させた生葉を加湿し、微生物を利用して発酵させるもので、製法による分類では後発酵茶に属する。微生物による長期間の発酵熟成は温度・湿度・環境(好気性発酵)など技術的に難しい管理を必要とするため産地は限られて、主に広西省・雲南省産が大部分を占めている。代表的な黒茶としてはプーアル茶がわが国でもよく知られている。

 産地によって微生物の種類も発酵方法も異なるため、味や香りも微妙に違っている。黒麹菌で長期間発酵熟成させた黒茶は、茶葉(鮮葉)中のカテキン類が低分子で3つの水酸基を持つ没食子酸エステルに変わるとともに、お茶特有のアミノ酸の一種テアニンが大量に生産されるので、タンニンの苦味は消え去り、まろやかな味わいを生じている。

 設備と管理のよいところで熟成期間3年以上経たものは成分構成の変化によりまろやかな風味を呈するとともに、カフェイン様作用が消滅しているので、夜の睡眠の妨げになるようなことはない。また、タンニンの渋みや収斂性も消失しているので、便秘傾向の人にも適しているといわれる。これらの事実は本草綱目拾遣や中薬大辞典にも収載され、3年を経たものを薬用とし、新しいものは火気があると記載されている。黒茶の特徴をまとめると、以下のとおりである。

 ①長期間の発酵塾生によりカテキンの渋みやカフェイン様作用が消失し、より有効な作用を持つ成分に変わっている。②テアニン等のアミノ酸が多くなり、口中をさっぱりさせ、飽きの来ない味と香りを持っている。③やかんや土瓶で煮出してポットに入れておくと、3日くらいはホットでもアイスでもおいしくいつでも飲めるので非常に便利である(保存性に優れている)。④黒茶はダイエット茶として、体質に応じて適度のコレステロールや中性脂肪の吸収抑制作用が得られるといわれている。⑤発酵により利尿作用のあるテオフィリン系の成分が多くなっており、水分代謝が促進される。

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金曜日, 2月 17, 2006

活性炭(ヘルスカーボン)について

○活性炭(ヘルスカーボン)

 農薬や睡眠薬による急性中毒の際、その強力な吸着材としての作用で治療に使われるのが薬用活性炭である。毒物を吸着させて体外に排出する力が強力であるが、副作用(便秘)が強く、常時摂取することはできない。

 そこで、薬用の活性炭を天然のオリゴマンナンと昆布やヒジキなどの細胞膜成分(アルギン酸カルシウム)でコーティングし、便秘などの副作用が起きないように改良を加えたのが、食べる活性炭として注目されているのがヘルスカーボンである。近年、このヘルスカーボンを活用して、体内に蓄積したダイオキシンを排出させる効果に関心が集まっている。

 国のダイオキシン類対策特別措置法では、ダイオキシンの耐用1日摂取量(人が一生涯にわたって摂取しても健康に有害な影響が現れないと判断される、体重1kgに対する1日当たりの摂取量)は4ピコグラム(ピコは1兆分の1g)とされている。しかし、体内に蓄積されたダイオキシン濃度が半減するには5年から10年かかるといわれている。そのため、ダイオキシンの耐用1日摂取量を現時点でいくら低く設定しても、すでに体内に蓄積されたダイオキシン量が減るわけではない。このジレンマを解決するのがヘルスカーボンである。

 活性炭の粒子には目に見えない穴が多数あり、この穴に有害毒物が吸着されるわけだが、ヘルスカーボンの吸着領域は分子量が100~90000の物質で、この範囲にはダイオキシンなどの環境ホルモンも入る。ヘルスカーボンを使ったダイオキシン除去方法は大きく2つ有る。1つは食材を洗う水や料理を煮るときに一緒に使うことで、食材に含まれているダイオキシンを吸着してしまう方法。もう1つは、ヘルスカーボンを食事中か食事前後に食べることで、腸管内のダイオキシンを吸着し、体外に排出して行く方法だ。肝臓にダイオキシンが蓄積しているラットに1週間ヘルスカーボンを食べさせると、肝臓の残留ダイオキシンがなくなったという報告がある。これは十二指腸に排出されたダイオキシンを吸着・排出し、ダイオキシンの腸肝循環を阻止したと見られる。

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木曜日, 2月 16, 2006

紅花油(サフラワー油)について

○紅花油

 紅花油は、紅花の種子から搾り取った油で、リノール酸が全体の75%以上を占め、植物油の中で最も多い含有量である。動物脂肪の摂り過ぎがコレステロールの増加を招き、動脈硬化や高血圧などの生活習慣病を引き起こすことになるが、リノール酸は体内コレステロールを排出し、動脈硬化や高血圧の予防・改善に有効だとして、近年、紅花油に注目が集まった。

 その効果を最初に実証した動物実験は、高血圧自然発症ラット(遺伝的に高血圧を起こすネズミ)をA、B、Cの3グループに分け、Aグループは粉末飼料、Bには粉末試料にラードを添加したもの、Cには粉末飼料に紅花油を加えたものをそれぞれ与えた。

 実験開始時には3グループとも平均血圧が197mmと、高血圧の症状を呈していたが、粉末飼料だけを与えていたAグループは、実験開始から終了までの5週間ほとんど変化なく、高血圧症のままであった。Bグループには初めの3週間だけラード(飽和脂肪酸)を加え、その後2週間は粉末飼料だけにしたが、グループと同じように高血圧は改善されなかった。

 最後のCグループは、初めの3週間に紅花油を加えた飼料を与え、その後2週間は粉末飼料だけにした結果、1週間目で血圧が平均177mmまで降下し、2週間目も低い血圧を保ち続けていた。しかし、紅花油の添加をやめて3週目以降は再び血圧が上昇してしまった。

 この実験データから、紅花油の血圧効果作用が明らかとなり、以後、リノール酸について血液中のコレステロールを減らす働きのほか、リノール酸の一部が体内でプロスタグランジン(ホルモンに似た働きを持つ物質)に変わり、その一部が血管を拡張させ、血圧を下げる働きを持つことなどが明らかにされた。

 このように高血圧予防に有効な紅花油であるが、リノール酸の含有量が跳び抜けて多いため、逆に紅花油の使用を減らすべきだとする指摘もあり、現在は概ねその方向に進んでいる。それは、近年の脂質栄養学の成果から、リノール酸の過剰摂取によって様々な弊害の起こることが明らかになってきたからである。

 リノール酸は酸化されやすく、体内で過酸化脂質を作りガンの原因となったり、リノール酸から合成されるアラキドン酸によって、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患や免疫力低下を引き起こすことが指摘されている。つまり、過剰摂取による弊害である。

 紅花油も最近は品種改良され、変敗しにくい製品も出ているが、かつてのブームになったようにリノール酸至上主義が通用しなくなっていることは知っておく必要があるだろう。

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水曜日, 2月 15, 2006

紅花について

○紅花

 紅花はキク科の一年草で、サフラワー(英名)とも呼ばれる。夏に咲く紅黄色の花を摘み取って薬用や染料、口紅などに用いたことから、古名を末摘花という。開花後、花冠が赤くなった花を集めて乾燥したものが生薬の紅花(こうか)で、漢方薬の古典・菌匱要略には「婦人の62種の風、および腹中血気利痛は、紅藍花(紅花)これを主どる」とあり、これは婦人の冷え性、産前産後や更年期など腹が痛むときに効果があるといった意味である。

 血流循環に異常が生じて滞った状態を漢方では瘀血というが、女性によく見られる月経異常や冷え性、のぼせ、皮膚のしみ、時に不妊や流・早産などを始め、中風や高血圧も?血が原因する場合が多いと考えられており、腫瘍、口内炎なども含めて紅花の適応症としているのである。現代的に言い換えれば、紅花の薬効成分が全身の代謝機能を更新するということになろう。

 紅花の薬効成分としては数種のフラボン配糖体、アセチレン化合物などの他に、カルコン配糖体である黄色色素のサフロールイエロー、紅色色素のカーサミンなどがよく知られている。黄色色素は水に溶けるが、赤色色素は水に不要でアルコールに溶けるため、紅花を処方した漢方薬は、水なく酒で煎じて服用する場合がある。また、焼酎に浸けておけば、両方の色素が浸出した薬用酒(紅花酒)ができる。また、藤ノ森古墳(6世紀後半)の被葬者の腹部を中心にその花粉が大量に検出され、これは紅花が防腐剤として用いられた可能性が高いとして話題になった。

 紅花の若芽を乾燥させた健康食品(焙煎加工したお茶タイプ、粉末化した顆粒タイプなど)も登場している。分析検査(財・日本食品分析センターによる)では特にカルシウム、β-カロチン、葉酸、食物繊維の含有が多く、抗酸化作用を持つビタミンEはホウレン草の100倍、SOD活性は2400単位/1gで緑茶の6.5倍に達する。

 また、紅花の種子から搾り取った紅花油(サフラワー油)もよく知られている。不飽和脂肪酸のリノール酸を大量に含むことから、一時、健康によい食用油として人気を集めた。

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火曜日, 2月 14, 2006

乳タンパク質(ラクトフェリン)

○乳タンパク質(ラクトフェリン)

 動物の子は全てある時期までは母乳だけで成長するのであるが、その意味で母乳は、子にとっては単にカロリー源なのではなく、あるゆる栄養素と必要な生理活性物質を含んだ完全食品であるということができる。

 こうした認識はすぐに早くからあったが、成人病の多発や難治の疾病が増大する状況の中で根源的な栄養の問題まで掘り下げて研究する必要が叫ばれ、そこで健康の維持と健全な成長に欠かせない生理活性物質の宝庫として母乳(人乳や牛乳)が見直されるようになったのは、近年の新しい潮流である。その結果、これまでにも非常に多くの物質が発見されてきた。

 直接生理作用を持つ物質(顕在因子)としては、例えば副腎皮質ホルモン、甲状腺刺激ホルモンなどのホルモンや、ガングリオシド、ラクトフェリン、オリゴ糖、免疫グロブリン、酵素類などがあり、また母乳中のカゼイン(乳タンパク質の主要成分)が分解してできた二次的物質(潜在因子)としては、カルシウムの吸収に深く関与しているカゼインホスホペプチドや降圧効果ペプチド、線維芽細胞成長因子などが数えられる。

※カゼイン

 完全栄養食品といわれる牛乳には、タンパク質が2.9g(牛乳100g中)含まれているが、その75~85%を占めているのがカゼインで、生乳中に巨大分子として存在し、酸を加えると沈殿物として得られる。カゼインは体内で各種のペプチドに分解される。

 ペプチドには、カルシウムやナトリウムの吸収促進、鎮痛効果、腸の蠕動運動の抑制などの作用がある。腸の働きが抑制されることで食べ物の腸の滞在時間が長くなり、栄養素がより吸収できるようになる。

※ラクトフェリン

 鉄結合性を持つ糖タンパク質で、母乳以外に唾液なども含まれ、また、腸管内でも合成されている。抗菌作用(乳児の感染症を防ぐ)のほかに、腸内でビフィズス金の増殖を促して大腸菌など有害菌の繁殖を抑える効果、炎症を抑制する作用、免疫系のバランスを整えるなどの作用が明らかになっている。

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月曜日, 2月 13, 2006

ナトリウムについて

○ナトリウム

 地球上で最も多い元素は、と訊かれて、ナトリウムであるとすぐに答えられる人は少ない。実は天然に存在する形で、海水に約3%含まれる塩がナトリウムを主成分としている。さらに、他にも各種のナトリウム塩として存在する。

 ナトリウムは生命維持のために不可欠の物質で、人体には体液中にナトリウム塩として約0.15%含まれている。その働きは、①神経の刺激を感じてスムーズに伝達する、②筋肉の弾性を維持する、③消化液や分泌液にアルカリ性を与えてphを調整する、④浸透圧や生体機能を調整する、といった大事な役目を担っている。

 ナトリウムは、自然界の食べ物にはあまり含まれてはいない、そこで人間は海水から得た塩(食塩)や岩塩を利用してきたのだが、そのように何千年も前から食塩だけを取り出して使っている生き物は人間だけであり、必要以上にナトリウムを摂った場合、それが体内にたまってしまうという事態が生じることになった。その結果として、高血圧という障害が生じたとされている。つまり、ナトリウムが血液中に増えてくると、それを薄めるために水分を引き入れるので血液量が増加して血圧が上がる。またナトリウムは、抹消血管を収縮する作用を持っているため、血流を悪くしてやはり血圧を上げ、心臓に負担をかけることになる。逆に不足した場合は、体液の浸透圧が下がるので、体液の水分が細胞に移り浮腫の原因になる。

 動物の体は、余分なものを摂り過ぎると、排泄していつも適度な濃度を保つよう調節する機能を備えているのだが、前述したように自然界の食べ物にはナトリウムはあまり多くはないので、不足した時に比べて、摂り過ぎの場合の調整機能はもともと劣っているのである。こういった調節は腎臓で行われ、常に体液の食塩含有量を0.9%に保つように働いている。腎臓や他の障害でナトリウム代謝に異常が生じると、機能障害など様々な症状が現れることになる。

 他の栄養素との関係ではカリウムとのバランスが知られている。体内では、ナトリウムとカリウムの割合が常に一定であるように調節されている。したがってナトリウムの摂り過ぎが原因で高血圧症に悩んでいる人は、カリウムが多く含まれている野菜や果物、海藻などをたくさん食べるようにすれば、よい結果が得られる。

 東北地方の疫学調査で、リンゴ(カリウムの含有量が多い)を産する村とそうでない村の高血圧症の人を調べたところ、リンゴ村でははるかに少ない数字になった。東北地方は、一般に高血圧疾患が多いところだが、リンゴの栽培地帯に限って脳卒中の死亡率が低かったとの報告がある。

 こうしたことから日本では、ナトリウムは摂取を制限するように指導されており、1日当たり10g未満(0.15g/体重kg未満)にすることが望ましいとされている。

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日曜日, 2月 12, 2006

紅茶について

○紅茶

 紅茶の始まりはイギリスと思っている人が多い。しかし、この紅茶も中国から始まった。イギリスに紅茶が渡ったのは清時代(1644~1911年)初めの1650年代のことだが、たちまち紅茶は人気を博して需要が急伸、イギリスは紅茶の税金で海軍力を増強、7つの海を股にかける大英帝国の大海軍を作り上げていった。

 当時、イギリスは広東や福建省の廈門を中継港にして中国の物産を扱っていた。その中で、お茶は特に貴重品で、毎年、紅茶を運ぶティークリッパー(帆船)が一番茶を輸送するスピードを競っていたほどである。そのために、帆船のスピードアップが図られ、蒸気船が出現するまで、ティークリッパーの競争は華々しく続けられた。それほど、イギリスを始め欧州では紅茶の人気も高まり、需要も多かったのである。しかし、その利権をイギリスが一手に握っていたため、他の国では値段が高くなり、貴族などの上流階級にしか普及しなかったようだ。

 その紅茶を、全て中国から輸入していたイギリスは、その決済に困り、中国へアヘンを密輸するようになった。そしてアヘン戦争へとつながっていったのである。その結果、イギリスは中国から茶を輸入できなくなったため、セイロン(現在のスリランカ)で茶の栽培を大々的に行い、世界の紅茶需要に応えるようにした。これがイギリス紅茶、セイロン紅茶の始まりである。

 セイロン紅茶はアッサム種という大葉種から作られ、アッサム紅茶と呼ばれる。一方、小葉種を原料として作られるのが中国の祁門紅茶と北インド地方で作られるダージリン紅茶である。世界の紅茶市場では、これらを合わせて三大銘茶と呼んでいる。

 中国の紅茶生産はイギリスの世界進出の中で衰退していったが、それでも各種の紅茶作りの伝統は引き継がれ、今も盛んに作られている。主な分類では工夫紅茶、紅砕茶(分級紅茶)、小種紅茶の3種である。

 紅茶は他の茶類と同じくカテキン類を多く含むが、発酵の過程で酵素によって酸化され、紅茶独特の橙赤色を生み出すテアフラビンに変化する。この成分は緑茶のカテキン類と同じく強い抗酸化作用のあることが知られている。テアフラビンはアッサム紅茶に多いが、小葉主の紅茶ではテアフラビンがさらに重合してできる高分子のテアルビジンが含まれる。これは褐色の色素性分である。

 茶のカテキン類が悪性腫瘍組織の増殖を抑制する効果があることは、すでに多くの研究で明らかにされているが、緑茶にしても紅茶にしても少量ずつ毎日摂取することが健康につながるといわれている。紅茶はこのほか、カフェインも多く含まれており、利尿や眠気ざましに役立つほか、心身の疲労回復の一助ともなり、その香りとともに欧米風食生活に欠かせない役割を果たしているといえよう。

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土曜日, 2月 11, 2006

ジャスミン茶について

○ジャスミン茶

 加湿した中国緑茶やウーロン茶に様々な花を加えて香りづけをし、そのあとに花を除いて乾燥させたお茶を花茶と呼ぶが、ジャスミン茶(中国名・茉莉花茶)はその一つで、花茶の中では最もよく知られている。

 中国のジャスミン茶の産地は、福建の他に、蘇州、江西、金華、雲南、安徽などと多くを数え、産地によって使われる茶の発酵度が異なるが、緑茶とウーロン茶の中間に当たる1/3発酵程度の場合が多いようである。ベースとなる茶には最上級のものが用いられ、その加工工程で花の香りを茶に吸着させるが、この加工のポイントは茶の吸香性と、花の吐香性のバランスを微妙にコントロールするところにある。ジャスミン茶に使われるジャスミンはモクレン科の花であるが、非常に種類が多い。日本で栽培されるマツリカやソケイもその一種だが、中国でジャスミン茶に用いられるのは別種の半蔓性で白い八重咲きの種類である。

 ジャスミン茶は茶の中に花を混ぜ込むのではなく、その芳香だけを移す。そのため、もっとも香気の強い半開の花蕾を軽く干したものを用いる。精選した茶を15cmほど敷きつけた上にこの華を透き間なく撒き、その上に茶、さらに花と、三重、四重に積み重ねる。一夜置いて花と茶をふるい分け、新しい花に替えてまた積み重ねるという作業を繰り返していく。この香つけの回数が多いほど芳しくなるわけだが、工程の途中で花から出た水分を除くために温度を加えたり、逆に放熱のために広げたりと非常な手間をかけるのである。福建省の茉莉大白毫という最上級品では、それを7回も繰り返すといわれている。

 愛媛大学医学部の奥田拓道らの研究によると、高脂肪食の長期間摂取によるマウスの体重増加がジャスミン茶投与によって抑制されることが認められ、その作用として脂肪分解促進作用と脂質吸収抑制作用(膵臓リパーゼ抑制)が明らかにされている。

 福建省にはまた、ジャスミン茶だけでなく、包種茶と呼ばれる花茶もある。これは緑茶に近い茶をベースに、ミカン(桔花)、ハナマス、モクセイ(木犀)、クチナシ(梔子花)などが香づけに用いられている。

 このほか、中国独特の茶として白茶がある。大白、小白、水仙白といった特別な茶樹の銀白色の産毛に覆われた若芽を摘んで作られる茶で、これも福建省の名産茶の一つ。銀針白毫や白牡丹などはよく知られ、点てた茶は色が淡く、香や刺激性も強くない。古くから不老長寿の妙薬として愛飲されたが、ストレス、夏バテ、二日酔い、頭のもやもやなどに良く効く。

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金曜日, 2月 10, 2006

羅布麻茶について

○羅布麻茶

 羅布麻は中国の吉林省以南の江蘇、安徽、さらに西方の内モンゴル、陜西、甘粛、新疆など、広域に自生するキョウチクトウ科の宿根草で、繊維質に富んで麻のように用いられてきたところから、紅麻、野朝、沢漆麻など各地で多くの異名がある。また、古くからその葉が代用の茶として愛飲されたために、茶葉花、野茶などとも呼ばれ、文献的には救荒本草(1406年)に沢漆の名で記載され、若葉を摘んで蒸してから乾燥させると、茶としておいしく飲めることが紹介されている。

 このように線維と代用茶として伝統的に用いられてきた植物資源の有効利用を図る過程で、1952年に主生育地の羅布高原に因んで羅布麻と命名されて以来、中国では紡績技術の発達で細くて柔軟で強度に富む線維が得られるようになり、平行して中国科学院西北植物研究所などによる葉の成分の医学的、薬学的な検討も進められて、何種もの薬剤も作られてきた。

 わが国へもこの2つの用途がそっくり伝えられることとなったが、最初はまず、薬草の効果を持つ布として、羅布麻と綿の混紡布で作った枕カバーやパジャマが評判をとった。上海虹口中心病院では、高脂血症の15名(平均年齢58.7歳のうち14名が、この寝具の常用1ヶ月で収縮期血圧が225~146から155~94へ、拡張期血圧が、127~94から120~82へ下がり、めまいを含む自覚症状が軽減したことなどを報告している。

 これはちょうど藍染めの着物と同じように、素材(成分)から発する波動がもたらす効果であるとも考えられるが、富山医科薬科大学和漢薬研究所の難波恒雄は遠赤外線が放射されていることを確認しており、その働きで体内の生体水が活性化し、血液循環や水分代謝が改善されるのではと推察している。こうした羅布麻服飾保健製品は、時に応じて必要な降圧剤との併用が自由であるのも優れた特長であり、慢性気管支炎や喘息の改善にも有効であったという報告もあり、ある種の抗菌性も確認されている。

 一方、羅布麻の葉を用いた茶はウーロン茶に煮た薄甘い味わいで口当たりがよく、わが国では羅布麻茶もヤンロン茶(燕龍茶)とも呼ばれ、ごく最近になってエキスの顆粒も登場した。

 中国薬典(1985年)には「解熱利尿、肝臓を鎮め、精神を安らかにさせ、高血圧、めまい、動機、失眠に用いる」と記載され、近年の中国における研究ではルチン、カテキン、アントラキノン、グルタミン酸、アラニン、バリン、塩化カリウムなどのほか、多様なフラボノイド、フェノール物質、多糖体が確認されている。

 そして、それらの薬理効果として、①血圧効果作用(血管拡張とともに血液の粘度も下がる)、②血清総コレステロールの効果作用、③咳止め、去痰、喘息の軽快、感冒の予防、④精神安定(鎮静、快眠)、⑤血小板の凝集を防ぐ(脳梗塞などの原因となる血栓形成の抑制)、⑥免疫機能の活性化作用、⑦老化予防(活性酸素による脂質の過酸化を防ぐ)などの報告が相次いで報告されており、これらはわが国の研究や治験(中川栄一らによる)でも追認されている。

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セレンについて

○セレン

 元素記号はSe。人の必須微量ミネラルの一つで、近年、特に注目されている元素である。

 まず、老化をはじめ、多くの疾病の原因となる活性酸素の発生を抑え、過酸化脂質を取り除く抗酸化剤としての役割は見逃せない。さらに、ガンの発生を抑え、転移も防ぐほかに、狭心症や心筋梗塞の予防に役立ち、高血圧や動脈硬化、白内障、関節炎、筋ジストロフィー、精力減退などに有効な栄養素であり、若返り効果が抜群だということがわかってきたためである。

 セレンはいろいろな野菜に含まれているが、その量は微々たるもの。比較的多いとされているのは高麗人参、ニンニク、タマネギなど。他にバター、ニシンの燻製、ワカサギ、小麦胚芽、ブラジルナッツに割合多く含まれている。

 高血圧や動脈硬化に関するセレニウムの作用については、血圧をコントロールするホルモンの一種プロスタグランジンを体内で産生するのに欠かせないミネラルであり、血管を拡張させたり、血液が固まるのを防いで、動脈硬化や血栓症(心筋梗塞、脳血栓など)を防ぐ効果があると考えられている。

 1日所要量は成人男性で45~60ug、女性は40~45ugであるが、日本では欠乏の心配はほとんどない。許容上限摂取量は250ugである。

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水曜日, 2月 08, 2006

烏骨鶏エキスについて

○烏骨鶏エキス

 烏骨鶏は鶏の一種で東アジアの原産。皮・肉・骨が黒紫色をしているところから、烏の文字が当てられたが、中国産のものは全身が柔らかな白い羽毛で覆われているので、絹糸鶏ともいう。韓国産のものには羽毛が黒いものもある。

 漢方の古典・本草綱目に虚弱を補うと記され、精をつけて疲労を癒し、婦人病にも効果があるとして薬膳料理用に古くから珍重されてきた。漢方では黒い色をした食物に固有の薬効を認めることが多く、この烏骨鶏も黒いところがまず好まれたのであろうが、肉を分析して見るとカルシウムと鉄、ビタミンではA、B2、Eの含有量が非常に高い。

 もう一つ特徴的なことは、背の青い魚の特許のようにさえいわれる不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれていることである。EPAは血液が粘質化するのために生ずる心筋梗塞や、脳梗塞、動脈硬化症に対して有効であるし、DHAは血液が固まるのを防ぐ上に、血中の悪玉コレステロールを抑制し、さらに脳細胞を活性化することで注目される成分である。

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火曜日, 2月 07, 2006

香酢について

○香酢

 香酢は、中国江蘇省南部の都市・鎮江で造られる黒酢の一般的な呼称だが、黒酢といっても、日本の米酢とは製法も原料も異なる。鎮江香酢の原料はもち米と麦ふすまで、もち米を蒸して酒に仕込む。次にこの酒に籾殻を加え、甕で自然発酵させる。この発酵の仕方を酢酸分層発酵法といい、甕の中を攪拌したり、中身を別の甕に入れ替えて熟成させる。

 熟成の時間によって呼称が変わるのも香酢の特徴で、3年以上熟成されたものが高級醋とされ老陳醋と呼ばれる。これに対して1年未満のものは陳醋と呼ばれ、一般醋(大衆醋)とされる。新年やお祝いの日、特別の行事や珍客をもてなすなどの場合は、老陳酢が振舞われるという。

 香酢の良し悪しは、主原料のもち米、水、麹に左右されるが、発酵・熟成の工程及び細心で念入りな作業と時間(年月)のほか、容器などによっても思いもよらない違いが生じる。特に陶製の甕は不思議な力を持っており、長年にわたって使われた甕の内部の小さな穴には菌や発酵微生物など、いわば自然の力がすみつき、穴から出て一時も休むことなく呼吸し活動している。これが発酵や熟成に欠かせない神秘的ともいえる力を発揮すると考えられている。

 香酢の特徴はアミノ酸の含有量が多いことだが、香酢の健康機能性で鍵を握っているのは、アミノ酸が数種連なっているペプチドではないかとされ、研究の成果が期待されている。また最近、メラノジンという新しい成分が発見された。これは香酢を3年間熟成させると生まれる新規成分で、ポリフェノールの一種。胃や十二指腸の粘膜に作用して整腸効果を発揮する。

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月曜日, 2月 06, 2006

鯉エキスについて

○鯉エキス

 鯉は淡水魚の中でも寿命の長い魚としてよく知られ、現在北半球では寒冷地を除くアジア、ヨーロッパ、北米、東南アジアに、南半球ではオーストラリア、ニュージーランドでも繁殖している。中国では「鯉は川を上り龍になる」という言い伝えから、糖酷鯉魚(鯉の丸揚げ甘酢かけ)は縁起のよいものとされる。

 わが国では貴重なタンパク源として、広く一般的に鯉の洗いのほか、味噌汁仕立ての鯉濃が食膳に上がってきた。精力がつき、疲労回復の効果が期待され、授乳期の女性が飲むと乳の出がよくなるといわれている。妊娠中毒症(浮腫)、つわり、慢性腎炎などへの効果も認められており、また、鯉の胆嚢が眼精疲労によいことも古くから伝承されてきた。利尿作用が顕著で浮腫を除くともされ、中国医学では「肥満、咳嗽気逆(しゃっくり、咳、げっぷなど)、乳汁不通を治す」といわれている。

 このような経験的事実を確認する中で、近年は研究が本格化し、鯉の丸ごとのエキスに「抗ガン剤の作用を高める」「肝機能障害を予防する」「アトピー性皮膚炎や血行不良を改善する。」といった機能性が見出されている。愛媛大学医学部の奥田卓道らの研究グループは、抗ガン剤の5-FU(5-フルオロウラシル)投与によって起こる副作用(腸壁細胞の破壊、白血球の減少による感染症発症、下痢、口内炎、脱毛など)に対し、鯉エキスが有効であることを明らかにしている。すなわち、ザルコーマ180固形ガンを移植したマウスに5-FUと鯉エキスを併用投与すると、5-FU単独投与よりも、2倍も抗ガン作用が向上した。その分5-FUの投与を減らせるので、副作用の被害を軽減できるのである。さらに、5-FUを投与した動物実験のマウスは、脾臓重量の低下や白血球の減少という免疫機能低下を起こすが、このとき鯉エキスを投与(0.5mg/2回/1日)すると、脾臓重量の低下も白血球の減少も、5-FU非投与群のレベルまで回復した。同研究グループは、鯉エキスが過酸化脂質による肝障害を予防することも確認している。ラットに酸化したコーンオイルを1日につき2mlずつ10日間飲ませた場合、鯉エキス非投与群は血清中のGOT・GPT値ともに上昇するが、鯉エキス群は低下した。さらに、不定愁訴を招くアドレナリンの分泌を抑制する働きがあることも突き止められた。

 大阪市立大学医学部のグループ(清原祥恵ら)は、鯉の脂にカワラヨモギと米糠を加えた軟膏をアトピー性皮膚炎患者89名に5週間使用して痒みの軽減効果を調べた結果、全体の7割の痒みに対して有効であったという結果を報告している。

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日曜日, 2月 05, 2006

ゴマリグナンについて

○ゴマリグナン

 ゴマに含まれるリグナン類を総称してゴマリグナンという。リグナンとは水溶性食物繊維の一種で、顕花植物の茎や根、種子などに配糖体や遊離の状態で存在する。ゴマの種子には、セサミン、セサミノール、セサモール、セサモリノール、セサモリンなどのリグナン類が含まれ、いずれも抗酸化作用を持つ。

 ※セサミン

 ゴマに含まれるリグナン類の一つで、ゴマにわずか0.5%程度しか含まれていないが、強力な抗酸化作用のあることで知られている。肝臓の機能を強化し、アルコールの分解にも寄与している。また、中性脂肪を減らす作用のあることがラットを使った実験でわかっている。

 ※セサミノール

 ゴマの脂質(ゴマ油)に含まれるセサミノールは、変敗しにくいゴマ油などの経験から、強い抗酸化作用のあることがわかっている。セサミノールが過酸化脂質の生成を抑制することで、抗老化、抗ガン効果が得られるとする実験結果が報告されている。

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土曜日, 2月 04, 2006

トナカイ角エキスについて

○トナカイ角エキス

 強靭な生命力を示すオットセイや蛇の体内に神秘的な力の根源が宿されていることを信じた古代の人々の知恵と洞察力は、鹿の角に潜む力をも見抜いて、それを生薬に変えた。すなわちマンシュウジカ、またはハナシカの雄の、まだ骨質化していない幼角を切り取って乾燥させた鹿茸(漢方では参茸ともいう)であり、強壮・強精・補血薬として今でも根強い愛用者が絶えない。薄く切ったものを酒に浸したり飲んだり、粉末にして食べるのである。中国の古書・神農本草経には「悪血、気を益し、志を強くし、老いず」と記されており、従って漢方では、例えば鹿茸大補湯に加えて煎じて飲用する。同様のものとしてサイカク(犀角)というものがあり、これはサイの角を削って乾燥させたもので、同じく漢方では解熱、解毒、血圧降下を目標にして、防風通聖散とか升麻葛根湯などに加味する。

 こうして中国や日本で鹿やサイの角が用いられていたのと同じように、北欧ではトナカイの角が同様の目的で使われてきた長い歴史がある。そこで愛媛大学医学部医化学第2教室の奥田拓道らは、あまりにも高価な鹿茸に代わるべきものとしてトナカイ角に白羽の矢を立て、その主要成分を鹿茸と比べてみたところ、両者のペプチドアミノ酸組成は非常に類似しているが、含有量はトナカイ角の方が20%ほど多いこと、また鹿茸には遊離アミノ酸が含まれているが、トナカイ角には皆無であることがわかった。

 同教室では、故意に停留睾丸にしたマウス(こうすると男性ホルモンが低下し、インポテンツと同様の状態になる)を使った動物実験で、トナカイの角エキス(粉末の水溶液から抽出)を使用すると男性ホルモンの低下が起きないことを実証した。インポテンツにはさまざまな原因・現象・程度があるが、実験はこうしたことも配慮の上で行われた。

 1ヵ月後の結果は、1日25mg服用したグループでは3名が性交可能となり、1日50mgのグループでは同じく3名が性交可能、3名が客観的にも主観的にも勃起の明らかな改善が見られたという。そして、このグループでは有効だった6名全員に、血中の男性ホルモンの上昇が確認された。主要臓器、中枢神経や自律神経、消化器などへの異常な作用のないこと、血漿トランスアミナーゼ(GOT、GPT)活性や運動障害性などへの影響が皆無であることが綿密にチェックされた上で、こうしたインポテンツの効果が客観的に確認されたことは、非常に稀なケースと評価されるべきであろう。

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金曜日, 2月 03, 2006

カロチン(カロテン)について

○カロチン(カロテン)

 生物界に広く分布する黄・橙・赤色の脂溶性色素を総称してカロチノイド(カロテノイド)というが、そのうち炭化水素のものはカロテン類に分類され、α-カロチン、β-カロチン、γ-カロチン、リコピンがある。α、β、ガンマのカロチンをことをまとめにして単にカロチンと呼ぶこともある。カロチンは緑黄色野菜に多く含まれており、人の体内でレチノールに変わるビタミンA前駆物質(プロビタミンA)である。

 β-カロチンは、カロチンの中で最も多く存在し、早くからその効力が注目されていたもので、緑黄色野菜の中心性分である。β-カロチンの多くは小腸の粘膜でレチノールに転換されて吸収されるが、一部は直接β-カロチンのまま吸収されて(吸収力はレチノールの約1/3)、脂肪組織にそのままの形で貯蔵され、必要に応じてビタミンAに転換される。従ってβ-カロチンは、医薬品などの形でビタミンAを摂り過ぎたときに起こる過剰障害(肝障害など)を心配せずに摂取できる利点がある。

 初めは体内脂質の過酸化を抑制する抗酸化剤として注目されたが、ハーバード大学医学部では心臓病患者が積極的にβ-カロチンを摂取すると心筋梗塞、脳卒中の脂肪が半減し、LDLコレステロールによる血管の閉塞を防ぐ作用があると発表。また、アリゾナのガンセンター大学では、β-カロチンの連続投与によって口腔ガンの前ガン症状が激減したことを発表した。

 これらの効果がビタミンAとは異なるメカニズムによることが明らかにされるに及び、β-カロチンが単にビタミンAの前駆物質としてだけでなく、それ自体が固有の作用を持つ機能性成分として重視されるようになり、米国農務省や米国科学アカデミーではビタミンAと区別して、β-カロチンの1日摂取量を6mgと定めている。

 β-カロチンは高品質の健康食品として供されているが、一般食品で多く含むものとしては、人参(100g中9100ug)を筆頭に、ニラ、明日葉、小松菜、紫蘇、サツマイモなど多くを数える。いずれも吸収をよくするには、天ぷら炒め物にして油と一緒に摂るとよい。

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木曜日, 2月 02, 2006

海藻(ケルプ)エキスについて

○海藻(ケルプ)エキス

 昆布やワカメ、ひじきなどに代表される海藻類はミネラルの宝庫といわれ、カルシウム、リン、亜鉛、ヨードなどが特に多く含まれている。ヨードは甲状腺ホルモンを作る原料となる成分で、新陳代謝を高める作用があり、老化防止や若返り作用が期待できる。そのほか、ビタミンやタンパク質もバランスよく含まれており、海藻自体が優れた完全食品であるといっても過言ではないだろう。

 この海藻に含まれる有用性分を抽出したものは海藻エキスと呼ばれ、様々なタイプに加工され、海藻エキス食品として市場に出ている。海藻エキスには血管を若返らせ、血圧を下げる効果があることから、海藻エキスを含んだ健康食品は特に中高年に定着しつつある。

 海藻エキスが血圧を下げる作用には2つの面がある。一つは、海藻エキスに含まれるラミニンという特殊なアミノ酸の作用で、血圧に直接作用する。もう一つは、海藻エキスの硫酸多糖による作用である。これは血中コレステロール値を下げ、動脈硬化を予防し、血管を強化し、血圧をじわじわと下げていく、いわば血圧効果に対する間接的作用である。硫酸多糖は海藻の表面のぬめりを作り出す物質で、これが血管強化物質の正体であり、血中コレステロール値を下げる有効成分でもある。その働きは、コレステロールが腸から吸収されるときに、その吸収も妨げる。ある実験では、腸内のコレステロールの20~30%を吸着したという結果も出ているほどである。さらに、血液中のコレステロールで排出する作用があり、血管の老化防止に効果を発揮する。

 海藻エキスにはまた、血管を若返させる働きもある。血中コレステロールとリポタンパクが結合すると、コレステロールが血管壁に吸着して、血管の老化(動脈硬化など)を早めるが、硫酸多糖はリポタンパクを分解してコレステロールが沈着しないように作用する。この状態になると、血液中にコレステロールが多くても、動脈硬化を起こす心配は少なくなる。

 このほか、海藻には魚油に多いEPA(エイコサペンタエン酸)も含まれていることが判明し、注目されている。EPAはサバやイワシなどの魚油に含まれる多価不飽和脂肪酸だが、高血圧や動脈硬化に有効性があるといわれている。それは、EPAが血液を固まりにくくし、血管に付着するコレステロールを取り除き、血管を拡張して、血圧を下げる働きをするプロスタグランジンというホルモン群を作る働きがあると考えられるからである。

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水曜日, 2月 01, 2006

オリーブ油について

○オリーブ油

 オリーブの果実は、品種を問わず強い苦味があり生食できないが、塩漬け(ピックル)にした果実は脂肪分を含んで独特の風味を持ち、栄養価も高い。この熟した果実の実からはオリーブ油(果実重量の15~20%に達する)が作られる。また、核からはオリーブ核油が得られる。

 オリーブ油は植物の中でも最も消化・吸収がよく、豊富な脂溶性ビタミン類、さらに細胞に酸素を送る働きをしているカリウム、マグネシウムなどのミネラル類など栄養的価値の高い成分が含まれている。しかも、酵素は自然のタンニンとうまく調和しているので、栄養性分が吸収されやすく、健康素材として効果的である。

 なかでも、果肉だけ収集したものを弱く冷圧して採取したものは、バージンオイルと呼ばれ、新鮮味、栄養ともに最高である。

 その成分分析をみると、酸化度が0.17と低く、鹸化価190、ヨウ素価83.5といずも高い。脂肪分の組成は不飽和脂肪酸を豊富に含み、オレイン酸79.4%、パルミチン酸9.2%、リノール酸8.1%、ステアリン酸2.6%、リノレン酸0.6%などとなっている。そのほか微量成分ではプロビタミンA、ビタミンD・E、また珍しい成分として細胞の若返りに有効なスクアレンなどがある。

 バージンオイルは、オリーブの生きた栄養が全く破壊されていないのが特徴である。そのため、栄養が豊富に含まれているほか、消化・吸収がよく、さっぱりした食後感で、食べても胸焼けや胃のもたれなどの心配がない。

 オリーブは欧米で古くから薬用として使われており、また健康食品としても高く評価されている。欧米でのデータを紹介すると、①コレステロールを減らす、②オリーブ油を常食している民族では中年層に心臓及び動脈系統の病気が非常に少ない、③X線や放射線から守る(ネズミにX線、放射線をかけ続けた実験で、オリーブを与えたネズミには障害が起こらなかった)、④便秘の予防(慢性便秘などの人は大さじ1~3杯のオリーブ油を飲むとよい。副作用がなく、オリーブ油が腸壁を滑らかにして腸の運動を高める)、⑤胃酸過多や胃潰瘍にも有効(胃を守り、胃の運動や胃液の分泌を規則正しくする)、などが報告されている。

 このほか、髪の毛や皮膚の美容と健康、日焼けの予防、歯ぐきの健康、爪やまつ毛の健康などにも効果がある。

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