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木曜日, 7月 10, 2014

半辺蓮

○半辺蓮(はんぺんれん)

 日本の各地、朝鮮半島、中国、東南アジアなどに分布するキキョウ科の多年草ミゾカクシ(Lobelia chinensis)の全草を用いる。中国では花が下方だけに広がるために半辺蓮と呼ばれ、日本では田んぼの畦道などで溝が隠れるほど繁殖するのでミゾカクシ、あるいはアゼムシロと呼ばれている。

 日本にも普通に分布するが、一般にミゾカクシ属は有毒植物として知られ、薬用としてはほとんど利用されていなかった。中国で住血吸虫病による肝硬変の腹水に有効であることが報告されて以来、非常に注目されている。

 成分にはアルカロイドのロベリン、ロベラニン、ロベラニジンなどが含まれ、利尿作用や呼吸興奮作用、循環系に対する作用を有する。漢方では利水・消腫・解毒の効能があり、下痢や浮腫、腹水、皮膚化膿症、毒蛇咬傷などに用いる。とくに住血吸虫による腹水と毒蛇咬傷の治療は有名である。

 毒蛇に咬まれた時には生汁あるいは煎液を内服すると同時に生汁を患部に貼付する。同属の薬用植物としては北米に分布するロベリア草(L.inflata)がある。