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木曜日, 9月 06, 2007

バター

○バター

 バターは牛乳から分離したクリームを攪拌して乳脂肪分を塊状に集めた食品である。乳等省令では乳脂肪分80%以上、水分17%以下と規定されている。原料のクリームを乳酸発酵させたかどうかで、発酵バターと非発酵バターに区別される。日本のバターのほとんどは非発酵タイプだが、ヨーロッパでは発酵バターのほうが一般的である。ミルク風味で味にクセのない非発酵バターに対して、発酵バターはわずかに酸味があり、香りがよい。バターはまた、食塩添加の有無によって加塩バター(塩分0.9~1.9%)と無塩バターに分かれる。

 バターは80%以上が脂肪分で、不飽和脂肪酸より飽和脂肪酸のほうが多いが、バターの脂肪は乳化しているため、食用油脂類の中で最も消化がよく、消化率は97~98%にもなる。脂溶性のビタミンA・E・Dなども含まれ、特にビタミンAは油脂類の中で断トツである。ビタミンAを多く含むオリーブオイルなどに比べてレチノール当量は約17倍にもなる。

 バターは高コレステロール食品として敬遠されがちだが、1階の摂取量を考えるとそれほど心配はない。バターのコレステロールは100g中210mgである。食パン1枚に塗るバターの量を約10gとすると、コレステロールは21mg。これは卵1個分のコレステロールの含有量210mgの10分の1である。最近はまた、コレステロール値が低すぎると脳卒中のリスクが高まるなど、健康上の有用性を示すデータも発表されている。バターは少量で高カロリーを補え消化もよいので、高齢者や幼児の離乳食素材にも適している。